ロンドン・ウェストエンドで、日本発の名作が新たな歴史を刻む。「となりのトトロ」の無期限ロングラン公演が3月20日に開幕。3月24日、公演写真が公開された。
本作は、宮崎駿監督(崎の字はたつさきが正式)のアニメーション映画を原作とし、音楽を担当した久石譲が舞台化を発案。日本テレビとイギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)が共同製作し、2022年の初演、2023年の再演を経て、満を持してのロングラン公演となった。
原作の世界観を忠実に再現した演出と久石の音楽が観客の心をつかみ、これまでの公演ではチケット完売が相次いだ。さらに、英国演劇界最高峰のローレンス・オリビエ賞で最多6部門を受賞し、演劇界の評価も極めて高い。
ロングラン公演の舞台は、ミュージカル「オペラ座の怪人」などで知られる作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーが所有するジリアン・リン・シアター。
ロイド・ウェバーが本作を観劇し、その完成度の高さを評価したことから、劇場の長期使用が決定した。特筆すべきは、この劇場がウェストエンドでは珍しい横長の構造を持つ点で、作中に登場する「ネコバス」が自由に駆け回ることができる空間設計がなされている。
演出を手掛けたフェリム・マクダーモットは、ジリアン・リン・シアターで観た「キャッツ」に熱狂した学生時代を振り返りながら、「時を経て、スタジオジブリの傑作に基づいた素晴らしいショーをこの劇場で届けることができることを誇りに思います」とコメント。
また、日本テレビのプロデューサーであり、スタジオジブリ取締役の依田謙一は、「日本で生まれた作品が無期限ロングランに挑めることは光栄です」とし、世界中の観客に向けて期待を寄せた。
開幕初日には、ロイド・ウェバーをはじめ、「グレイテスト・ショーマン」の楽曲「ディス・イズ・ミー」で知られるキアラ・セトルら著名人も駆けつけ、観客はスタンディングオベーションで作品を迎えた。また、2026年3月分までのチケット販売が決定しており、今後の長期公演に向けた期待が高まっている。
Mei (Victoria Chen), Tatsuo (Dai Tabuchi) and Satsuki (Ami Okumura Jones) in My Neighbour Totoro. (C) Manuel Harlan (C) RSC and Nippon TV
(C) 2022 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli
情報提供:日本テレビ