おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【ジブリグッズラボ】非売品の中でも人気が高い「劇場用卓上スタンディ」前編

 非売品ジブリグッズコレクターがおくる「ジブリグッズラボ」。今回は数ある非売品グッズの中でもシリーズ化されていて人気も高い、劇場用卓上スタンディを前編、後編の2回に分けてレビューします。

  •  そもそも「劇場用卓上スタンディ」って何?と思うかもしれませんが、簡単に説明すると映画館に行くと置かれているボール紙でできた立て看板みたいなアレの卓上版です。

     用途としては、作品宣伝の一手法として劇場の受付などに置かれることが多いですね。

     ジブリ作品ではこのような宣伝方法を「おもひでぽろぽろ」(1991年公開)から行っており、当時はタエ子のぬいぐるみをプラスチック製の専用台座に乗せて使っていました。

     以降ぬいぐるみシリーズは「耳をすませば」(1995年公開)まで続き、「もののけ姫」(1997年公開)以降のジブリ作品では(「レッドタートル ある島の物語」(2016年公開)除く)ポスターデザインを模した(「猫の恩返し」(2002年公開)を除く)レリーフ調の精密な造型物へと変わっていきます。

     造型はジブリグッズの販売元で有名なベネリックが手掛けており、作品を追うごとに緻密で完成度の高いものになり、非売品グッズの中でも特に人気の高いものになっていきました。

     それではまず、ぬいぐるみシリーズの一番手である「おもひでぽろぽろ」から始めようと思ったのですが、筆者のコレクションにはないので(苦笑)、持っている「紅の豚」(1992年公開)から始めましょう。

    ■ 紅の豚(1992年)

     「紅の豚」の卓上型スタンディは1989年よりスタジオジブリ作品のぬいぐるみを手掛け始めたサンアローの製品を使用しており、ぬいぐるみ単体での自立はできないので腰のベルトに引っ掛かる様スタンディングバーが台座に付属しています。

     ぬいぐるみも大きめのサイズを使用しているので、高さもそれなりにあって存在感がかなりありますね。

    ■ 平成狸合戦ぽんぽこ(1994年)

     「平成狸合戦ぽんぽこ」では、小さめ狸たちの集合体になっており、こちらもサンアロー製のぬいぐるみが使用されています。

     まだこちらの卓上スタンディを持っていなかった時は、こんなに小さいぬいぐるみの集合体だから数体紛失してしまっているとかで「(ジブリグッズ非売品コレクターとしても)コンプリートするのは難しそうだなぁ」と思っていたのですが、実は紛失防止の観点からか、6体のぬいぐるみが見えないように糸で繋いであるというのはさすがだなぁと思いました。

    ■ 耳をすませば(1995年)

     「耳をすませば」の卓上型スタンディは、デブ猫ムーンが主役の座を射止めました。こちらも引続きサンアロー製のぬいぐるみを使用しています。

     台座にはムーンの尻尾が引っ掛かからないように、気持ち程度ではありますが枠の部分に逃しが施されています。

     ムーンのぬいぐるみの中でも大きめのサイズのものを使用しているので、何気に重量もあってどっしり感がすごいです…さすがはデブネコ……。

    ■ もののけ姫(1997年)

     「もののけ姫」から卓上型スタンディの歴史はぬいぐるみからレリーフ調の造型物へ変わります。

     製作はどんぐり共和国でお馴染みのベネリック。以前のバロンフィギュアの記事でも触れましたが、この年にヒューリックとハンドベルが卸売部門の統合をしてベネリックになりましたね。

     宮崎監督の描き下ろしによる第二弾ポスターデザインを模したレリーフ調の置物は再現度が高い上、インパクトも強く、後のジブリ作品でもこのタイプの卓上型スタンディシリーズは続いていくことになります。

    ■ ホーホケキョ となりの山田くん(1999年)

     「ホーホケキョ となりの山田くん」でも第二弾ポスターデザインを立体化させたものになり、その完成度は卓上型スタンディの中では最高峰(笑)

     ただ、山田くんのロゴは造型されておらずシールのみとなっています。外周りは額縁をモチーフにしており、本来であればそれを支える木製の専用額立てが付属します。私の持っているのは額立てが欠品だったので、ダイソーの皿立てを使っているのであしからず(笑)

    ■ 千と千尋の神隠し(2001年)

     「千と千尋の神隠し」では、宮崎監督が初期に描いたイメージボードの構図が第二弾ポスターのデザインの元になっており、卓上型スタンディはそちらのデザインを模して製作されています。

     こちらは千尋の再現度がとても高いのが目を引きますね。個人的にはシャドウの入った豚が妙にリアルなので、そっちに目が行ってしまいましたが(笑)

    ■ 猫の恩返し&ギブリーズ episode2(2002年)

     「猫の恩返し&ギブリーズ episode2」では、「耳をすませば」以来の劇場作品二本立てになり話題に。

     ポスターの方は各作品別で作られていることもあってか、今回だけポスターの絵柄にない構図での立体化になっています。そしてこの作品から、徐々に卓上型スタンディの造りは半立体から更に立体的、繊細になっていき、破損リスクの高い置物へとなっていきます(笑)

     前述のとおり「猫の恩返し」からの卓上型スタンディでは、アルアル破損ポイントもご紹介していきます(笑)

     まずはバロンのステッキから!まぁ見れば一発で折れそうだよなってニオイがプンプンするんですけれども案の定、折れます。このぐらいだったらチョット妥協して半立体にしておけば折れなくて済んだものを……。(心の声)

     そしてもう一つは「ギブリーズ episode2」の野中君のフィギュアですね。こちらは完全に立体フィギュアが台座にのっている感じなので、やっぱりポキッと……でも、バロンのステッキほどは折れているのを見かけないですね。

     と、「劇場用卓上型スタンディ」について前編をお送りしてきましたが、正直、全部そろってからやりたいと思っていた企画です。しかし、いつになったら揃うのかなんてまーったくわからんのでやってしまいました(笑)

     以前、ご縁があってスタジオポノックにお邪魔したときに元スタジオジブリの西村プロデューサーとお話をさせていただいた時のことなんですが、その時に劇場用卓上スタンディのお話をしたんですよ。

     そうしたらこれだけコストの掛かる卓上スタンディはスタジオジブリだから作れるのであって、他ではなかなか作れるものではないです。と、仰っていました。

     こうしてみると、「おもひでぽろぽろ」から始まった卓上型スタンディの時はまだ市販グッズの延長線上にあって、宣伝用に転用しているだけなのでそこまでは今ほどコストは掛からなかったとは思うんですよ。

     でも、宣伝と販促費で約20億円の巨額を投じた「もののけ姫」からは転用品ではなく、非売品の販促物として、しかもよりコストの掛かるレリーフ調の置物に変わっているんですよね。

     それを考えると、いかに宣伝や販促費にお金がかかっているのかがわかりますし、関係者の間では実は前評判の低かった「もののけ姫」という作品に、スタジオジブリが賭けていた意気込みというのが垣間見られるので、色々と妄想を巡らせるのもグッズ収集をしている上での楽しみの一つでもあります。

    (非売品ジブリグッズ収集家・くろすけ/@kurosuke4313

    あわせて読みたい関連記事
  • 「火垂るの墓」がNetflixで初の国内向け配信 7月15日より
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「火垂るの墓」がNetflixで初の国内向け配信 7月15日より

  • ジブリ作品「海がきこえる」が初の全国リバイバル上映!7月4日より3週間限定
    アニメ/マンガ, 舞台・上映

    ジブリ作品「海がきこえる」が初の全国リバイバル上映!7月4日より3週間限定

  • 魔女の宅急便「おソノ」さんのマタニティフォト グーチョキパン店も完全再現
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    魔女の宅急便「おソノ」さんのマタニティフォト グーチョキパン店も完全再現

  • 模型作品かと思いきや!ラピュタ「ロボット兵」の食べられるジオラマ
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    模型作品かと思いきや!ラピュタ「ロボット兵」の食べられるジオラマ

  • ジブリの料理レシピ絵本シリーズ第3弾は「天空の城ラピュタ」
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    ジブリの料理レシピ絵本「天空の城ラピュタ」が発売 「残業の日の肉だんご入りスープ…

  • 今にも動きそう!落ち葉アートで躍動感あるねこバスを表現
    インターネット, おもしろ

    今にも走りだしそう!落ち葉アートで躍動感あるねこバスを表現

  • 1/24スケール「バラクーダ号」を見つめる来場者
    インターネット, おもしろ

    宮崎アニメの模型作品がたくさん!「宮崎メカ模型クラブ」展示会に行ってきた

  • 画像提供:いずみ包(ぽお)さん(@poizm)
    エンタメ, 芸能人

    TVに映り込んだ「宮崎駿監督っぽい人」 ネットをざわつかせたジブリ芸人「いずみ包…

  • 床に点々と残る黒い足跡はススワタリの仕業?(はづきさん提供)
    インターネット, おもしろ

    我が家にススワタリが出現?床に残された足跡が物語る大惨事

  • もののけ姫屈指の名シーン「アシタカの旅立ち」をジオラマで再現 その出来映えはBGMが脳内再生されるレベル
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    もののけ姫屈指の名シーン「アシタカの旅立ち」をジオラマで再現 その出来映えはBG…

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表
    インターネット, サービス・テクノロジー

    ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表

  • コメダ珈琲店「珈琲所のプリン」が定番入り 真っ赤なチェリーが目印
    商品・物販, 経済

    コメダ珈琲店「珈琲所のプリン」が定番入り 真っ赤なチェリーが目印

  • アイティメディア株式会社の発表
    インターネット, サービス・テクノロジー

    ITmedia装う不審メール出回る 公式が注意喚起

  • TOKYO FM、SNS上の「サイバー攻撃」指摘を調査 分析用データの一部流出が判明
    インターネット, サービス・テクノロジー

    TOKYO FM、SNS上の「サイバー攻撃」指摘を調査 分析用データの一部流出が…

  • EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられます」
    インターネット, サービス・テクノロジー

    EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられま…

  • 東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え
    社会, 経済

    東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え

  • トピックス

    1. Pentagon Pizza Report(@PenPizzaReport)

      ペンタゴン周辺のピザ屋が混むと世界が動く? ネットで再燃する“ピザ観測ミーム”

      アメリカ国防総省周辺のピザ屋の混み具合から「世界情勢の異変」を読み取ろうとするXアカウント「Pent…
    2. 東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え

      東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え

      東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた累計入園者数が1月6日、9億人に到達。運営するオリ…
    3. クマ出没マップ 「FASTBEAR」

      AI集約のクマ出没マップ「FASTBEAR」公開 全国の出没情報をまとめて可視化

      全国のクマ出没情報を地図上で可視化する「FASTBEAR(ファストベア)」の公開が、12月26日に発…

    編集部おすすめ

    1. ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表

      ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表

      飲食店情報サイト「ぐるなび」を運営する株式会社ぐるなびは1月8日、同社の個人情報流出を巡るSNS上の投稿について、公式サイト上で「調査の結果…
    2. コメダ珈琲店「珈琲所のプリン」が定番入り 真っ赤なチェリーが目印

      コメダ珈琲店「珈琲所のプリン」が定番入り 真っ赤なチェリーが目印

      コメダ珈琲店の定番デザートに、新たに「プリン」が仲間入りします。全国でフルサービス型の喫茶店を展開するコメダは、1月15日から「珈琲所のプリ…
    3. TOKYO FM、SNS上の「サイバー攻撃」指摘を調査 分析用データの一部流出が判明

      TOKYO FM、SNS上の「サイバー攻撃」指摘を調査 分析用データの一部流出が判明

      株式会社エフエム東京(TOKYO FM)は1月6日、サイバー攻撃や大量の個人データ流出を指摘するSNS投稿について事実確認の結果を公表しまし…
    4. EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられます」

      EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられます」

      テキストエディター「EmEditor」を提供するEmurasoftは1月4日、公式サイトに関するセキュリティインシデントの続報を公表しました…
    5. 日本自閉症協会、「デジタル自閉症」という表現に反対 誤解や偏見助長を懸念

      日本自閉症協会、「デジタル自閉症」という表現に反対 誤解や偏見助長を懸念

      一般社団法人日本自閉症協会は1月5日、比喩的に使われている「デジタル自閉症」という言葉について、反対する声明を発表しました。協会は、この言葉…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト