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総重量31㎏の巨大斧を製作 持ち上げられるマッチョ大募集

 「マッチョ戦士求ム!」。ツイートで力自慢の戦士を探しているのは、ゲームに登場するような武器や道具を作っている匠工芸。なんと総重量が31kgもある巨大な斧を、精密鋳造メーカーのキャステムとコラボして作ってしまったのだとか。12月25日・26日には神戸で開催されるイベントで巨大斧アゲマッチョチャレンジを開催予定とのこと。

  •  12月9日に投稿された匠工芸のツイートによると、「この世の未来を真剣に考えると絶対に必要」と思い、巨大斧(ゴッドデスギア)を広島県福山市にある金属のプロフェッショナル「株式会社キャステム」に作ってもらったそうです。

     株式会社キャステムといえば、漫画「キン肉マン」の人気超人であるロビンマスクのマスクを自社の技術を駆使して本気で作ったりしたこともあるユニークな企業。どうやら兵庫県と広島県の遊び心を持った会社同士が手を組んで、本気で遊んだようです。

     一緒に投稿された動画には、匠工芸代表の折井さんが巨大斧を持ち上げようとしていますが、1ミリも上げることができず「無理……」と断念する姿が映っていました。

    1ミリも上げることができず「無理……」と断念

     代表の折井さんに話を聞いてみたところ、これはキャステムの戸田拓夫社長からメッセージをもらって実現したプロジェクトとのこと。以前、プラスチック製の巨大斧の写真を投稿したところ、それを戸田社長が見つけて「この大きな武器を金属で作ったらおもしろいんじゃないか」と声をかけてきたそうです。

     連絡をもらった折井さんは、すぐにプラスチック製の巨大斧を持参してキャステムへ。モノづくりに対する熱い情熱をもつ同士、意気投合するのに時間はかからなかったみたいで、2020年末に巨大斧の金属化プロジェクトが始動したとのこと。

     そもそも巨大斧は、匠工芸の副社長である桃井さんが発案し、匠工芸でデザインから製作までおこなったオリジナルアイテム。「とにかく大きなものを作りたかった」と笑う桃井さん。たくさんの歯車は、モノづくりの町である地元高砂市の工業をイメージしているのだとか。

     巨大斧の製作はキャステム開発設計部の新入社員である大重さんと、サポートとして開発設計部長の藤原さんが担当することに。

     大重さんにとって巨大斧の製作は入社して初めての仕事で、まだ専門的な知識や技術を一切持っていない状態だったため、製作に使用する機械の使い方を覚えながらの作業は、とても大変だったそうです。

     そんな大重さんをサポートした藤原さんの話しによると、ただ複製するだけではなく、「よりリアルに、かつ実用的に、武器として持てるように」と軽量化を図り、さらに展示イベントなどへ持ち運びしやすいように、4つに分解できるように設計したとのこと。

     さらに、デザイン上の装飾だけだったギア部分を、大きさや配列のフォルムをできるだけ近づけ、柄についたハンドルを回せば回動するようにするなど、細かいこだわりも詰め込まれています。

     ハンドルを回すと、とても綺麗な音がするので、大重さんは「ぜひ見てほしい点であり、その音も聞いてほしいです」と話していました。一方の藤原さんは「これはこれで満足しているが、『あと2割は軽量化できたかな?』と思う」と、100%は満足していない様子。

     このような製作工程を経て完成した巨大斧は、12月25日・26日に神戸で開催されるコスプレイベント「第9回かみこす!」に出展され、巨大斧アゲマッチョチャレンジが開催される予定ですので、「我こそは!」と思う力自慢の戦士は、参加してみてはいかがでしょうか。

     ちなみに巨大斧を新品で販売する場合は、納期5か月で1本300万円(税込)になるとのことです。

    <記事化協力>
    (株)匠工芸さん(@takumikougei)
    株式会社キャステム

    (佐藤圭亮)

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