「#ザクハラ からのザビハラ」というつぶやきとともに、Twitterにファンアート作品を紹介したモデラーのみのふす きいさん。

 そこには「機動戦士ガンダム」に登場するジオン公国公王「デギン・ゾト・ザビ」の子供たちである、「ギレン(左上)」「キシリア(右上)」「ドズル(左下)」「ガルマ(右下)」の姿。

 ただそれは、ザクのガンプラといういで立ちで、それぞれの衣装を”着用した”ものとなっています。

 「事の発端は、友人と『ガンダム世界のファッション』について話したことでした」

 みのふす きいさんは、サラリーマンの傍らで、気の向くままに趣味のプラモデルを楽しむ人物。中学生の頃にハマったのち、中断期間を経て、今から3年ほど前に友人からの誘いを受けて復帰しています。

 「最初は素組みのみの予定だったんですが、中学生のときに、お小遣いやら塗装環境やらで満足に楽しめなかった鬱憤を晴らすかのごとくハマっちゃいまして。今は好き放題作っていますね(笑)」

 そう語りつつ、2021年はガンダム以外の作品も含め、総勢36体ものプラモデルを組み上げたそう。自由気ままにモデラーライフを楽しんでいます。

 そんな中で、先述の「ガンダム世界のファッション」への考察を元に生み出した、「キャラ風モビルスーツ」に取り組み始めたのは2020年9月。記念すべき第1作は、「機動戦士Zガンダム」に登場するMS「百式」を、メインパイロットである「クワトロ・バジーナ」が着用する「赤」へコーディネート。ある意味で「原点回帰」ともいえるものに仕上げました。

「キャラ風モビルスーツ」第1作である「クワトロ百式」。

 「謎の作風が誕生しましたね(笑)」とやや自嘲気味に語るみのふす きいさんですが、今回の投稿作品を製作する契機になったのが2021年8月。写真左上に写る「ギレン・ザビ」を、「旧ザク」こと「ザク1」を用いて製作しました。

発表当時、Twitterで反響を呼んだ「ギレン・ザク」。

 そのいで立ちは、顔面をのぞけばギレンそのもの。作品紹介投稿は、当時のTwitter上でも大きな反響を呼び、その流れで「キシリア」「ガルマ」「ドズル」の順に製作した「ザビ家シリーズ」が誕生したそうです。

ギレンの反響を受け、シリーズ化を決意した投稿者。

末弟「ガルマ・ザビ」。

直近で製作したのが「ドズル・ザク」。

 「ザビ家シリーズ」含めたみのふす きいさんの「キャラ風モビルスーツ」のこだわりは、「モビルスーツであってキャラクターではない」ということ。

 「顔などの露出部は、機体そのままの色を残しているんですが、これは仮に肌色にしてしまうと、『あまり面白みがないかな?』という思いがあってのものなんです。また、『キャラと機体の登場する時代が合っていること』も考慮して、何かしらの関係性を持たせることにも気を付けていますね」

 一方で、製作は常に「ぶっつけ本番」だとも語るみのふすきいさん。事前の完成イメージがつかないため、製作における脳内イメージという“ながら作業”でカバーしているそうです。

 とはいえ、完成された作品は、ザクという共通点がある中でも、「あ、これは」と連想することが出来るクオリティ。

 今回の投稿は「集合写真」という要素があったため紹介されていませんでしたが、各々の完成報告の際は、それぞれの「名場面」の再現も合わせて紹介されています。

作品の完成報告の際は「シーン再現」も行っている投稿者。

キシリアとシャアが邂逅するシーン。

スレッガー中尉……!

ガルマ死す。

 みのふす きいさんは、半ば冬眠状態だったアカウントを駆り出し、現在はTwitterを“主戦場”として発信活動されています。すっかりライフワークとなった「キャラ風モビルスーツ」を含め、作品群は思わずニヤリとするものばかり。「ガンプラファッションショー会場」と化し、よりどりみどりの魅力を放っています。

<記事化協力>
みのふす きいさん(@3nokoimede)

(向山純平)