黄色の床や壁紙に、赤色の調理器具といった温かみのある色使いが目を引く、北欧風のキッチンを模したジオラマ作品。機能的でスマートな今風のキッチンも良いのですが、このような素朴で生活感のあるキッチンも素敵ですよね。

 「いつかこんなキッチンのある家に住んでみたいな」……と憧れの気持ちを抱きながら見ていると、ある違和感に気付きます。そう、実はこれ、全て画用紙で出来ているのです。

 とても紙で出来ているとは思えない、本物そっくりの「画用紙のキッチン」を制作したのはペーパークラフト作家のつついひなたさん(@TTI304)。過去にもゲームに登場する施設や、お菓子をモチーフにした建物などを多数制作し、SNSで発表しています。

 今回の作品は、以前公開した「ケーキに住む小人のお家」の制作中に、キッチン作りを楽しく感じたことがきっかけで生まれました。また、つついさん自身も料理を作ることが好きで、毎日料理する中で「こんなキッチンが良いな」と感じたのが、いわゆる「北欧風」のキッチンだったのだそう。

「画用紙のキッチン」コンセプトアート

 つついさんの理想を詰め込んだキッチンをコンセプトに、作品づくりをスタート。合計30時間ほどかかった、という制作の中でも特にこだわったと話すのは「自分が使う時を想像しながら作った」こと。

 大きさ10cmほど、両手に収まるサイズのジオラマでありながら、物の配置や小物、食器のデザインに至るまで、実際に使用している様子が伝わるリアルさを追求。ラグマットがほつれて毛糸が飛び出していたり、戸棚が少し開いていたりと、まるで誰かが住んでいるかのような生活感の伝わる作品に仕上がっています。

細部までこだわりが詰まった作品となっています

 完成した作品について、「とても細部までこだわることができて納得の出来です!楽しく制作できてよかったです!」とつついさん。理想を詰め込んだキッチンづくりは、自身も納得の出来栄えとなった模様。

 作った作品は、全て自宅で大切に保管しているそうですが、いつか本当に、小人たちが生活を始めていたり……するかもしれません。

<記事化協力>
つつい ひなたさん(@TTI304)

(山口弘剛)