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男の子がプリキュア好きでもいい!「好き」を貫く大切さを描いた漫画

 「プリキュア」「仮面ライダー」「スーパー戦隊」といえば、日曜朝にテレビ放送されている人気番組。特に、子育て中のママパパであれば、子どもと一緒に視聴している、という方も多いと思います。

 大人の我々から見ると、女の子にはプリキュア、男の子には仮面ライダー、スーパー戦隊というイメージがありますが、実際のところこのような分け隔てはありません。そんな価値観に左右されず「子どもの『好き』を貫くことの大切さ」を描いた育児漫画が、ツイッターで大きな注目を集めています。

  •  作者は漫画家・イラストレーターのこげのまさきさん(@koge_diary)。こげのさんはツイッターにて育児漫画を投稿中で、これらをまとめた「むすことわたし 全力まいにち! 前・後編」がAmazon kindleにて無料公開されています。

     今回投稿された漫画は全8ページで、こげのさん夫婦と息子さんが、近所で開催されるキャラクター撮影会に行くというストーリー。

    ためらいなくプリキュアを選んだ息子さん

     「ドンブラザーズ」か「プリキュア」か。どちらか片方を選択しなければなりませんでしたが、息子さんは迷うことなく「プリキュア」を選択します。息子さんは2歳ごろからこれらの番組を好んで見るようになり、もちろんどちらも大好きですが、今回はプリキュアへの思いの方が少々強かった模様。

     近年コロナ禍の影響から、キャラクター撮影会などのイベントは開催見合わせを余儀なくされていた為、息子さんにとっては初めての経験。「お気に入りのシールやフィギュアを持っていく!」と、意気込むなどプリキュアに会うことをとても楽しみにしていたようです。

    いざ会場に着くと女の子ばかり……

     いざ当日、会場に着くと来ているのは女の子だらけ。「本当にプリキュアで良かったのかな……」と心配するこげのさんをよそに、息子さんや周りの女の子たちは気に止めてもいない様子。

     写真撮影はついに息子さんの番がやってきます。いつものおどけたポーズを見せるかと思いきや……主役の「キュアプレシャス」を前に、息子さんは憧れと緊張で固まってしまいました。

    憧れのプリキュアを前に固まってしまう息子さん

     「ハワワ……」と落ち着かないその光景たるや、まさに「推しを目前に完全に固まっている姿」。息子さんの尊すぎる姿に、こげのさんは涙を流しながら写真を撮影しました。

    その姿は「推しを前に完全にかたまってる姿」

    周囲を気にしていたのは大人だけ……

     元々、男女関係なく好きなものを好きになって欲しいと思っていたこげのさん。しかし、つい「プリキュアでいいの?」という言葉が出てしまったり、「まわりは女の子ばっかり……」と気にしていたことを漫画の中でも反省。

     同時に、好きを貫いた息子さんや、男の子がいても気にしなかった周りの女の子ら、息子さんに目線を合わせるなど「神対応」してくれたプリキュアには「ありがとう」と心から感謝。これからも息子さんの好きを応援することを誓って、漫画は締めくくられます。

    好きを貫いた息子さん

    これからも息子さんの「好き」を応援すると誓ったようです

    追記されたキュアプレシャスの神対応

     いい話と共感する一方で、子育てにおいてこの考えがもっと広まって欲しい、と筆者は感じました。子どもが「これが好き」と主張したものに対し、「あなたは男(女)の子だからこっちにしなさい」と言ってしまったり、自身の幼少期にも、性別を理由に無理に好きなものを変えようと苦しんだ経験がある、という方は多いのではないでしょうか。

     周囲のジェンダーバイアスによって、好きなものを好きと言えないのは、本人にとってとてもつらいこと。場合によってはその後の人生すら左右しかねません。間違いであれば正す必要がありますが、少なくともこうした作品が好きである、という気持ちに正解不正解はないはず。

     その後、息子さんはショーについて多くを語らないものの、撮影した写真を見返しては、度々うれしそうな顔をしているとのこと。あの日、プリキュア撮影会に行っていなければ、この「推しとの思い出に浸る表情」は見られなかったことでしょう。

     こげのさんの投稿には6万件を超える「いいね」に加え、「プリキュアに限らずですが、自分の好きという気持ちは宝物ですね」「好きに男子とか女子とか関係ないですよね!素敵」と、返信欄は同意や共感の声であふれています。

     「性の多様性」が繰り返し議論される今日。性別に関わらず堂々と「好きなものは好き!」と言える価値観が、尊重される世の中になっていってほしいと感じます。

     特に子育てにおいては、まずは最も身近にいる親が、子どもの思いを組み取ってあげられる存在でありたいですね。

    <記事化協力>
    こげのまさきさん(@koge_diary

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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