大童澄瞳氏原作の漫画「映像研には手を出すな」(以下、映像研)。2020年には、アニメ化され、実写映画とドラマ化もされた話題の作品です。

 「ノスタルジックな魅力がありますよね」と作中設定やメカに大いに魅了されたのは、アマチュアモデラーのソラキオさん。その作品愛を「誰も立体化しないようなもの」を題材としてファンアートで表現しました。

 「映像研『浅草氏の塔』の工作完了記念動画。製作開始からほぼ1年。塗装開始は少し先になります」

 つぶやきとともに、通信アプリ「Inshot」で撮影した動画を投稿したソラキオさん。100秒ぴったりの動画では、建造物らしき製作物をあらゆる角度から紹介しています。

通信アプリで撮影した動画に映る多層塔建造物。

 和洋折衷様々な建造物が無秩序に並んだ多層塔建築のようですが、「映像研」のどの場面なのかピンとこない方も多いのでは。実はこれは、原作第1集の表紙に描かれた建物。連載開始後間もない2017年には、大童氏が自身のTwitterで全容を紹介しています。

 「こだわりは、『ヘンテコなメカ部分』をより強調したことですね」と、作品について語るソラキオさん。原作表紙と大童氏の投稿イラストしか「参考資料」は存在しない中、フルスクラッチとして製作したのが本作でした。

「映像研」原作第1集の表紙に描かれた建造物が題材。

 プラ板による「箱組み」を基本とし、一部戦車や鉄道模型のパーツも流用して組み合わせ、高さ35センチ・横幅45センチのスケール感で約1年の製作期間で完成させました。

 ところで、「参考資料」で描かれているのは、表紙絵ということもあり「表」のみ。「裏」については、ソラキオさんのオリジナルの表現となっています。

描かれていたのは「表」だけだったため、「裏」の表現には苦戦。

 「イラストの見えないところはアレンジして作りましたが、週末に活動している中で、1週で5センチ四方しか進まないこともありました。完成までには時間がかかってしまいましたね」

 苦心の末、ひとまずの完成にいたった本作。不定期で発信していたソラキオさんの進捗報告投稿の際には、大童氏自身も都度反応しており、製作への大いなるモチベーションになったことがうかがえます。

 今後は塗装作業に入るとのことですが、ソラキオさん曰く、まずは未塗装状態で作品展示を行うとのことです。

 東京・浅草橋にある「東商センター」にて、電飾模型サークル「DORO☆OFF」が主催する模型イベント「DORO☆OFF EXHIBITION(2022年9月17日・18日開催)」では、初日の9月17日に作品展示。

 また、編集部でも以前紹介した、「未来少年コナン」に登場する「バラクーダ号」の1/24スケールのジオラマ製作者のかのーさんが会長をつとめ、ソラキオさん自身も所属する「宮崎メカ模型クラブ」が11月13日に開催予定の展示会でも展示予定だそう。その後に1クール(3か月)目標に塗装を完了したいとのことでした。

<記事化協力>
ソラキオさん(@Sorakio)

(向山純平)