おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

バベルの塔高っ!「ダンまち」迷宮都市オラリオ市街のジオラマ

 2023年1月よりテレビアニメ第4期の2クール目「深章 厄災篇」が放送される、ライトノベルの「ダンまち」こと「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」。

 そのお話の舞台となる迷宮都市オラリオのジオラマが、ファンアートとしてTwitterで公開されました。天を貫くような高さとされる街のシンボル、巨塔バベルもしっかり再現されています。

  •  2023年に原作小説が10周年を迎える「ダンまち」。冒険者が集う迷宮都市オラリオを舞台に、駆け出し冒険者のベルが戦士アイズや女神ヘスティアらに導かれ、成長していく姿が描かれます。

     お話の舞台であり、地下に広大なダンジョンを有する円形の都市オラリオをジオラマ化したのは、ダンまちファンのモデラー、TOmaTOさん。テレビアニメ第4期の1クール目である「新章 迷宮篇」を視聴後、特徴的なバベルの塔と広大な街の対比をジオラマで再現できたら面白いのではないか、と作品づくりに取り組んだといいます。

    「ダンまち」迷宮都市オラリオのジオラマ(TOmaTOさん提供)

     作品の大きさは、ジオラマベースが縦150mm×横150mmの正方形。原作で50階建とされるバベルは、仮に300mmと高さを設定しました。バベルはプラパイプを軸にパテで肉付けして大まかな形を作り、さらにスジ彫りや薄いプラ板、溶きパテで表面のディティールを再現。3Dプリンタ出力ではなく、完全にフルスクラッチです。

    バベルはプラパイプを軸にパテ盛りで造形(TOmaTOさん提供)

    描き込まれたディティール(TOmaTOさん提供)

     ディティールはアニメを参考資料としていますが、バベルはあまりにも高く、フレイヤの住む最上階を含めた上層のディティールは明らかになっていません。そこで「上部3分の1はオリジナルで違和感なく繋がるように気をつけて作りました」とのこと。

    スジ彫りやプラ板、溶きパテでディティールを表現(TOmaTOさん提供)

     TOmaTOさんいわく「今までで作った中で最も高い作品」ということもあり、持ち運びなどを考慮して上層と下層は分割できる構造となっています。これだけを見ていると、まるでロケットのようにも見えますね。

    バベルは上下二分割式(TOmaTOさん提供)

    ロケットのようにも見えるバベル(TOmaTOさん提供)

     そびえたつバベルの巨大さと対比するため、街並みを構成する建物の大きさは1、2mm程度。1mm角のプラ棒やプラ板をランダムに切りだし、ひとつずつ配置しています。巨大な都市ですから、建物の数は約5000個(戸)にものぼり、TOmaTOさんは街づくりについて次のように語ってくれました。

    建物の素材となる大きさ1、2mmのプラスチック片(TOmaTOさん提供)

     「塔から放射状に延びる街を仕切る区画が綺麗に見えるように、そして区画内の路地や空き地が実際にあったらをどうなるか意識して配置しました。また整列しすぎると近代的に見えてしまうので、整列させつつランダムに配置するという事にも気を付けました」 

    建物を配置したところ(TOmaTOさん提供)

    完成した街並み(TOmaTOさん提供)

     街並みをよく見てみると、様々な趣向が凝らされていることが分かります。ジオラマの隅には、イシュタル・ファミリアが支配する歓楽街が。またコロッセオのほか、ヘスティア・ファミリアの本拠である「竈火の館(かまどのやかた)」も配置されています。

    ヘスティア・ファミリアの本拠「竈火の館」も再現(TOmaTOさん提供)

    歓楽街にコロッセオも(TOmaTOさん提供)

     このジオラマには、見どころがもうひとつ。街並みには蛍光塗料が流し込まれており、暗くしてブラックライトの光を当てると、一瞬にして夜景へと姿を変えるのです。歓楽街だけ、灯りが妖しげな紫色になっているところもポイント。

    暗所でブラックライトの光を当てると夜景に(TOmaTOさん提供)

     「夜景は作成途中で浮かんだアイデアだったのですが、初の試みだったため、蛍光塗料の発色や濃度の調整、街のどこを光らせるか検討を重ね結構苦労させられました。蛍光塗料で星空を作った背景と合わせて、思った以上にみなさんからの評判が良く、追加出来て良かったアイデアだったなと感じています」

    歓楽街だけ灯りの色が違う(TOmaTOさん提供)

     当初は1か月もかからないだろうと思っていたそうですが、実際の作業は細かいことが多く、街並みづくりに1か月、バベルに1か月と2倍の時間がかかったという今回の作品。毎回、どこかにチャレンジする要素を取り入れているとのことで、その試行錯誤も含まれているからかもしれません。

     「今回だとミニチュアの街、夜景、スジボリ工作など。工具も作品にあった物を揃えているので毎回買うもの多いです」

     作品の見どころ、注目してほしい部分にについて、TOmaTOさんにうかがいました。

     「コロッセオでしょうか。小さいながらイメージ通りの形状が出来たこと、また近くに川があり橋も架かっているという立地にありますので、観光客が実際に訪れた際には写真映えするのではないかと。あとはやはり巨大バベルの塔とその下に広がる街の対比ですね。これが作りたく始めたので、完成してひとしおでした」

    TOmaTOさん一推しのコロッセオ(TOmaTOさん提供)

     残念ながら、今回の作品はまだ展示会などで一般公開される予定はないとのこと。制作中は原作者の大森藤ノさんもTwitterで注目していただけに、どこかで展示の機会があるといいですね。

    <記事化協力>
    TOmaTOさん(@TOmaTO89048206)

    (咲村珠樹)

    あわせて読みたい関連記事
  • 華の会メール・バナー
    PR

    オトナ世代の恋愛マッチング

  • 華の会メール・バナー
    PR

    趣味でつながる30代からの恋愛マッチング \華の会メール/

  • 「推し愛」で生まれた海の化身 ナス製カイオーガ精霊馬が24万いいね
    ゲーム, ニュース・話題

    「推し愛」で生まれた海の化身 ナス製カイオーガ精霊馬が24万いいね

  • 「ジオン水泳部」がスイーツ&パンに変身?食欲そそる塗装作品に注目
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「ジオン水泳部」がスイーツ&パンに変身?食欲そそる塗装作品に注目

  • 文明崩壊後の景色に佇むカップヌードル Xで話題のジオラマが壮絶にエモい
    インターネット, おもしろ

    文明崩壊後の景色に佇むカップヌードル Xで話題のジオラマが壮絶にエモい

  • まさに「まな板の上のコイキング」……粘土で再現されたファンアートが切ない
    ゲーム, ニュース・話題

    まさに「まな板の上のコイキング」……粘土で再現されたファンアートが切ない

  • 「ゆゆ式」縁ちゃんが“コンセントの顔”に! 世界の規格を表現したファンアートが話題
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「ゆゆ式」縁ちゃんが“コンセントの顔”に! 世界の規格を表現したファンアートが話…

  • 「ジークアクスハロ」のファンアートが凄まじい完成度 劇中のパック状態も再現
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「ジークアクスハロ」のファンアートが凄まじい完成度 劇中のパック状態も再現

  • 小石で描かれる斬新ファンアート 映画「碁盤斬り」草彅剛の肖像を描く
    インターネット, びっくり・驚き

    小石で描かれる斬新ファンアート 映画「碁盤斬り」草彅剛の肖像を描く

  • 「8番出口」に新たな異変?ファンメイドの再現ジオラマに巨大な黒猫が出現
    インターネット, おもしろ

    「8番出口」に新たな異変?ファンメイドの再現ジオラマに巨大な黒猫が出現

  • 画像提供:Ran(パンの人)さん(@konel_bread)
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「おぱんちゅうさぎ」を食パンで再現 切っても切っても出てくる姿に朝からにっこり

  • ネコ型配膳ロボットのおもちゃをデコトラ風に改造 「演歌流れてそう」の声
    インターネット, おもしろ

    ネコ型配膳ロボットのおもちゃをデコトラ風に改造 「演歌流れてそう」の声

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 「出前一丁どんぶりミニ」9月1日発売 おやつにも食事のもう一品にも
    商品・物販, 経済

    「出前一丁どんぶりミニ」9月1日発売 おやつにも食事のもう一品にも

  • Insta360、新製品「GO Ultra」登場 ポケットサイズで高精細4K映像
    商品・物販, 経済

    Insta360、新製品「GO Ultra」登場 ポケットサイズで高精細4K映像…

  • 防災について学べる「巨大地震のサバイバル」
    アニメ/マンガ, イベント・キャンペーン

    朝日新聞出版、「巨大地震のサバイバル」を特別公開 防災の日を前にWEBで無料配信…

  • 顔ハメパネルで“信金さん”に変身
    企業・サービス, 経済

    伊藤沙莉さん、顔ハメで“信金さん”に!? 新CMでコミカルな演技披露

  • テレビアニメ「野原ひろし 昼メシの流儀」
    アニメ/マンガ, 放送・配信

    「野原ひろし 昼メシの流儀」アニメPV公開 主題歌はMega Shinnosuk…

  • 山梨から“青いうどん”登場 富士山を表現した「青い富士山うどん」発売
    商品・物販, 経済

    山梨から“青いうどん”登場 富士山を表現した「青い富士山うどん」発売

  • トピックス

    1. 地上へ向かう階段

      「8番出口」モデルは大阪の地下通路? ファン注目の大阪天満宮駅を探索

      ゲーム「8番出口」についてユーザー間で議論や考察が行われてきたのが、「ゲームの舞台である地下通路にモ…
    2. 鋭い目つきで布団を揉む猫 「プロおふとん揉み師」現る

      鋭い目つきで布団を揉む猫 「プロおふとん揉み師」現る

      猫が前足で布団や毛布を揉む「ふみふみ」行為。甘えやリラックスのサインとしてよく知られていますが、まる…
    3. 令和のインターネットを侵略完了!イカ娘コスの11年越しビフォー・アフターが話題

      令和のインターネットを侵略完了!イカ娘コスの11年越しビフォー・アフターが話題

      「人類侵略のため、11年の時を経て再びイカ娘になったでゲソ!」11年ぶりに同じキャラクターのコスプレ…

    編集部おすすめ

    1. たいちくんX投稿より

      ゆりにゃさん元パートナー、Xで未練吐露→ネットの反応は冷ややか

      インフルエンサー・ゆりにゃさんの、公私にわたる元パートナーである「たいちくん」こと齊藤太一氏が、8月17日に自身のX(旧Twitter)を更…
    2. 匿名質問文化を支えた「Peing-質問箱-」終了 2017年の誕生から8年

      匿名質問文化を支えた「Peing-質問箱-」終了 2017年の誕生から8年

      匿名で質問やメッセージを送れるサービス「Peing-質問箱-」が、2025年8月29日をもって終了することが発表された。運営は8月15日付で…
    3. マクドナルドのポケカ騒動 期間中の店舗を訪れた記者が感じた“異様な雰囲気”

      マクドナルドのポケカ騒動 期間中の店舗で感じた“異様な雰囲気”

      マクドナルドは8月11日、ハッピーセット「ポケモン」のポケモンカードキャンペーンを巡る混乱について公式サイトで謝罪しました。期間限定カードを…
    4. 「珍しい苗字」より盛り上がる? 地域特有の苗字をまとめた地図が話題

      「珍しい苗字」より盛り上がる? 地域特有の苗字をまとめた地図が話題

      大学進学や就職で交友関係が広がると、今までの人生で見たことがない苗字を持つ人と知り合いになることがよくあります。見慣れない苗字に遭遇したとき…
    5. 「オラと博士の夏休み」初のスマホ版がでたゾ!でも日本は対象外……

      「オラと博士の夏休み」初のスマホ版がでたゾ!でも日本は対象外……

      累計販売90万本を超える人気作「クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』~おわらない七日間の旅~」が、初めてスマートフォンで遊べるようになり…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト