事故や災害で愛車が損害を受けた時、時間がかかりがちな損害の査定において、スマホで写真を送るだけでAIがすぐに見積もりを出してくれる株式会社タウ(カーテンダー)の「AI見積もり」が、1月17日よりスタート。

 都内で開かれたプレス発表会には、車好きで知られる俳優の中尾明慶さんが登場。実際に「AI見積もり」を体験しました。

 損害を受けた車の査定は、保険会社やディーラーなど、専門の知識を持つ限られた人が行うため、どうしても時間がかかりがち。この部分をAIによる画像認識技術で解析し、素早く修理費用や売却時の価格を提示するサービスが「AI見積もり」です。

 株式会社タウは「カーテンダー」のブランドで、国内の事故や風水害の被害を受けた損害車を買取り、リユース、リサイクルを通じて世界120か国以上に販売しています。状態に応じて、まだ乗れるようなら修繕し、それ以外ではパーツ単位の販売や鉄材としての販売を行う「カー・トリアージ」の考え方で、損害車の価値を最大化することを心がけているとのこと。

 発表会では代表取締役社長の宮本明岳氏が登壇し、株式会社タウの業務を紹介。

株式会社タウの宮本社長

株式会社タウの業務紹介

 日本では損害車を敬遠する傾向にありますが、海外では「直してあるならば問題ない」と考える文化の違いもあり、必ずしも「商品にならない」わけではないのだそう。このため、中古車としての販売価格や修理費用に関しても、日本とは違い高く売れたり安く修理ができたりといったこともあるのだとか。

車に対する文化の違い

文化の違いは中古車価格や修理費用にも

 この中心となっているのが「カー・トリアージ」という考え方。続いて登壇した取締役広報部長の藤久拓也氏によると、損害車や使用済み車などを車両の状態に応じて最適な処理方法を選択し、価値を最大化する取り組みなのだそうです。

車の具合によって活用法を変える「カー・トリアージ」

 修理した方が高く売れるのであれば修理して販売し、そうでなければ中古部品や素材として販売する。新興国に安価な車を供給できるとともに、買取額もアップし、リユースやリサイクルによって二酸化炭素の排出量も削減できるという、いわゆる「三方よし」が実現できているのだといいます。

新興国の経済発展にも寄与している

 これまで、損害車の査定は専門のノウハウを持つ人が1台ずつ状況を見極めるため、どうしても時間がかかってしまうものでした。これをAIによる画像解析技術を使い、スマホで簡単に行えるようにするのが「AI見積もり」。

「AI見積もり」の特色

 登壇した上席執行役員情報システム部長の加藤善久氏によると、査定に必要となるのは車の写真と、車検証に記載されているQRコードでOKとのこと。希望する見積もりの種類を選択し、車検証と車の外観部分を案内に従って撮影し送信すると、約30秒という短時間に修理費と買取価格、おすすめの選択肢を提案します。

約30秒で査定が届く

 これができるのも、多くの損害車を取り扱い、データを蓄積していたから。保有する膨大な損害車のデータが、AI画像解析を支えているというわけです。また、修理に関してもリユース部品を使うなど価格を抑えているとのこと。

修理もお得に可能

海外の豊富な販路によって買い取り額もお得に

 ここで、無類の車好きとして知られる俳優の中尾明慶さんが登場。ご自身の車に対する思いと、スマホで手軽に完結する「AI見積もり」を体験してみることになりました。

 免許を取得してから、多くの車を乗り継いできた中尾さん。海外のビンテージカーに好んで乗っていることもあり、海外では古い車を大事にしたり、修理用のパーツが古くても供給されていたり、といった事情にも明るく、今回の「AI見積もり」も非常に興味深そう。

車について語る中尾明慶さん

 今回はサンプルとして、会場に運び込まれたSUVを例に「AI見積もり」をしてみることに。無惨にへこみ、擦り傷までついている後席ドアを見て「これ、どんな風にぶつけたのかも気になりますね」を中尾さんは苦笑します。

損傷箇所を確認する中尾さん

 スマホで完結する「AI見積もり」は、4つのステップに分かれています。まずは連絡のつくメールアドレスを認証し、市町村までの現在地を登録します。この際、個人名や番地など詳細な住所といった個人情報の登録は必要ありません。

「AI見積もり」まずはメールアドレスと場所を登録

 場所を設定したら、見積もりの種類を選択。修理や買い取りの見積もりだけでなく、どちらがいいのかAIに提案してもらうこともできます。

次に見積もりの種類を選択

 続いて車両情報を登録します。現在発行されている車検証には、下の方に車両情報を記したQRコードが8つもしくは3つ(軽自動車の場合)記載されているので、その部分を撮影します。

車両情報を入力

 最後に、現車の写真をガイドに従い、いろいろな角度から6枚撮影します。これをアップロードすることで見積もりが始まります。

現車の写真を撮影しアップロード

 今回の体験では、すでにQRコードと5枚分の写真は撮影済みとなっているので、中尾さんは最後の1枚として、損傷箇所の画像を撮影します。損傷の具合がよく見えるように、ドアの部分を横位置で撮影。

損傷箇所を撮影する中尾さん

 画像をアップすると「ただいま、写真を解析しております」という文とともに、進捗状況が表示されます。通信環境にも左右されますが、30秒で見積もり結果が届くとのこと。

AIによる解析中

 見積もりの結果は「修理をご提案します」。修理金額は23.1万円になる見込みとのことで、修理費用(マイナス分)と修理後の買い取り金額の合計が、修理しない現状の買い取り金額(216.9万円)を上回ることが想定されると案内されました。

見積もり結果に見入る中尾さん

 見積もりの文面を見た中尾さんは「めちゃくちゃ優しいじゃないですか!そんな丁寧に教えてくれるとは」と感激。さらに、通常ならこの程度の損傷の場合、修理金額は80万円と見積もられることが多いものの、カーテンダーならば23.1万円で修理可能という点にも驚いていました。

 画面を下までスクロールすると、修理すべき場所とその費用が場所ごとに表示されます(今回は左後ろドアのみ)。その下には、修理や買い取りの見積もり依頼を申し込むボタンも。AI見積もりで算出された金額は、カーテンダーで修理・買い取りする際の前提となる額だそうです。

 自身をせっかちだと語る中尾さんは「簡単なのでどなたでもすぐできますし、早い。僕はすぐ結果を知りたいので、すごくいいサービス」と、AI見積もりの簡単さ、スピーディーさに感銘を受けた様子。ぶつけた直後に「気になるから、そこで(AI見積もりを)してみて、そこで一呼吸おけばいいのかなと思う」とも話していました。

「AI見積もり」の感想を語る中尾さん

 この「AI見積もり」サービス開始を記念して、2023年1月17日~3月31日の期間、AI見積もりを使って車を売却し、カーテンダーで乗り換えをした方を対象に特別キャンペーンが実施されます。通常で車の購入時に使えるオプション10万円分がプレゼント。さらに売却価格が20万円以上の場合は3万円分のギフトカードがプレゼントされるとのことです。

「AI見積もり」スタート記念のキャンペーン

取材協力:株式会社タウ(カーテンダー

(取材・撮影:咲村珠樹)