
グローバルマーケティング事業*を展開しているアウンコンサルティング株式会社(東証スタンダード市場:2459、本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、以下「アウンコンサルティング」)はこの度、マレーシアにおける日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド、および2025年4月の使用言語別・文字別の訪日外国人客(以下、訪日外客)数について調査を実施しましたので、その結果をお知らせいたします。
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マレーシアにおける「日本の47都道府県」検索数ランキング
2024年、マレーシアからの訪日外客数は約50万人(前年比+21.9%)*1に達しました。訪日外客数ではASEAN(東南アジア諸国連合)主要6カ国(以下、ASEAN主要国)*最少ですが、円安や航空便の増便が後押しとなり、伸び率はトップのフィリピン約81万人(前年比+31.6%)*1に次ぐ2位を記録しました。さらに2025年に入り、4月の訪日外客数は約5万人(前年比+11.3%)*1を記録、伸び率については2025年1月~4月累計で前年比+35.5%*1と、ASEAN主要国の中でトップとなりました。特に、マレーシアリンギットの対円での上昇(購買力の向上)や、ハリラヤ・プアサ(断食明け大祭)による旅行需要の高まりが要因と考えられます。
*シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナム
以下の表は、2024年5月~2025年4月のマレーシアにおける「日本の都道府県」の検索数をまとめたものです。検索数の上位を占めた1位東京、2位大阪、5位京都の大都市圏および、3位北海道、7位福岡、8位沖縄については、これまでアウンコンサルティングが発表した米国編、香港編の調査と同様の傾向であると考えられます。
4位の佐賀においては、10位以内での動向で見ると、アウンコンサルティングが発表した米国編で10位に入って以来の注目となりました。11月・2月・3月はやや検索数が落ち込んだものの、それ以外の月では3位の北海道とほぼ同水準の関心を維持しています。
佐賀では、2013年に福岡およびタイからのドラマロケ誘致が成功した事例*2を受け、2019年より本格的な海外向け誘致施策を展開しており、その効果が検索動向にも表れました。また、隣接する福岡よりも高い順位となった点は、地方部への関心の高まりや、都市部から足を延ばす旅先としての選択肢が広がっていることを示唆しています。
6位の埼玉においては、アウンコンサルティングが発表したフィリピン編およびタイ編の調査でも上位にランクインしており、東南アジア市場において一定の関心を集めていることがうかがえます。
埼玉県では、川越市をはじめ訪日人気が継続しているほか、春日部市で『クレヨンしんちゃん』を活用した誘客施策など、アニメコンテンツを活用した取り組みも展開されています。伝統文化と現代文化の両方を体験できる点が、観光地としての特徴のひとつとして検索数に反映したと考えられます。
また、さいたま市ではマレーシア・クアラルンプール市との都市間連携事業*3を通じ、国際交流を活用した地域プロモーションを進めており、観光やビジネス、生活面においても注目されています。埼玉は、東京近郊の観光地という枠を超え、アニメ・文化・地域連携を軸としたインバウンド施策に取り組んでいます。
9位の広島においては、2月・3月の検索数はやや落ち込んだものの、それ以外の月は一定の水準で推移しています。広島の2023年のマレーシアからの延べ宿泊者数は、約4,000人と規模は大きくないものの、2019年比で約5割程度の回復となりました。
広島は西日本旅客鉄道株式会社・広島空港と連携した「Visit Hiroshima」キャンペーン(「訪日外国人観光客周遊乗車券『Visit Hiroshima Tourist Pass』」)*4をはじめ、宮島・原爆ドームだけでなく、山陰・四国エリアと連携した周遊ルート構築が進んでいます。これらの取り組みから、世界遺産と地方周遊のハブとして安定した評価がうかがえます。
10位の奈良においては、4月の桜シーズン終了後と6月の梅雨期には検索数がやや落ち込む傾向が見られました。これは、桜や屋外寺社巡りの需要がピークを過ぎることや、雨天を避ける動きが影響していると考えられます。一方で、マレーシアはムスリム文化が根付く国であり、伝統文化や歴史的建築への関心が高いことが特徴です。そのため、奈良のような歴史と文化が深く息づく地域は、引き続き注目を集める可能性があります。
今後も奈良は、深い歴史と文化資源を活かした観光プロモーションを通じて、訪日需要の拡大が期待されます。
今回のマレーシアに関する調査では、冬期に検索数が約20%程度減少する傾向が見られました。これは、大都市圏でのショッピング需要や北海道などのウィンタースポーツを楽しむ動きが影響していると考えられます。一方で、東京・大阪・京都といった大都市圏だけでなく、地方都市への関心も高まっており、訪日市場の多様化が進んでいることがうかがえます。
特にマレーシアはイスラム教徒が多い国であり、伝統文化や歴史的建築への関心が高いため、奈良などの歴史的な街が注目を集める傾向があります。また、宗教に配慮した観光環境の整備が進むことで、ムスリム旅行者にとって訪日がより魅力的なものとなり、今後の需要拡大につながると考えられます。こうした背景から、訪日市場のさらなる成長には、言語・文化・宗教に配慮した情報発信の強化と受け入れ環境の整備が引き続き重要になると示唆されます。
【 Google AdWords検索数 】
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※Google AdWords キーワードプランナーツール利用による検索数データ
本調査レポートの完全版では、2025年4月の使用言語別・文字別の訪日外国人客数についても掲載しております。詳しくは、アウンコンサルティングウェブサイトをご覧ください。
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■調査概要
【調査主旨】
マレーシアにおける日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド
【調査要綱】
調査日:2025年5月21日
2024年5月~2025年4月
【出典】
※1 日本政府観光局(JNTO)
・日本の観光統計データ: https://statistics.jnto.go.jp/graph/
・訪日外客数・出国日本人数データ: https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/
・インバウンド消費動向調査:
https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/gaikokujinshohidoko.html
※2 外務省 , マレーシアドラマ誘致による佐賀県の魅力発信について , 2024年8月15日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/local/pagew_000001_00852.html
※3 さいたま市 , クアラルンプール市(マレーシア)との都市間連携事業 , 2024年4月4日
https://www.city.saitama.lg.jp/001/009/015/kokusaikaigi/p099122.html
※4 西日本旅客鉄道株式会社 , 「Visit Hiroshima」キャンペーン(「訪日外国人観光客周遊乗車券『Visit Hiroshima Tourist Pass』」) , 2025年4月16日
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250416_00_press_Hiroshima_WESTERpointkangencampaign.pdf
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