家を建てたり、アパートやマンションを借りたりする際に必ず目を通す間取り。そんな間取りを作り、お題に沿った住まいを完成させるアナログゲーム「マドリイズム」。一体どんなゲームなのか、作者に話をうかがいながらプレイしてみました。
筆者も引っ越しが多い環境なので、どうしても色々見比べてしまう家の間取り。この間取り作りをゲーム化した「マドリイズム」の作者は、カードゲームの製作を行っている「ゼロハウス」の「弥七」さん。さまざまなアナログゲームが集まる国内最大規模のイベント「ゲームマーケット」で2021年4月に頒布されました。
ゲーム「マドリイズム」は、カードを重ね、つなげることで間取りを作っていくカードゲーム。プレイ人数は1~5人となっています。
プレイヤーは最初に配られたカード(ゲンカンカード)に書いてある目標に沿って、マドリカードを配置して必要な設備を増やし、不要な設備はマドリカードを上に重ねて消していきます。いかに効率良く、理想の間取りを作り上げることができるかがポイントです。
このゲームはプレイヤーそれぞれがじっくり自分の間取りを作りながら競う「それぞれマドリイズム」だけでなく、皆でわいわい集まって1つの間取りを作りながら競う「みんなでマドリイズム」、2つのプレイ方法で楽しむ事が出来ます。また、ルールの説明書は日本語の他に、英語で記されたものもあり、ゼロハウスさんの配慮が行き届いたものになっています。
実際に筆者も軽くプレイしてみたところ、カードを重ねられない場所があり、入り口が壁に塞がれて部屋に入れないような間取りを作るなど、家として機能しないものはNGになっています。また、リバースマークのあるカードによって山札を変え、自分が有利な展開にできたり、不要な住宅設備の上に必要な設備を重ねることにより、他のプレイヤーの邪魔をしつつ自分を有利にしたりといった戦略性も。
しかし基本的には直感的にプレイできるよう配慮されているので、皆でワイワイ騒ぎながら楽しんだり、一人で手が空いた時にもプレイしたりと、ついつい手が伸びてしまう作品となっています。
制作者でもある「ゼロハウス」さんに、ゲームについてお話をうかがったところ「はじめは久々にゲームマーケットに出ようと思い立ち製作を始めました。2021年のゲームマーケットの一般ブースでは試遊ができない情勢だったので、実際に遊んでみなくてもカードを並べている様子を一目見ただけで、どういうことをやるゲームか想像できるようにするのを目標としました」とのこと。
そこで、以前から考えていたカードを重ねて配置してマークを隠しあう要素があるゲームに、間取りの要素を加えて現在の形となったのが「マドリイズム」なんだそう。ゲームシステムの方から発想したからなのか、プレイするにも予備知識なく、スムーズに楽しめるようになっているんですね。
ゼロハウスさんは最後に「何といってもヘンテコな間取りが出来上がるので、完成した間取りを見てわいわい楽しめる人たちに是非遊んでいただきたいと考えています。また、1人でもプレイできるのでおうちでの一人時間にも楽しんでいただけたら嬉しいです」と、今後遊ぶ人に向けメッセージを送っています。
新型コロナウイルス禍により、なかなか集まってボードゲームに興じることが難しい昨今。「自分もなかなか他の人とボードゲームできずにいたので、自分と同じような人に楽しんでもらえるように作りました」と語るゼロハウスさんの「マドリイズム」は、2000円前後(即売会や委託での頒布で多少変動)での取り扱い。通販や委託販売先はTwitterを通じて告知されています。
<記事化協力>
ゼロハウスさん(@zerohousegame)
(戦魂)