アメリカとカナダで組織される北米大陸の空と宇宙の防衛組織、北米航空宇宙防衛司令部。通称NORAD。
普段は24時間態勢で弾道ミサイルや戦略爆撃機、また偵察衛星などの動向を監視し、異変があれば即座にアメリカ、カナダに対する脅威を排除するという、いわゆる「北米防空の最前線」。
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そのNORADは半世紀以上にわたり、毎年この時期になると世界を巻き込んだ大プロジェクトを始動させます。
そのプロジェクトとは……「サンタ追跡プロジェクト」。
嘘だと思うでしょ?これ本当の話なんです。
しかも追跡に使用するのは、北米警戒システムと呼ばれる NORAD レーダー ・システム、人工衛星、ジェット戦闘機(CF-18、F-15、F-16、F-22 戦闘機)など、とにかく持ちうる全てを駆使して「軍が超本気でサンタを追跡」するのです。
何故こんなことが始まったのか?
その理由は、プロジェクト開始と同じく、今から半世紀以上昔にさかのぼります。
1955年、アメリカ・コロラド州の百貨店が新聞広告に「サンタクロースと話せる電話」として電話番号を掲載したことがきっかけ。
サンタクロースと話したい子供達から勿論電話が殺到するわけですが、問題はその電話番号。……誤植だったんです。
しかも誤植してしまった電話番号がNORADの前身であるCONADの「ホットライン」。
「ホットライン」といえば、軍にとっては勿論機密の電話。そこにじゃんじゃんかかってくるのです。
対応したのは、当時の指揮官、ハリー・W・シャウプ大佐。
ホットラインにかかってくる子供たちからのサンタクロース宛の電話。
間違いだとは即座に気づいたそうですが、そこはアメリカ人。流石の機転で
「自分はサンタクロースではなく、彼を追跡監視している者だ」
と説明し、
「レーダーで調べた結果、サンタクロースが南極から南に向かった形跡がある」
と報告したそうです。
以来半世紀以上、この時期になるとNORADは「サンタクロース追跡」を最重要ミッションとして取り組み続けています。
なお、24日から25日にかけては、それこそ戦闘機も出動させての追跡劇が繰り広げられます。その様子は日本語専用ページや、GoogleマップやGoogle Earth、YouTubeなどで当日リアルタイムに紹介されていますので、当日興味のある方は調べてみてください。
▼NORAD Tracks Santa(日本語版)
※画像はYouTube画面のスクリーンショットです。