コスプレは衣装だけでなく、小道具をいかに取り入れ、作るかというのも楽しみ方のひとつ。レイヤーさんは色々なアイデアで、作品中の小道具やキャラクターが持っていそうなグッズを形にしています。
最近では電子工作や変形など、ギミックを仕込んだグッズも登場。コスプレ造形師のDaiさんは、文字が赤く光る透明なお札を作り上げました。
Daiさんが「サイバーパンクお札」としてTwitterに投稿したのは、ゲーム「東方Project」シリーズのメインキャラクター、博麗霊夢をイメージして作ったもの。コスプレサークル「有限会社サイコ建設」の作品で、電飾やプログラミングを行った五味さん(@GomiHgy)が手がける、電飾コスプレのデザイン設計を手伝う形で作られたものだそうです。
お札本体の素材となったのは、3mm厚のアクリル板。レーザーカッターで文字や紋様を彫刻してカットし、それを2枚重ね合わせています。
これに周囲から赤いLED光を当てると、彫刻した部分に光が反射し、文字や紋様が光って浮き上がる仕組み。周囲にテープ状になったLEDを配置して光らせたテスト画像では、お札に記された「博麗神社」「妖怪除守護符」の文字、霊夢の装備である陰陽玉と同じ陰陽太極図とプリント基板を思わせる紋様が浮かびます。
LEDを収納し、お札を固定するフレームは、モデリングしたデータを3Dプリンタで出力。レーザーカッター、3Dプリンタとも、家庭用のものを使っているそうです。
お札が重なっているように見える部分を持つように設計されているのですが、ここにボタン式のスイッチを内蔵し、押し込むことでお札が発光。点灯したままになるのではなく、必要に応じて任意のタイミングで光らせることができるので、様々な演出ができそうです。
お仕事の合間を縫って、3週間ほどで完成したという「サイバーパンクお札」。アイデア自体は比較的楽に出たものの、ちょうどいいサイズ感の調整や、フレームの設計・調整に少々時間を取られたとDaiさんは語ってくれました。
作品をTwitterでお披露目したところ、多くの方から反響があり、中には「欲しい!」という方も。これに対し、Daiさんは次のように話します。
「今回の作品は、五味さんとともに進めている秋頃公開予定のプロジェクションマッピング作品『幻想郷システム』の1デバイスとして製作したので、そもそも量産化という発想がありませんでした。ですが、今回の反響の大きさに、量産化について色々と考えるようになりました」
1点ものとして作られただけに、多くの人に提供できるようにするためには、まだまだ改良の余地があるんだとか。特に重視している点については、基板周りとバッテリー周りで、いかに「簡単・安全・小さく」できるかが課題なのだそうです。
まずは元々の「幻想郷システム」完成のために力を入れるDaiさんですが、一段落したら量産・頒布についても動きがあるかもしれません。興味のある方は、新たな動きをTwitterでチェックしておくとよさそうです。
サイバーパンクお札。一応完成
すっごい光るよ! pic.twitter.com/2OL34CMxiq
— Dai@5/3 例大祭【せ40ab】アトリエHerreria (@Dai_Herreria) July 23, 2022
※初出時に一部事実と異なる表現がありましたので修正いたしました
<記事化協力>
Daiさん(@Dai_Herreria)
(咲村珠樹)