日常のちょっとした傷で血がにじんでしまうと絆創膏をよく使いますが、小さな子供が転んだりして怪我をすると、血が出ただけで大騒ぎしてしまう子も少なくありません。

 そんなちょっと血がにじんでしまう怪我の時に、模様が浮き出る魔法のような絆創膏がツイッターで公開され話題を呼んでいます。

 美術を専攻しているたむさん(@TuMumin)が大学3年の時、自由制作の課題作品として作った絆創膏。

 「怪我という嫌な出来事を、悲しい気持ちだけで終わらせないで欲しい!と考え、デザインした絆創膏です。ガーゼ部分に血液が付着する事で、模様が浮かび上がる仕組みになっています。怪我が痛くて泣いちゃう様な、小さい子供に喜んでもらいたいです。」 というメッセージには薄緑色をした絆創膏のパッケージとデザインや構造などが描かれた画像が添えられています。

 まず薄緑色の箱には「SECRET AID」と書かれています。そして実際に指に貼った写真では絆創膏に浮かび上がったハートの柄が確認できます。浮かび上がるイラストには種類があり、ハートやリンゴ、モミジなど赤い色がモチーフになる絵柄が全部で9種類紹介されていました。また、構造を説明する画像によると、真ん中のガーゼ部分が切り抜かれていることで血がにじんだ時だけ模様が浮かび上がってくるという仕組みとなっているようです。


 このツイートが投稿されるや否や、デザインに称賛の声が続出。欲しいという声も多く聞かれています。ちなみにあまりに商品化を望む声が多く届いたため現在販売方法を検討中だそうです。この絆創膏について制作者のたむさんにお話を伺いました。

 大学の自由制作の課題として作ったという作品。「アイディアを通して人の心や社会をプラスにできる何か」を作りたいと考えたのがきっかけだそうです。そこで、「日常生活の中で自分が悲しく感じる瞬間や辛い瞬間」を片っ端から思い出し、その中の一つだった「怪我」にテーマを絞ったのだそう。

 「私は小さい頃、怪我や治療が怖くてたまらず、いつまでも泣いた経験があります。血と痛みに対する衝撃が大きかったからです。子供にとっては、どんなに軽傷だとしても怪我は恐ろしい事…。なので、小さなキッカケでもいいから、子供の注意や関心を別の所に誘導して、痛みや恐怖を和らげてあげたいと思いました。」との言葉に、筆者も自分の子供が小さかった頃の事を思い出しました。うちの娘たちは小さい頃はちょっと擦りむいたり皮がほんの少しめくれただけで大騒動でした。小学校高学年になった今でこそできた傷に自分でさっさと絆創膏を貼るようになりましたが、ひと昔前まではよくキャラクターものの絆創膏でご機嫌を取っていたものです。

 たむさんが発表した絆創膏はこれまでのキャラクターものとは違って、貼って血がにじんでみて初めて分かる絵柄という所に個人的にかなり心惹かれました。キャラクターを貼っておしまい、ではなく、貼ったら何が出るのかな?というワクワク感を感じさせてくれます。貼ってからなんの絵か判明するというランダム性の意味もあって、「SECRET AID」と名付けたという事でこのランダム性がワクワクの一つになりますよね。また、リプライの中には、化学反応で色が変わると面白いかもといった様な意見もあり、さらになるほどなぁと思いました。

 生傷が絶えないお年頃のお子さんのプレゼントにも良さそうなこの絆創膏、商品化が実現されるといいですね。

<記事化協力>
たむさん(@TuMumin)

(梓川みいな)