「トイレの花子さん」「こっくりさん」「十三階段」などに代表される、学校にまつわる怪談話。
アラフォー世代の筆者も、子どもの頃は友人らとあることないこと言って盛り上がったものですが、あれから30年あまりが経過した、令和の小学生の間でもこうした「学校の怪談」は度々話題になる模様。マジでか……。
事の発端は、小学生の娘と交わした「今日友だちとトイレの花子さんやった」という一言。あらゆる困難が科学の力で解決するこの令和の時代に、まさか小学生からトイレの花子さんの名前を聞く事になろうとは。いつの世も小学生ってウワサ話が好きなんですね……。
■ トイレの花子さんの噂が広がったのは1980年ごろ
さて、トイレの花子さんと言えば、1950年頃にすでに原型があったとされる都市伝説。全国に広まったのは1980年頃だと言われています。
30年も時を経ていきなり広まった理由はハッキリとはわかりませんが、当時の子ども向け書籍に「怪談」や「UFO」などを取り上げた本が多く出版されていたことから、個人的にはそれが原因ではないかと考えています。みなさんの小学校の図書館にも1冊~2冊は必ずあったのではないでしょうか?
最もメジャーなのは、「校舎3階の女子トイレの3番目の扉を3回ノックすると、中から返事が聞こえる」という内容ですが、なにぶんウワサ話であるため、地方によっては「3回まわって花子さんを呼ぶ」「1番目のトイレには花子さんの父、2番目には母がいる」なんて話もあるようです。
筆者が子どもの頃は「地獄先生ぬ~べ~」や「学校の怪談」を始めとする、学校の怖い話をテーマにした漫画、アニメが多数あったものですが、最近はあまり見かけなくなった気がします。
怖い話で括れば「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」や「レイワ怪談」といった書籍、アニメ作品により、その文化は生き続けてはいるものの、どちらかというと道徳的な内容だったり、最新の流行が反映されていたりと、世相に基づいた”現代的”な内容が主。
まあ、トイレの花子さんと言えば「妖怪ウォッチ」にも登場したくらい、学校にまつわる怪談の中でも非常に有名な部類ですから、その内容を知っているというのはまだ理解出来ますが、聞くとどうやら「理科室の人体模型」や「音楽室の肖像画の目が動く」といった怪談もしっかり把握しているとのこと。
■ ウワサはそのままだが情報伝達手段は実に現代的だった
まさか30年もの間、口伝のみで伝わってきたわけではないでしょうに、いったいどうやって受け継がれて来たのか……そのソースを娘に聞くと、どうやらYouTubeが情報源となっている模様。
なんでもキッズ向けの動画を多く投稿しているユーチューバーが、こうした学校の怪談を取り上げたことがあり、その内容を友だちと共有して実行に移したのだとか。なるほど、昔は漫画やアニメ、現代はYouTube、TikTokなど、時代に合わせた情報伝達手段で、学校の怪談は今も生き続けていたのです。
ちなみに娘はドアをノックしてみたものの、怖くなってすぐにその場を離れたため、花子さんの噂の真偽までは確かめられなかったとのこと。親の立場としては、あまり面白半分でやるものではないと感じますが……子どもたちの好奇心がそう簡単に止まることはないでしょうね。これから先の時代も、さまざまな手段で学校の怪談は受け継がれていくのでしょう。
(山口弘剛)