ゴールデンウィーク前の4月28日に鹿児島のご当地パン「スナックブレッド」を記事で紹介した際、読者の方から「青森は工藤パンというメーカーのイギリストーストが有名」という情報がよせられました。
なんでも「ジャリジャリした食感」があるとのこと。???気になる……!ということで、さっそく実食してみました。
「イギリストースト」を求めて向かった先は、東京・飯田橋にある青森県のアンテナショップ「あおもり北彩館 東京店」。
電車で移動中に工藤パンのオフィシャルサイトに掲載されているイギリストーストのページを見てみると、発売が開始されたのは昭和42年(1967年)ごろ。当時は1枚切の山型食パンにマーガリンとグラニュー糖をかけたもので、現在のように2枚合わせになったのは昭和51年からなのだとか。こんな昔からあったとは……。知らんかった!
ちなみに気になる名前の由来についても記載が。「山型食パン」は「イギリスパン」と言われていることから、イギリスパンを使用した商品ということでイギリストーストと名づけられたそうです。
■ 様々な種類がラインナップ!
そうこうしているうちにお店に到着。店内でお目当てのイギリストーストを探すも見当たりません。店員さんに聞くと、毎週2回は入荷しているそうですが、人気商品のためすぐ売り切れることが多いそうです。しかも記者が訪れたのは日曜日……。当然売り切れていました。なんということだ……。
さすが青森県民に50年以上も愛され続けている商品だけある。これは筆者の勘ですが、都内に住む青森出身者も多く買いに来ているのではないでしょうか。恐らくそうだ……!
青森人をそこまで熱中させるイギリストーストとはなんぞや!もうここまで来たら執念です。日を改めて訪れると……発見!やった!
この日に店内で販売されていたのは定番の「イギリストースト」の他に、「スペシャルイギリストースト(もっとジャリまし)」「イギリストースト(チョコレイ味)」「イギリストースト(ブレンドコーヒー)」「スペシャルイギリストースト(チョコスプレー&ホイップ)」「イギリストースト(抹茶&小倉)」「イギリストースト(小倉&マーガリン)」の7種類。こんなに種類があることに驚き。
ホームページには、「イギリストースト(たまごサラダ)」や「イギリストースト ハムサラダ(チーズ風味)」という商品も。ラインナップが充実しています。
「いつか全種類、制覇したい!」という決意を胸に抱き、購入したのは「イギリストースト」(税込216円)と「スペシャルイギリストースト(チョコスプレー&ホイップ)」(税込216円)の2つ。
■ シンプルで飽きのこない味わい
自宅に戻り、パッケージをあらためて見てみると左上にはイギリスの国旗が。全体的なカラーもイギリスの国旗をイメージしたデザインです。裏側には栄養成分表示が書かれており、イギリストーストは1包装当たり454kcal。スペシャルイギリストースト(チョコスプレー&ホイップ)は1包装当たり356kcalとなっています。
まずはイギリストーストから袋を開けて中身を取り出します。見た目は普通の2枚合わせになった食パン。
2つに切ってみると、中にはたっぷりのマーガリンが。これは試行錯誤の末に開発されたイギリストースト専用のマーガリンで、配合は秘密だそうです。
それでは、いただきます!ガブッと一口かぶりつくと、食パンはしっとりとしつつもふわっとした食感。この「しっとり感」の秘密は、自家製発酵種ルヴァンを使用しているからだとか。パンの厚さもイギリストーストを食べるうえで、一番おいしく食べられるように研究して決められたといいます。たしかに食べやすい。
そして何よりもグラニュー糖のジャリジャリ感。食べる前は「砂でも食べている感じなのか?」と思っていましたが、全然違います。歯触りも良く、クセになる味わい。長年、食べ続けられているというだけあり、シンプルで飽きのこない仕上がりとなっています。
■ チョコとホイップの甘さのバランスが絶妙
続いてはスペシャルイギリストースト(チョコスプレー&ホイップ)。上面にはたくさんのチョコスプレーが振りかけられています。その下には薄くミルクホイップクリームも。先ほどと同じように2つに切って断面を見てみると、中にもミルクホイップクリームがサンドされています。
一口食べてみると、当然のことながらジャラジャラ感はないものの、ミルクホイップクリームの滑らかな味わいも、これはこれでアリ。チョコスプレーとミルクホイップクリームの甘さのバランスも絶妙で食べやすいです。
ごちそうさまでした!青森の名産というとリンゴや大間のマグロなどが浮かびますが、地元の人たちに日頃から親しまれている食べ物に触れると、一段とその土地に興味がわいてきます。まだ一度も青森に訪れたことがないので、ぜひ行ってみたいと思いました。
<参考>
株式会社工藤パン「イギリストースト」
(取材・撮影:佐藤圭亮)