今年もこの季節がやってきました。そうです「冷やし中華」です。中華料理屋の店頭には「冷やし中華はじめました」という告知が掲出されているのは、もはや風物詩。
「冷やし中華」といえば酢の入った醤油だれをたっぷりかけて食べるのが一般的。好みでからしを足すこともありますが、愛知にはそれ以外のトッピングを加えて食べる食文化が存在しています。
■ 愛知県の「冷やし中華」には「アレ」がついている。
愛知県の冷やし中華は、「アレ」が欠かせない存在。スーパーに売られている冷やし中華にも当たり前のように入っています。
愛知県民からしてみれば「それが当たり前じゃないの?」と思うのかもしれませんが、他県の人から言わせると当たり前ではありません。「冷やし中華には普通入ってない」。
ということで、今回その謎のトッピングがついてくる「冷やし中華」を探しに、愛知県を本部に置くスーパーに向かいました。
店内を散策してみますと、ありました!「冷やし中華」です。
ただ、この時点では見た目は普通の「冷やし中華」。しかし袋を開けると、中に通常ありえないものが入っているのです。
■ マヨネーズがはいっているやんけ!
では中身を見ていきます。この時点で、ちょっと見慣れない物体が入っていることにお気づきでしょうか。
原材料を見てみましょう。中華麺、スープ、焼豚、錦糸卵、きゅうり、マヨネーズ……
マヨネーズ!?なんと、愛知の冷やし中華にはマヨネーズが入っているのです。筆者はもともと、静岡県民ではあるものの、愛知に住んでいたこともあり「冷やし中華」に「マヨネーズ」は常識。
ところが、他県に行けば、当然ながら「マヨネーズ」はついてきません。そこで今回は、せっかくなので「愛知流冷やし中華の食べ方」を伝授したいと思います。
■ 冷やし中華にマヨネーズをかけて食べる方法
「冷やし中華」に「マヨネーズ」。どうもこの組み合わせがビミョウ……。わかります、その気持ちはよーくわかります。ただ、今回の紹介により、少しでもその気持ちが和らげばと思います。
さて、まずは「マヨネーズ」と「スープ」をかけていきます。まずは先に「スープ」を麺にかけて、よくほぐします。
そして一旦通常の「冷やし中華」を作っていきます。具材とスープを絡めただけですが、それだけでもすでに美味しそう。これ以上何もしなくていい……という気持ちもわかりますが、ここは気合いを入れてマヨネーズです。
マヨネーズをおもむろに取り出し……。
マヨネーズをかけていきます。「冷やし中華」全体にかけたいところですが、マヨネーズの量がイマイチ足りない場合は、からしのように隅っこに盛っておくといいでしょう。
筆者はからしのように「食べながらちょい足ししていく派」ですが、食べ方の好みによっては「麺ときれいにあえる派」の人もいます。食べ方は好みでどちらでもOK!
ということで、ちょい足し派の筆者はマヨネーズエリアをもうけてドバドバ。
マヨたっぷりとなったところに麺をつけて、思いっきり持ち上げ豪快に食します。なお、ちょい足しといいつつ筆者の場合は、わりとたっぷりめに付けるのが好み。これも付け方は完全好みでOK!
では食べていきます……うまい!
お味の方はというと……「これってマヨネーズの味しかしないんじゃないの?」と不安になる方もいることでしょう。ところがどっこい、意外とそうでもないのです。「冷やし中華」のスープは「専用の酢醤油」が使われていることが多いのですが、これが「マヨネーズ」によく合う。
酸味と、マヨネーズのまろやかな味わいが見事に調和し「冷やし中華」全体を整えてくれます。もちろん「錦糸卵」「きゅうり」「焼き豚」などともよくあい、決して邪魔になることはありません。というか、マヨネーズそのものが何にでも合うので、酸っぱい料理である「冷やし中華」にあわないわけがないのです。
ちなみに、この「冷やし中華」に「マヨネーズ」を組み合わせる発端は諸説あるものの、愛知の人気ラーメンチェーン「寿がきや」公式サイトには以下のような記載があります。
酸味をまろやかにするために考えられたのが…「マヨネーズ」 です。
名古屋の冷し中華にはマヨネーズは諸説ありますが、やっぱり始めはスガキヤ!?
(引用:寿がきや)
明確な発祥はわからないものの、やはり「愛知圏」のラーメン屋をはじめ、スーパーで売られている「冷やし中華」には「マヨネーズ」があるということは事実です。
「味噌カツ」「きしめん」「ひつまぶし」をはじめ、何かとグルメの多い「愛知」。この「冷やし中華マヨネーズ」も、愛知の食べておきたいグルメに加えていただきたいものです。
<参考>
寿がきや雑学・豆知識
(たまちゃん)