3月、4月は出会いと別れの季節。卒業式や入学式、入社式等のためにスーツを新調した、という方も多いと思いますが、当日を迎える前に今一度袖の確認を。
もしかして布のタグが付きっぱなしになっていませんか?実はそのタグ、取るのが正解なんです。
■ 袖タグの役割は「生地素材やブランド名等の表記」
袖についているタグは、多くの場合生地素材やブランド名等が表記されていることが一般的。紳士服店にはパッと見では違いがわからない、似たようなスーツがズラッと並んでいるため、特徴が一目でわかるように袖部分に目立つように取り付けられているのです。
つまり、一般的な洋服の首元等に付いている紙のタグと同じような役割を担っていると思って良いでしょう。あくまで商品の情報を説明するためのものと考えれば、取り外すのが必然と感じられるのではないでしょうか。
このタグは背部やポケットの仕付け糸と同じように、簡易的に留められているパターンがほとんど。販売店側が取り外すかどうか確認をしてくれない場合もありますが、自宅に持ち帰った後でも簡単に外すことができます。本番の前に改めて自分の目でチェックをしておくようにしましょう。
一方で、敢えてデザインとして取り付けられているものも。その場合は仮留めのような形ではなく、しっかりと縫い付けられているので判断できるかとは思いますが、もしも不安な場合は販売店に聞いてみることをおすすめします。
■ タグがブランドの象徴になっているパターンも
また、先日ネットでは、子どもの成人式のスーツに仮留めされていたタグを取り外そうとしたら怒られた……なんて話題でも盛り上がっていました。
一体なぜ?と見てみると、このスーツ、デザイナーズブランドとして名高い「マルジェラ」のスーツだったのです。
前述のように、一般的には外すものという認識で間違いないのですが、マルジェラの場合はタグの四隅を留めている糸が、ブランドの象徴とも言われており、外さないことが一種の「ステータス」と認識されているのです。
例えるなら、ベースボールキャップのツバのシールを外さずにそのまま被るのと同じような感じでしょうか。このように例外として、ファッション文化の中で構築されてきた「暗黙のルール」があるのが厄介なところではありますが、基本的にスーツ袖のタグは取り外すものと認識し、判断に迷う時は店員さんにたずねてみるのが無難でしょう。
(山口弘剛)