徐々に寒さが増し、そろそろ温かい飲み物が恋しくなってくる季節。近ごろSNS上で、「ホットコーヒー缶に印字されている#マークには意味がある」という話題が注目を集めていました。
一部では「青から黄色に変わったらおいしくない」といった意見も見られましたが、実際のところはどうなのでしょうか。気になったので独自に調査してみることにしました。
■ 実際の商品をチェック 売場には青と黄色が混在
まずは、実際に販売されている商品を確かめてみます。最寄りのコンビニを訪れ、ホットドリンクコーナーを見てみたところ……#マークが印字されているものと、されていないものがあるのを発見。
しかもどうやら#マークがついているのは、コカ・コーラ社のもののみであるもよう。他のコンビニやスーパーをまわり、様々なメーカーの缶コーヒーや缶ボトルを購入して隅々まで見てみましたが、#マークはもちろん、それに変わるようなマークも今回調べた範囲では見当たりませんでした。
そして、コカ・コーラ社の同一製品でも、#マークが青くはっきり見えるものと、黄色みを帯びて視認しにくいものが混在しています。
一方、冷蔵及び常温コーナーの同一製品ではすべて青色で、黄色化したものは見られませんでした。
このマークの意味は?ネットの噂にあるような、中身の品質を表すものなのでしょうか?日本コカ・コーラ社にメールで問い合わせてみることにしました。
■ コカ・コーラ社の回答は「熱量に応じて色が変わるインクを使用」
後日届いた担当者の回答によると、「このマークは適切な品質管理のためにつけています。熱量に応じて色が変わるインクを使用しており、加温販売の製品が、どの程度の期間温められているかを推定する参考として使用しています」とのこと。
#マークの色が加温されている期間を可視化したものであることは事実であるようです。
しかしながら「色の変化具合は、専門知識を持った担当者が確認しておりますため、色変化の詳細については公開をしておりません」とし、中身にどう影響するのか?までははっきりとした回答は得られず。
また、「このマークはコカ・コーラ社独自の印字になるのか?」の質問には「他社様の仕様や対応については当社では把握をしておりませんため、回答を控えさせていただきます」とのこと。
「今後も、お客様に安心してお召し上がりいただける製品を安定してお届けできるよう、品質管理の徹底と安全性確保に努めてまいります」と述べるにとどまりました。
■ 回答を元に外観をさらに細かくチェック
この回答を元に、外観を改めてチェックすると、ジョージアの缶ボトルタイプのものはキャップのすぐ下の部分に印字されていることを確認。一方で、ペットボトルタイプのものは印字の確認が出来ず。
そして先述の通り、ホットドリンクコーナーにあったものは青と黄色が混在。冷蔵及び常温コーナーの同シリーズではすべて青色でした。
また、購入したホット商品の中には、販売店が独自に「加温日」や「廃棄予定日」を記したラベルを貼っているものもありました。印字を確認すると、青色のマークは10月25日、黄色のマークは10月17日と、両者の間には1週間以上の差がありました。
SNSのウワサおよびコカ・コーラ社からの回答通り「#マークの色は加温期間に応じて変化している」ようです。
■ あくまで「品質管理の目安」
ただし、#マークの色が黄色でも、これはあくまで「品質管理のための目安」であり、製品の安全性や風味の良し悪しを直接示すものではありません。
実際に#マークが青色のものと黄色のものを飲み比べてみましたが、筆者の感覚としては違いは全く感じられず。どちらも通常通り美味しくいただくことが出来ました。
もちろん、加温状態が長く続けば、味や香りに変化が生じる可能性は否定できません。通常、ホット飲料はおおむね加温から2週間程度で風味が劣化するといわれています。
そのため#マークはあくまで参考としつつ、基本的には「商品に貼られた『加温日』や『販売期限』のラベルがあれば目安にする」「購入後は季節にかかわらず、できるだけ早めに飲み切る(長期保存は避ける)」といったポイントを意識しておくと、より安心しておいしく楽しむことができるでしょう。
普段は何気なく手に取っている缶コーヒーにも、こうした細やかな工夫と管理の仕組みが隠されていました。小さな「#マーク」ひとつにも、メーカーの品質へのこだわりと、安心して飲んでもらいたいという思いが込められている……。そんな発見に、次にホットコーヒーを買うときは、つい缶をじっくり眺めてしまいそうです。
<記事化協力>
日本コカ・コーラ株式会社
(山口弘剛)
















































