冬の食卓で活躍する白菜。鍋に、漬物に、炒め物に……と何かと便利な食材ですが、いざ使おうとすると表面に黒いポツポツがびっしり。思わず「これ、傷んでる……?」と捨ててしまいそうになる光景です。
実はこの黒いポツポツの正体、カビでも傷みでもなく、ポリフェノールであり、食べても問題ないことをご存じでしたでしょうか?11月21日、農林水産省は公式Xを通じ「白菜に黒い斑点があっても捨てないでください!」と呼びかけています。
■ 黒い斑点の正体は「ゴマ症」 白菜自身の都合で起こる自然な現象
農林水産省の公式サイトによると、この黒い斑点は「ゴマ症」と呼ばれる生理障害によって生じるもの。
白菜が成長する過程で、気温の急激な変化や、肥料が多すぎるといった栽培環境のストレスが重なることで、ポリフェノールが蓄積し黒く見える状態になると説明しています。
つまりこれは白菜自身の都合で起こる自然な現象で、カビや病気ではなく、食べても全く問題なし。むしろ甘くておいしいとする説も見られ、捨てる必要はまったくないものなのです。
なお、黒点の出方には特徴があります。ゴマ症の場合は細かい粒が表面に散らばるのが一般的で、触ってもザラつきやぬめりはありません。一方、腐敗の場合は黒い部分がベタっと広がったり、ぬめりや異臭があるなど、見た目や触感が明らかに異なります。見分け方を知っておくと、捨てなくてもよい食材を無駄にしなくて済みます。
■ 同様の症状は他の野菜でも 食材高騰のいまこそ「正しい知識」が大切
同様の現象は小松菜、かぶ、野沢菜など他のアブラナ科の野菜でも起こります。いずれも食べても問題のない自然な生理反応です。
せっかく買った食材を見た目だけで処分してしまうのはもったいない話で、農林水産省の今回の呼びかけは、食品ロスを減らすうえでも覚えておきたい知識のひとつと言えます。
野菜の価格が不安定な今冬、比較的手に取りやすい白菜は食卓に並ぶ機会が増えそうです。黒い斑点を見つけても、安心しておいしく味わってください。
【農林水産省からのお願い】
⚠️白菜に写真のような黒い斑点があっても捨てないでください!
ポリフェノールなので食べても害はありません! pic.twitter.com/YjbUOdzCIN— 農林水産省 (@MAFF_JAPAN) November 21, 2025
<参考・引用>
農林水産省(@MAFF_JAPAN)
農林水産省公式HP「白菜に黒い斑点がついているが、食べても大丈夫ですか」
(山口弘剛)








































