新型コロナウイルスによる行動制限が撤廃され、年末年始は海外で過ごすという方も多いと思いますが、注意したいのがお土産選び。

 実は海外で購入した食品の一部は、日本国内に持ち込めないことをご存じでしょうか?農林水産省が、公式X(Twitter)アカウントで注意を呼びかけています。

「人気の観光地の近くでも、家畜伝染病が発生しています。
お土産に肉の入ったものを買わないでください。少しでも肉が入っているものは×です。
日本到着時、もし肉製品を持っていたら税関検査までに回収ボックスに捨ててくださいね」

回収ボックス

 今回農林水産省が注意を呼びかけているのは、肉を含む食品の持ち込み。ウインナーやハムといった明らかに肉製品と分かるものはもちろんですが、サンドイッチやハンバーガーなど食品の一部に肉が使用されている場合や、カップ麺も具に肉が使われている場合はNG。厳しい制限が設けられているのです。

 その理由は海外で発生した家畜伝染病を国内へ持ち込むことを防ぐため。特に現在海外では「アフリカ豚熱(ASF)」が流行しており、被害拡大が確認されています。

 もしもこれらが日本国内に持ち込まれた場合、感染した家畜は家畜伝染病予防法に基づき殺処分の対象となります。もちろんその影響は、スーパーなどで購入する精肉の価格にも大きな影響を及ぼすことに。畜産業者だけでなく、我々の食生活にも無関係ではないのです。

農林水産省が投稿した画像

 また、投稿では添付されたイラスト画像の中で「入国後一週間は動物園、観光牧場に行くことを極力控え、行く場合は施設に確認してください」と説明しています。これももちろん、伝染病の感染拡大を防ぐため。人の衣服や靴などに付着して国内に侵入するパターンもあるからです。

 政府広報はこの点について、2023年6月に公開した「要注意!海外から肉や肉製品の持込みは禁止!」の中でさらに詳しく説明。「海外では家畜を飼養する農場に行かないなど、家畜との接触を避ける」としています。

 もし知らずに行ってしまった場合には「帰国時に動物検疫カウンターに立ち寄り、靴や衣服の消毒を受けてください」とのこと。ただし消毒を受けたからといって、すぐに動物園や観光牧場に行っていいというわけではありません。念には念を入れて、やはり帰国後一週間は訪問を避けましょう。

<参考・引用>
農林水産省公式Xアカウント(@MAFF_JAPAN
農林水産省ホームページ「輸入動物検疫に係るよくあるお問合せ(FAQ)
政府広報「要注意!海外から肉や肉製品の持込みは禁止!

(山口弘剛)