「ウマ娘プロジェクト」公式ポータルサイトが7月9日に更新され、「牧場見学のルールとマナーに関するお知らせ」が掲載されました。

 本発表は、牧場見学の際に一部の見学者による無断での敷地内立ち入りや、許可を得ずに撮影を行うといった、ルールやマナーが守られていない事例が発生していることを受けての注意喚起です。

■ ファンの急増と見学ルールの重要性

 ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」(開発・発売:Cygames)を中心とする「ウマ娘プロジェクト」には、実在する競走馬をモチーフとしたキャラクターが数多く登場しています。

 作品の人気の高まりとともに、近年では本物の馬を一目見ようと牧場を訪れるファンも増加傾向にありますが、馬たちの健康や安全、そして牧場での生活を脅かすような違反行為も、SNS上でたびたび報告されています。

 プロジェクトによると、牧場見学を希望する場合、まずは日本軽種馬協会(JBBA)が運営する「競走馬のふるさと案内所」か各種インフォメーションを確認し、牧場への直接の連絡は控えるよう呼びかけられています。直接の連絡は、牧場の運営に支障をきたすおそれがあるためです。

 さらに、以下の「牧場見学の9箇条」を遵守するよう、注意喚起がなされています。

1.見学の可否は競走馬のふるさと案内所にお問合せください

2.見学時間は競走馬のふるさと案内所までお問合せください

3.牧場では牧場関係者の指示に従ってください

4.厩舎や放牧地に無断で入らないでください

5.大きな音や声を出さないでください

6.危険ですから絶対に馬に触らないでください

7.牧場内は禁煙です

8.カメラのフラッシュはご遠慮ください

9.絶対に食べ物を与えないでください

■ 「馬インフル」発生で牧場は警戒強化中

 牧場は、馬たちが生まれ、育ち、さらには余生を穏やかに過ごす場所であり、日々牧場の関係者が心血を注いでケアを行っている大切な暮らしの場。特有の生活リズムや、繁忙期などがあるため、ルールを知らずに現地入りしてしまうと、牧場に多大な迷惑をかけてしまうことも十分に考えられます。

 また、絶対に行ってはならないのが、牧場への「無断での立ち入り」です。見学を許可していない牧場はもちろんのこと、見学可能としている牧場であっても、感染症の流行時期などには見学が完全に禁止される場合があります。訪問前には必ず最新の情報を確認し、見学の可否を直前まで確認するようにしましょう。

 特に競走馬を扱う牧場は、牧場主の「厚意」によって見学可能となっています。ルール違反が続けば、今後の見学機会が失われる可能性も否定できません。

 加えて、牧場の敷地外(公道)から、馬への接触や撮影は絶対に行わないようにしましょう。馬は非常にデリケートな動物であり、管理者のいない状況下で不用意に近づいたり音をたてると、驚いて思わぬ事故につながるおそれがあります。また、見学者側の衣服や手指を介して病原菌が馬に感染する可能性もあり、衛生面からも大きなリスクをはらんでいます。

 特に今年(2025年)は、国内で17年ぶりに「馬インフルエンザ」の発生が確認されており、業界全体が非常に神経をとがらせています。見学者一人ひとりの自覚と責任ある行動が、馬たちの健康を守り、見学文化を未来へつなぐ鍵となります。

<参考・引用>
ウマ娘プロジェクト公式アカウント(@uma_musu
ウマ娘プロジェクト公式ポータルサイト「牧場見学のルールとマナーに関するお知らせ
日本軽種馬協会(JBBA)「競走馬のふるさと案内所

(山口弘剛)