ゲームソフト大手のカプコンが、カスタマーハラスメントに対する新たな対応方針を公表しました。

 7月4日に発表された内容によると、同社では一部の顧客から、社員個人を名指しする誹謗中傷や人格否定、脅迫などの行為が確認されており、こうした行為に対しては断固とした対応を取る姿勢を示しました。

 カプコンでは、これまでも顧客からの意見や要望を大切に受け止め、商品やサービスの改善に役立ててきました。しかし近年、カスタマーサポート窓口やSNS、ゲームのレビューサイトなどを通じて、特定の社員を名指しした誹謗中傷や人格否定、さらには脅迫や業務妨害の予告といった悪質な行為が確認されているそうです。

 このような行為は、「安心して業務に取り組む環境や心身の健康を損なう恐れがある」とし、他のユーザーへの不利益にもつながりかねないと懸念を示しました。

 カプコンは今回、厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に準拠し、「社会通念上相当な範囲を超える行為」への対応指針を公開しています。

 具体的には次のような行為が対象となります。(一部抜粋)

・メールやSNS、レビューサイト等での誹謗中傷や侮辱行為

・恫喝、暴言、威嚇、過度な叱責

・一方的な要求や合理性のない長時間の拘束、業務時間外の対応強要

・社員のプライバシー侵害、施設への無断来訪

・暴力的行為やセクハラ、合理的理由のない謝罪や補償の過剰要求 など

 こうした行為が確認された場合、同社は該当ユーザーへのサポートやサービスの提供を拒否する可能性があるとしています。さらに、悪質なケースについては、法的措置や刑事手続の検討も含めて対応するといいます。

 企業に寄せられる声の中には、建設的な意見も多く含まれていますが、一方で、行き過ぎた言動は企業活動や従業員の安全を脅かす事態を招くおそれもあります。今回のカプコンの対応方針の公表は、こうした問題への抑止力となるだけでなく、今後は業界全体の取り組みにも影響を与えていくことが期待されます。

<参考・引用>
カプコン「カスタマーハラスメント(誹謗、中傷等)への当社対応について」(7月4日)
カプコン公式X(@capcom_official