ツイッターユーザーのhirononf20さんが投稿した「いすの椅子と机の机」。そのまんまやないかい! とツッコミを入れたくなりますが、本当に漢字の「机」とひらがなの「いす」で出来た実際に人間が使える机といすの作品が話題をよんでいます。
こんなユニークな作品を生み出し続けている作者のhirononf20さんはどんな人なのか……ご本人に作品作りのこだわりについてお話を伺いました。
いすの椅子と机の机をつくりました。 pic.twitter.com/COWz4y9xpU
— hirononf20 (@hirononf20) January 2, 2019
作品作りに特に一貫したテーマは無いとのことでしたが、「見た瞬間によさを理解できる作品、コンセプトを読んでよさを理解できる作品、両方あるとおもいますが、どちらに関しても、まずは初見で“これなんだろう”と興味を持ってもらえなければしっかり見てもらえません。なので、まずはいい意味で“目立つ”作品づくりを心がけています」と、作品の第一印象にどうやってインパクトを持たせるかを意識しているのだそう。
そして今回話題になった作品は、以前から平面的なデザインやタイポグラフィー(活字・活版による印刷術)を発想の起点にした立体作品に興味があり、ふと「文字で家具をつくったらおもしろいのでは」と思いつき具現化したことで生まれた作品だそうです。
見た目では、段ボールを縦に重ねて強度を付けて作られたものなのかなぁ……と思いきや、全て木でできているとのこと。型に合わせて同じ形の加工した板を何枚も貼り合わせて作られています。気になる使い心地についてですが、「使い心地というよりは見た目のインパクトやおもしろさを優先しているので、使いやすいとは言い難いですが、椅子の座面や机の高さなどはあらかじめ使いやすい高さに設定してあるので、使用の上で大きな不便はないと思います」とのこと。こちらは、大学の課題で制作しており、一点物なので販売は行っていないそうです。
制作期間としては2週間ほどかかったそうですが、課題の締め切りまで時間があればもう少し時間をかけて作りたかったと少しだけ心残りなところもあるようでした。Twitterのコメントの中にもカタカナの「イス」で実際の椅子を考えてみたことがあるという方や、全てひらがなにすると作りづらいなど様々な試行錯誤がみられました。
「文字で家具を作るといっても、ただパソコンで打つようなフォントを並べるだけだと使い勝手が悪いし、使いやすいように実際の椅子や机の形に寄せていくと、今度は文字がどんどん読みづらくなってしまいます。なので、スケッチやデータ作成の段階で、見た瞬間に文字が読め、かつプロダクトとしても使いやすいモノになるようにいいバランスをさがすところに労力をつかいました」と工夫した点を教えて下さいました。
今回のTwitter投稿後、予想以上の反応があったそうで「自分の中でも新たな文字を使ったプロダクトのアイデアが浮かんでいるので、今後は同じシリーズでいろいろなプロダクトを作ってみたいと思います」と語って下さいました。今後どのような作品が生み出されるのか、筆者も注目したいと思います。
<記事化協力>
hirononf20さん(@hirononf20)
(黒田芽以)