二人組アートユニット「現代美術二等兵」メンバーの籠谷シェーンさんは、「お菓子の世界に『駄菓子』があるように、現代美術にも『駄美術』があってもいいのでは?」というコンセプトのもと、今年(2022年)で活動30周年を迎えます。

 題材としてモチーフにするものの多くが、「だるま」「こけし」といった民芸品。形状を生かした“改造”を行い、先日は「地球儀」を「こけし」に生まれ変わらせました。
 

 偶然オークションサイトで地球儀を目にし、どちらも「丸い」ことから制作を思いついたという本作。大型の球体のため、目や鼻の配置のバランスには苦慮。何度か描き直しを余儀なくされたそうです。

 また、台座と支柱も含めて「こけし」をイメージしたカラーリングを施した結果、「地球儀」は、国境どころか国も一切描かれない「NO BORDER」な風貌に。今回購入した地球儀が「ソビエト連邦」と記載されている古いタイプだったこともあり、昨今の世界情勢を顧みて作ったという籠谷さん。作品を紹介した動画では、「地球儀」ならぬ「こけし」がただひたすらにくるくる回っています。

同じ球体つながりで地球儀がこけしに。

 本作は、東京都・表参道にある「Gallery5610」で開催中(11月6日まで)のイベント「パッケージ幸福論2022」にて、「現代美術二等兵」の新作として展示中です。

 また、11月4日から13日にかけては、同じく東京都の港区にある「東京妙案ギャラリー」にて開催される「愛の工作室」では、別のこけし作品が展示予定とのことです。

<記事化協力>
現代美術二等兵・籠谷シェーンさん(@kago2touhey)

(向山純平)