2019年10月16日(現地時間)、アメリカ空軍は新しい空軍長官として、元駐フィンランド大使のバーバラ・バレット氏が議会の承認を受けたと発表しました。これでアメリカ空軍長官はデボラ・リー・ジェームズ氏、ヘザー・ウィルソン氏に続き、3代連続で女性が務めることになります。
2019年5月に第24代空軍長官のウィルソン氏が退任して以来、空軍長官の職務はマシュー・ドノバン副長官が代行していましたが、ようやく後任人事が議会に承認されました。
バーバラ・バレット氏は1950年生まれ。アリゾナ州で弁護士や銀行など、数々の企業や団体の役員を務めてきました。その中にはジェット推進研究所(JPL)、スミソニアン博物館、レイセオン、パイパー・エアクラフトなども含まれています。ジョージ・W・ブッシュ政権下の2008年から2009年には、駐フィンランド大使を務めています。
バレット氏自身もパイロット資格を持っており、2014年にはF/A-18ホーネットに乗り、民間人初の戦闘機による着艦も果たしています。また、2009年9月に打ち上げられたソユーズTMA-16で、民間宇宙旅行者ギー・ラリベルテ氏のバックアップクルーとして、宇宙飛行士の訓練を受けた経験もあります。
空軍長官となることについて、バレット氏は「これ以上なくエキサイティングな挑戦となるオファーだと思います。アメリカ空軍は、際立った将兵や民間人が集まる世界一の組織だと思いますし、その一員として仕事ができることに誇りを感じています」とコメントしています。
空軍制服組トップのデービッド・ゴールドファイン空軍参謀総長は「我々空軍にとって、とても喜ばしい日です。バレット長官は素晴らしいキャリアと空軍に対する理解を持っていますし、将来に向けて大きな弾みとなります。私たちはまた、宝くじに当たったようなものです!」と、バレット氏の空軍長官就任を歓迎しています。
バレット空軍長官は、さっそく議会に対して、ここ数年削減されてきた予算の復活を要請しています。特にF-35の調達数を増やすよう、議会の協力を求めました。「F-35は私たち空軍の未来であり、それが持続可能であることを欲しているのです」とバレット長官は語っています。
アメリカ空軍に初めて女性の空軍長官が誕生したのは、クリントン政権下の1993年。シェーラ・ウィドナル氏でした。その20年後の2013年、2人目としてデボラ・リー・ジェームズ氏が就任して以降、3代続けて女性が就任しています。
前任のヘザー・ウィルソン氏は元空軍大尉だったこともあり、空軍のお母さんのような存在でしたが、バレット氏はどんな空軍長官像を見せてくれるのでしょうか。
<出典・引用>
アメリカ空軍 プレスリリース
Image:USAF/NASA
(咲村珠樹)