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【ミリヲタ的グルメ】第16食 中国軍抗輻射食品

皆様こんにちは。ミリタリーにおける『食』、特にレーションについてご紹介していくDachoの『ミリヲタ的グルメ』。
今回は、中国軍の『抗輻射食品』です。

かなり怪しげな名前ですが、非常にユニークなレーションです。


  • ●中国軍抗輻射食品
    『抗輻射食品』と聞いても、何のことか分からないかもしれません。これは、食事や栄養補給のためのレーションではありません。『抗』は『抗う(あらがう)』、『輻射』とは『放射』、つまり『放射線』を指しています。この食品は、放射線被ばく対策を目的としているのです。

    外観

    日本人としては、ちょっと気になるキーワードですが、この中国軍のレーションが一体どのようなものか見ていきましょう。

    ●有効成分

    パッケージ

    この『抗輻射食品』は、クッキーの形をしています。
    そこに配合されている成分は、以下のようになっています。

    ・クコ多糖類
    ・霊芝多糖類(セレンを多く含有)
    ・スピルリナ多糖類
    ・ジンセノサイド(朝鮮ニンジンの有効成分)

    いかにも漢方薬の発祥地らしい内容です。
    多糖類とは、その成分の形態の一つですが、私にはうまく説明できません。(すみません!)
    これらの成分を調べてみましたが、以下のような効果を狙っているのではないかと思います。

    ・免疫力向上
    ・抗放射線損傷
    ・解毒効果

    これらの成分は、日本の法律では、医薬品的な効能効果を宣伝しない限りは医薬品とみなされないそうです。そのため、これらの成分を含む健康食品は、ドラッグストアや通信販売で自由に買うことができます。
    この『抗輻射食品』の狙いとしては、医師が患者の治療に使うものではなく、指揮官の命令で、放射線被ばくが予想される状況で予防的に用いたり、軽度の被ばく時に念のために使用するのではないかと思います。
    食べ方は、『1人当たり毎日2枚(朝晩1枚ずつ)食べる』となっています。

    ところで、日本でも医師の処方は不要とは言え、多少の副作用はあるようです。例えば、高血圧の人や、妊娠中、授乳中の人は避けたほうがよさそうです。

    ●試食
    この『抗輻射食品』は、他のレーションと違って、気軽に試食するものではないと思います。(もちろん有毒なものではありませんが。)それで、一口だけ味見してみました。

    中身

    見た目も香りも普通のおいしそうなクッキーです。高級感こそありませんが、サクサクしておいしいです。スーパーで買ったクッキーと言っても違和感はないです。
    そして、この記事を書いている時点では、体に不調はありません!

    でもなぜクッキーなのか、謎だと思いませんか?私が開発担当者なら、噛み砕いて服用できるチュアブル錠にすると思います。
    世界各国の軍隊は、それぞれに放射線対策の医薬品などを準備しているのではないかと思いますが、クッキーのスタイルなのは非常にユニークでしょうね。

    【注意してください!!】
    中国軍抗輻射食品を初めとする各国のレーションは、我々民間人が手に入れて食べることを前提としていません。
    これらを販売する業者なども、あくまでコレクション品として取り扱っています。
    食品としての安全性は、各国政府、製造業者、販売者の誰も保証してくれませんので、万が一食べる場合は、すべて自己責任になります。
    特にこの中国軍抗輻射食品は、一般的な食用ではなく、放射線被ばくという特殊な状況を想定したものです。
    また、各種の副作用も考えられますので、特に注意してください。
    私は、食用をお勧めしません!

    (文・写真:Dacho)

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    中学時代に「エリア88」と出会い、ミリタリーに目覚める。数年前、以前から気になっていたMRE(米軍のレーション)をミリタリーショップで発見し、レーションオタクの道へ。急速に自宅の空きスペースを浸食していくレーションの山と日々闘い続けている。

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