毎年8月に全国で公演される、2万人の鼓動 TOURSミュージカル『赤毛のアン』。
その新ヒロイン、主人公アン・シャーリー役に、上白石萌音(かみしらいし もね/17)が決定した。

このミュージカルは、1998年から公演されている人気シリーズ。中心キャストと全国出演アンサンブルを除き、公演される都市毎に選ばれた地方アンサンブルの入れ替えが特徴だ。

■ところで上白石萌音って誰?

今回、主役アンに抜擢された上白石萌音は、鹿児島県出身の17歳で、現役女子高校生。

芸能界に入ったのは、2011年第7回『東宝シンデレラ』オーデションに参加したのがきっかけ。この時、審査員特別賞を受賞している。

そして2014年公開の、周防正行監督映画『舞妓はレディ』で、オーディション800人の中から主役の座をいとめ、また『第38回日本アカデミー賞』で、新人俳優賞を受賞している。

しかし、今はまだ学生ということで、学生生活に重点を置いている。そのため、芸能活動はセーブして、学業に差し支えない期間にのみ活動を行っているそうだ。

■度胸が良すぎる薩摩おごじょ

記者が初めて上白石を見たのは、昨年『舞妓はレディ』の宣伝のため出演していた生放送番組。

そのとき彼女は、車が多く走る道路脇歩道の生中継現場から出演していた。番組中突然、他の出演者から生歌をもとめられ、アカペラを披露することに。

普通なら断りそうなものだが、彼女は憶することなく『舞妓はレディ』の主題歌一節を堂々歌いきった。しかも歌声は一切ぶれず、声質も良好。
その度胸の良さにも驚かされたが、以上に歌唱力の高さはもっと驚かされ、上白石という女優を深く印象づけた。

これと良く似たエピソードが、スチール撮影中にもあったようで、カメラマンの清家正信氏に促され、上白石が即興でスキマスイッチの『奏(かなで)』を歌い出す場面があったという。

その時も、上白石は憶することなく歌い始め、撮影に参加していたスタッフらが「周囲の大人達はやられてしまいました。」と語っていた。

ちなみにこの時歌った『奏』は、上白石がアカペラで歌いストーリー仕立てになったプロモーションビデオをYouTubeで公開している。

歌詞にあわせたストーリーでワンカット撮影されており、駅に向かう道、電車を待つホーム、車内からと、場面場面で歌・演技両方で魅せている。

一瞬喉をつまらせたような場面もあるが、ワンカット撮影なのでそれはそれでご愛敬。でも素晴らしい歌唱力は健在で、改めて今回の『赤毛のアン』も観たいと思わせてくれた。

■素顔はふつーーーの女子高校生

将来を期待される女優。しかし今は学問に重きを置く学生という立場の彼女。
普通ならば仕事と学生という間で悩みそうなお年頃だが、彼女は一体どんな人物なのだろうか?

インタビューによると最近のマイブームは「料理と筋トレ」。バレンタインにはお菓子を作ったりもしたそうだ。
学校の友達からは「もね」と呼ばれ、最近は友達のあだ名「ばんばくん」を「ばんばきゅん(バンバキュン)」と言い違えた事が一番大笑いしたことだという。
さらに家族も学校も大好きだといい、「学校でも家でも、爆笑することが多くて、毎日幸せです!!」と今の自分を語っている。

「期待の新人女優」というから、もっとこう背伸び感ある人かと思いきや、驚くほど「等身大の女の子」といった感じ。

この点のついては上白石をアンにキャスティングした、プロデューサーの戸田幸比古氏も「17才の正に等身大のアン・シャーリー」と評している。

「期待の新人」だけども、「ありのまま」を失わない上白石萌音。気負わないそんな姿がこれからも多くの人を魅了していくのかもしれない。