2016年4月1日。鳥取県倉吉市が、コナミデジタルエンタテインメントの運営するweb連動型音楽配信企画『ひなビタ♪』の舞台である架空の都市「倉野川市」と姉妹都市提携を発表しました。実在の自治体が架空の自治体と姉妹都市になるのは日本初。『ひなビタ♪』は、BEMANIシリーズにも楽曲が提供されているので、音ゲーマーにもお馴染みですね。
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日付が日付だったので、エイプリルフール企画じゃないか……と思って問い合わせてみると「ガチです」とのこと。こりゃ行ってみるしかない!
ということで、やってきました倉吉市。
駅には『ひなビタ♪』の日向美ビタースイーツ♪のメンバーと日向美商店街のマスコットキャラ「ひなちくん」のキャラクターパネルが。ひなちくんのところに顔を入れて記念撮影もできます。
駅前は姉妹都市提携を祝うのぼりがずらり。ふおぉおおお……マジだ! マジだ!
倉吉市役所に到着。丹下健三の設計で1957(昭和32)年に完成し、同年の第9回日本建築学会作品賞を受賞した由緒正しい庁舎です。市庁舎としては、現存最古の丹下作品なんだとか。
発表会の会場へ。
まずは倉吉市の石田耕太郎市長による挨拶。姉妹都市提携に至る経緯が明らかにされました。
それによると、この姉妹都市提携のきっかけになったのは、ファンの力だったとのこと。
倉野川市のモデルについて、公式には言及されていないものの、公式Facebookに「倉野川市の風景」として掲載されるイラストが、ファンの間で「倉吉市に似てる……ってか、どう見ても倉吉じゃね?」と話題になりました。
例えば、こんな感じ。白壁の土蔵が建ち並ぶ風景。
銭湯は倉吉市の「大社湯」にそっくり。
参道の風景も、倉吉市にある「大蓮寺」の参道にそっくりです。
この橋も、学校(日向美高校)の裏手によく似てますね。
これにより、聖地巡礼として倉吉市を訪れるファンが増えてきたのです。
その盛り上がりから「作品の舞台である倉野川市と姉妹都市になっては?」と市議会で提案があり、今日の発表に至ったとのこと。市議会も市議会だけど、それを受け入れる市長も市長だ……(褒め言葉)。とってもとっても、ありがとう。
倉野川市代表として出席した、倉野川市観光課の「ふるさと倉野川TMO」久領堤纏タウンマネージャーと姉妹都市提携協定書を取り交わす、倉吉市の石田市長。この笑顔が全てを物語ってますね。
協定書には倉吉市の石田市長とともに、倉野川市の貴船元佐市長の署名も。倉野川市長の名前、初めて知った気がする……。
そして、日向美ビタースイーツ♪が「くらよし観光大使」に就任。代表してリーダーの山形まり花に市長がタスキをかけます。
日向美ビタースイーツ♪は倉野川市の観光大使でもあるので、両市の架け橋となることが期待されますね。
市長も嬉しそうです。
発表会終了後、石田市長とまり花の囲み取材もありました。
そしてこの日、倉吉市は倉吉まち魅力開発プロジェクトをスタート。特設サイト「くらよし♪」をオープンさせました。まさに倉吉の「地方創生☆チクワクティクス」な展開です。
市役所の観光振興係はこんな感じ。
久領堤纏のデスクも設置されてます。倉野川市から出向してきてるんですね。
市内各所には、キャラの等身大パネルが設置されています。
一口たい焼でファンにも知られている「りんりんや」には、りんりん先生こと霜月凛のパネル。
「こんなかわいい子が看板娘になってくれて嬉しいよ」と、りんりんやのご主人も笑顔。……うん、ちょうど同じ頃(2012年秋)にスタートした、ガルパンの茨城県東茨城郡大洗町みたいな温かさを感じます。
現在、倉吉市では「くらよし春祭り」を開催中。ちょうど取材時は桜が満開でした。
でも『ひなビタ♪』にとって、桜の本番はこれから。4月16日・17日に、倉吉市の白壁土蔵街周辺で「くらよし桜まつり♪」が開催されます。17日には、倉吉未来中心大ホールで出演声優(日高里菜さん、津田美波さん、五十嵐裕美さん、山口愛さん、日南結里さん、小澤亜季さん)のトークショーと、新曲発表会が行われます。注目の新曲は、ふるさとの良さを伝えるために作った「老若男女誰もが楽しめる音頭」とのこと。これは夏が楽しみですね!
さて、倉吉と『ひなビタ♪』を語る上で忘れてはいけない場所に行かなくては。そう、あの「ちくわパフェ」が食べられる、ティーハウス・ダイアナさんです。
既に入り口に「倉野川名物ちくわパフェ」って書いてあるし……。
店内では『ひなビタ♪』のキャラクッキーも売られています。
コミュニケーションノートを見ると、比較的近い関西だけでなく、北は山形県から、南は熊本県までと幅広い範囲から来てる様子。そして日本だけでなく、韓国からも。ふおぉおおお……ちくパ(CKP)の魅力、恐るべし。
このちくわパフェ、春日咲子の実家である喫茶店「シャノワール」とダイアナが似てる……ということで訪れた『ひなビタ♪』ファンが、何の気なしに「(シャノワール名物の)ちくわパフェってありませんか?」と聞いたことがきっかけになったといいます。
最初マスターも「?」という感じだったのですが、ファンの方の説明により「作ってみたら面白そう」と思って、試行錯誤の末に商品化したとのこと。今ではマスターも「ちくパおじさん」として、ファンに知られる存在になりました。
たまたまお店にいた年配の常連さんにお話を聞いたら、
「最初は『なんてもの作るんだ』と思ったけど、これのお陰でたくさんお客さんが来るようになったんだから、よかったんじゃないかしら」
と語ってくれました。新規のお客さんが増えすぎると店の雰囲気が変わり、常連さんにとって居心地が悪くなるケースがよく見受けられますが、お店を訪れるファンの方のマナーもいいんでしょうね。
注文が入り、次々作られるちくわパフェ。ち・く・パ☆ ち・く・パ☆ CKP! CKP!
やってまいりました。このビジュアルです。白いクリームとちくわの地肌、抹茶アイスとちくわに入ってる枝豆の緑、イチゴとちくわに入った桜エビの赤が、それぞれ見事に呼応してますね……。
使用されているちくわは、鳥取名物の「とうふちくわ」。江戸時代、鳥取藩の倹約策で練り物に占める魚の使用量を減らす為、豆腐を混ぜたことで誕生したものだそうです。2本立っているのは「因幡の白うさぎ」の耳をイメージしてるんだとか。
このお店のパフェは、基本的に700円で統一されているのですが、ちくわパフェだけは600円のサービス価格。実はとうふちくわって、スーパーで売られてる通常のちくわより高いんですよ。ひょっとしたら、原価は他のパフェより高いかもしれないなぁ……。
肝心のお味は、というと……意外にいける! 抹茶アイスとちくわの相性がいいんですよ。それほど塩気が強くないし、甘さも控えめなので、ちょうどいい感じ。豆腐ちくわもふわふわした食感で、他の具材と違和感なく溶け込んでます。
くらよし桜まつり♪の新曲発表会がある4月17日も、ダイアナさんは営業予定。みんな! イベント終わりにCKP食べられるぞ!
『ひなビタ♪』に対するガチっぷりがハンパない倉吉市。これからのコラボ展開に大注目です!
(取材:咲村珠樹)