鉄道写真の定番撮影スポットのひとつに、鉄橋があります。鉄橋を通過する列車の迫力や、周りの風景を取り込んだ写真は、撮り鉄ならば一度は撮影した経験があるもの。

しかし、この「鉄橋での撮影」には、ちょっとした難点がありました。それは「列車の正確な通過時刻が判らない」こと。市販の時刻表には、駅の発車時刻しか載ってませんからね。なので、撮影する際には、市販の時刻表を使ってダイヤを自作し、計算で導き出された「通過予想時刻」を基準に撮影の準備を行うというのが、撮り鉄の一般的な行動です。

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キハ183系オホーツク

しかし嬉しいことに、北海道には便利なものがあるんです。それが北海道開発局が作成している「川の時刻表」。北海道内の河川にかかる鉄橋(鉄製じゃない場合もあるので正式には「橋りょう」といいます)を列車がいつ通過するのか、時刻表の形式で掲載したものです。その2016年版が北海道新幹線と、並行在来線(江差線)が第3セクター化された「道南いさりび鉄道」の開業に合わせ4月5日に公開されました。

川の時刻表

表には北海道の地図に、鉄橋のかかっている河川と鉄橋の場所が記入してあり、裏面には鉄橋を「駅」に見立てて、線区ごと、列車ごとに鉄橋の通過時刻が記載されています。基本的に特急がメインで、すべての列車を網羅している訳ではありませんが、これでも便利なものであることには変わりありません。

2011年度版から製作されている「川の時刻表」。きっかけは、北海道開発局の建設部河川計画課が「もっと川に親しんでもらいたい」ということで、川を定期的に渡る列車を基準にしてはどうか、ということだったそう。撮影に活用する撮り鉄はもちろん、一般の人にも好評だそうです。

「川の時刻表」は、北海道内の役所のほか、北海道開発局のサイトからPDF版がダウンロードできます。北海道の旅のお供に「川の時刻表」はいかがですか?

▼参考
北海道開発局建設部河川計画課「川の時刻表」

(文:咲村珠樹)