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千葉県民よ刮目せよ!埼玉ディス漫画「翔んで埼玉」実写映画化で対抗組織に「千葉」登場

 魔夜峰央(まやみねお)原作「このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉」(以下、翔んで埼玉)の実写映画化が決定した。公開は2019年で、二階堂ふみ、GACKTのW主演となる。

 「翔んで埼玉」は、「パタリロ」(1978)などで一世を風靡した漫画家・魔夜峰央氏が1982年に発表した作品。

  •  魔夜氏が作品発表当時に埼玉県所沢市に住んでいたことから“埼玉”を題材に、「埼玉から東京に行くには通行手形がいる!」「埼玉県民はそこらへんの草でも食わせておけ!」「埼玉狩りだー!」など“埼玉県”を徹底的にディスるセリフが盛り込まれている。

     それが2015年に30年ぶりに単行本として復刊されたことをきっかけに、テレビ番組、SNS、インターネットなどメディアで多数取り上げられ反響をあつめ、大ヒット。累計発行部数62万部を突破し、上田清司埼玉県知事からも「悪名は無名に勝る」とコメントをもらうまでとなっている。

     「翔んで埼玉」は未完の作品ということで、実写化にあたり続きの部分“オリジナル”の展開が模索された。大都会東京から虐げられた埼玉が、自由を求めて徒党を組み戦うという原作の設定に、新たに“千葉”という対抗組織も用意された。

     千葉は同じく東京から迫害を受けている立場。埼玉と千葉が、どのように物語を形成していくのか……。そして、相容れない土地に生まれた二人の間に芽生えた“愛”がどうなっていくのか……という2つのテーマを携えたストーリーが構成された。

     主役2人のキャスティングの際、東京都知事の息子であり、白鵬堂学院の生徒会長=エリートとして華々しく学生生活を送る、壇ノ浦百美(だんのうらももみ) 役は当初、原作の設定を変更し、女性にしてもよいかという意見もあったそうだ。百美は名前も顔も女っぽいという設定だったため、こうしたアレンジも検討され、一時はその方向性で考えられていた。

     しかし、キャスティングが決まった二階堂から「これ、私が男性の役をそのまま演じたほうが面白くないですか?」と提案があり、原作の通りの設定で行くことが決定。二階堂が「男役」を演じることとなった。

    壇ノ浦百美(だんのうらももみ)

     二階堂演じる百美が淡い恋心を抱く、容姿端麗でアメリカ帰り、でも実は埼玉県出身の転校生・麻実麗(あさみれい)は、原作者も交えたキャスティング会議の中で、満場一致でGACKTに決定。ただし、麻実麗は18歳の高校生という設定のため、GACKTは「原作の魔夜さんのご指名なら…」というが、自らが高校生役を演じてよいものかと思いながら、衣装合わせなどに挑んだという。

    麻実麗(あさみれい)

     なお、映画はすでに3月21日にクランクインしており、鋭意撮影中となっている。

    【著者:魔夜峰央(まやみねお) コメント】
    30年前の作品です。
    当時私は埼玉県所沢市に在住しておりまして、抜けるような青い空と一面緑のネギ畑に囲まれて、牧歌的ながら、本当は東京へ行くはずだったのになぁ……と思いながらなんとなく悶々としていました。
    良いところなんです所沢は。
    しかし、これから一旗揚げようかと野心満々の当時の私にとっては、のんびりしすぎていて、なんとなく物足りなかったのは事実です。
    とくに誰と話したわけではありませんが、周りで暮らしている所沢、埼玉の人たちも同じような気持ちでいるのではないかなぁと肌で感じることがよくありました。
    今の生活に不満は無い、でももうひとつグレードアップしたい、というような、かすかな心の通奏低音が皆さんからも感じられたような気がしたのです。
    その頃、自虐的にそういった埼玉県民の心の声をある意味痛切に描いたのが、この「翔んで埼玉」です。
    おもしろいとかおもしろくないとかではなく、日々の鬱憤が爆発した心の声とでも言いましょうか。
    今見るととんでもない作品ですが、当時は素直な気持ちをそのままぶつけたのだと思います。
    それが、今になって、なぜ?
    まったくもって私自身が一番驚いているような状況なのです。
    今回はそれが、さらに映画化されるということで、ありがたいやら恐ろしいやら。
    「本当にいいんですか?」と、最後に言わせていただきます。

    二階堂さんへ
    最近テレビでお顔は拝見しておりました。なんだか面白いキャラの人だなぁと、いい意味で、思っておりましたので今回の役はぴったりかもしれません。映画の中で思い切り遊んでいただけたらと思います。

    GACKTさんへ
    まさかオファーを受けていただけるとは思いませんでした。最初GACKTさんのお名前が上がった時、そこにいた一同全員がのけぞり次の瞬間、ありか、と頷いたものです。願ってもないキャスティングですが、この役がGACKTさんの人生の汚点にならないことを祈っております。

    【二階堂ふみ/壇ノ浦百美(だんのうらももみ)役 コメント】
    埼玉のプライドをかけた戦い、そしてそこから生まれる純愛ボーイズラブ。どのような作品になるのかは全く想像できませんが、精一杯真面目にふざけられたらと思います!

    二階堂ふみ/壇ノ浦百美(だんのうらももみ)役

    【GACKT/麻実麗(あさみれい)役 コメント】
    このオファーがあった時は、「設定に無理があるんじゃないかな?」とは思ったんですけれども、ずっと以前から魔夜先生の作品のファンだったっていうことから、先生からの指名ということであればやるしかない、、、という想いで、今回の作品は受けてしまいました(笑)。
    正直なところ、「ボクの歳で高校生ってどうなのか?」という気持ちは未だに払拭できてはいないんですが、この漫画自体がかなり無理のある設定の漫画ですので、無理がもう一つぐらい増えても問題ないかなとは思っています。
    (二階堂)ふみちゃんとは、こういう形で一緒に共演できるのは嬉しいと思ってます。
    番組以来の久しぶりの再会なので楽しみです。ふみちゃんにとって最高の相手役、最高のキャラクターで撮影に入れるように作り込んでいきたいと思います。

    GACKT/麻実麗(あさみれい)役

    【監督:武内英樹 コメント】
    原作では、東京に虐げられた埼玉が熱い魂を持って立ち上がる話ですが、映画にはオリジナルで積年のライバル千葉も登場し、埼玉、千葉そして東京の仁義なき戦いを私なりの解釈で、コミカルに、ダイナミックに、壮大なスケール感で描きます!
    今年浦和と大宮が住みたい街ランキング上位にランクインしたなど最近何かと注目度が高い埼玉と、埼玉には間違えなく勝っていると信じる千葉!そして、高みの見物東京!
    果たして埼玉・千葉・東京の仁義なき戦いの決着は..!?!?
    爆笑してなぜか泣いていて、劇場を出る時には、自分の出身地を誇りに思うようなそんな作品になると確信しています!

    【作品情報】
    ・タイトル:翔んで埼玉
    ・公開日:2019年公開
    ・キャスト:二階堂ふみ GACKT (W主演) ほか
    ・原作:「このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉」魔夜峰央(宝島社)
    ・監督:武内英樹(「のだめカンタービレ」シリーズ「テルマエ・ロマエ 」シリーズ「今夜、ロマンス劇場で」他)
    ・脚本:徳永友一(ドラマ「海の上の診療所」「水球ヤンキース」「探偵の探偵」「HOPE~期待ゼロの新入社員」「僕たちがやりました」他)

    【ストーリー】
    かつて埼玉県民は東京都民からひどい迫害を受け、身を潜めて暮らしていた。ある日、東京でトップの高校・白鵬堂学院の生徒会長で東京都知事の息子・壇ノ浦百美(だんのうらももみ)は、アメリカ帰りの謎の転校生・麻実麗(あさみれい)と出会う。互いに惹かれ合うも、実は麗が埼玉県出身だったと知る百美。そして、東京と埼玉の県境で引き裂かれる2人。まさに埼玉版「ロミオとジュリエット」とも呼べる愛の逃避行と、その中で埼玉県解放を成し遂げるべく戦いを挑んだ者たちの革命の物語である。

    (C)魔夜峰央『このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉』/宝島社
    画像提供・東映

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