ロケット打ち上げ失敗の責任を取り、宇宙科学開発機構を辞職して実家である下町の工場を継いだ佃航平と、その工場の社員たちの挑戦を描く人気作、「下町ロケット」待望の続編(以下、シーズン2)がいよいよ10月14日からTBS系で放送開始です。挑戦の舞台は宇宙から大地へ。その大地を舞台にした新たな挑戦を描くドラマに、農業機械メーカーとして知られる株式会社クボタが全面協力。ドラマのリアリティ溢れる描写に一役買っています。
池井戸潤さんの直木賞受賞作「下町ロケット」シリーズを原作に映像化されているドラマ「下町ロケット」。2018年10月14日から放送が始まるシーズン2では、原作第3弾の「下町ロケット ゴースト」と最新刊である第4弾「下町ロケット ヤタガラス」を原作に展開します。
帝国重工の純国産ロケット「スターダスト」計画にロケットエンジン用バルブシステムで参加し、また人工心臓弁「ガウディ」の開発にも成功するなど、職人技に根ざした高い技術力で世間に知られるようになった佃製作所。しかし、帝国重工の業績悪化に伴い、スターダスト計画に暗雲が。そして大口取引先の農機具メーカーからも、納入しているエンジンの取引量削減を告げられます。
佃製作所の経営にピンチが訪れた中、経理部長の殿村(立川談春さん)の実家で父親が倒れてしまいます。300年続く農家である実家のピンチに、殿村は週末ごとに帰省しては父親の看病と、農作業の手伝いをすることに。慣れない農作業をする殿村を見舞った佃(阿部寛さん)と山崎(安田顕)ですが、殿村がトラクタを運転する姿を見て「あること」に気づきます。新たなチャンスを見つけた佃は、それに向かって社員たちと奮闘することに……。
原作ファンの方はストーリーをご存知でしょうが、今回佃製作所が取り組むのは「農業機械」。そんなドラマのディティールにリアリティを与えるため、農業機械メーカーとして知られる株式会社クボタが全面協力することになりました。実はクボタ、「下町ロケット」の佃製作所と重なる面の多い会社なんです。
クボタはもともと機械ではなく、1890年に大出権四郎によって鋳物工場「大出鋳物」としてスタートしました。時代は明治、コレラなど伝染病の侵入で近代水道の整備が急がれていました。当時、鋳鉄製の水道管は欧米からの輸入に頼っていたために国産化が計画されましたが、多くのメーカーが参入したものの、質の良いものができない状況。しかし権四郎は工夫を重ね、ついに国産初の水道用鋳鉄管の製造に成功。国益に大きく貢献します。権四郎はこののち、懇願されて久保田家の養子となり、社名も「久保田鉄工所」に。消火栓や制水弁などの水道関連製品を生産していきました。
そして大正時代になると、農業用ポンプの動力として石油発動機の製造も手がけるように。ここで農業との接点が生まれます。昭和の初めにはクボタの石油発動機が、当時の商工省によって優良国産品にも選定されています。
戦後に入ると農業の機械化を推進するために耕運機を開発。1960年には国産初の畑作用乗用トラクタ「T15」を開発し、1962年には水田用の乗用トラクタも製品化します。1969年にコンバインも製品化したことで、農作業の機械化の流れが完成しました。現在では農業機械や各種エンジンのほか、水道管から派生したポンプやバルブ、水処理施設や空調機器など、様々な分野の製品がラインナップされています。
ドラマ「下町ロケット」では、作中で使用されるトラクタなどの農業機械を提供するほか、シナリオ作りや機械操作のアドバイスなど技術監修にも参加。リアルなドラマ作りに協力しています。新たなステージで奮闘する佃製作所の面々、その画面に登場する農業機械やキャストの機械操作の手つきなどにも注目です。
情報提供:株式会社クボタ
(咲村珠樹)