クリスマスをはじめ、アメリカには12月に様々なイベントが目白押し。2018年は、12月2日のユダヤ教のお祭り「ハヌカ」(ユダヤ暦第9月の25日から8日間)に始まり、いわゆる「Happy Holidays」という言葉は、これらのお祭りを全部ひっくるめた言い方なのです。
お祭り好きのアメリカ人は、このようなイベントごとが大好き。それは軍隊でも変わりません。「クリスマス休戦」という言葉もあるように、クリスマスやその関連のイベントは戦場でも楽しむのが流儀です。現在アフガニスタンに派遣されているアメリカ陸軍も、クリスマスのイベントを楽しみました。
アフガニスタンにおけるアメリカ軍の拠点、バグラム飛行場。ここには現在、アメリカ陸軍第101空挺師団の第101戦闘航空旅団本部および本部中隊「ヘルキャッツ」が駐屯しています。第101空挺師団は第二次大戦のノルマンディ上陸作戦(オーバーロード作戦)や「マーケット・ガーデン作戦」のほか、ベトナム戦争や湾岸戦争、コソボ紛争にイラク戦争、そして現在の「テロとの戦い」に至るまで、アメリカの関与する主要な戦争や作戦において重要な役割を果たしてきました。かつて伝説的ギタリストのジミ・ヘンドリックスが配属されていたこともあります。
そんな最前線で体を張る部隊でも、12月25日にクリスマスパーティーの昼食会が開かれました。いつもは味気ない司令部の食堂も、クリスマスツリーや様々な飾り付けで華やかに。食事を配る兵士たちも迷彩服姿に思い思いの帽子をかぶってクリスマスムードを演出します。よく見ると、メニューを記載したカードもクリスマス仕様。
翌26日には、さらにお祭りムードが高まります。サンタクロース夫妻が訪問し、ゲーム大会やコスプレ大会(ダサいTシャツコンテスト)が開かれました。
また、最近日本でも知られるようになった「ダサいセーターの日(Ugly sweater contest)」。バグラム飛行場では12月23日に行われました。第101戦闘航空旅団の第6大隊では、兵士たちがこれはと思うダサいデザインのセーターを着てヘリコプター格納庫に集まり、誰が一番ダサいかを競いました。アメリカではこの日用の「ダサいセーター」がいろいろ売られるんですよね。
……素朴な疑問なんですが、サンタの衣装をはじめ、こういったコスプレや飾り付けのグッズもアメリカから運んでくるんでしょうか。そこまでするアメリカ軍の後方支援能力にも驚きですが、やはり戦場での潤いというのは必要なことかもしれません。オンとオフを使い分け、精神状態を良好に保つのも、軍隊という組織には必要なことなのです。
Image:U.S.Army
(咲村珠樹)