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漫才の台本作りを通して子供の発想を育む「お笑いノート」が発売

 落ち込んでいる時や心に疲れを感じる時、一瞬にしてパッと気持ちを明るくさせる「お笑い」。ところが、逆に人を笑わせようとすると、なかなか思うように行かないもの。そんな「お笑い」について体験しながら学べる文具「お笑いノート」が、5月25日に発売されました。

  •  手がけたのは宮城県仙台市に拠点を置き、子どもの自己肯定感を育む教育プログラムの提供をしている「コトバマグネットプロジェクト」。おもちゃクリエーターの高橋晋平さんの企画協力を得て開発されました。小学生でも漫才のネタが作れるようにと、とてもシンプルなフォーマットになっています。

     コトバマグネットプロジェクトの中田敦夫さんに話をうかがいました。
    「お笑いノート」は、見開きのテンプレート構成になっており、左ページは話題となるステップ1「テーマ」決め、ステップ2「ボケのアイデア出し」。いつ、どこで、誰と、どんなという4つのガイドに沿って自由に発想していくそうです。そして、ステップ3でその中から特にネタとして使いたいアイデアを3つえらび、会話のフレーズにします。

     そうして出来た3つのボケフレーズを右ページの台本(台本はフリ、ボケ、ツッコミを1セットにしてそれを3回くり返す)に書き込み、後は前後のフリ(ふつうの会話)、ツッコミ(ボケを正す)を埋めていく仕組み。なんでも、ボケの発想をいかに無理なくうまく引き出せるか、キーワードの選択に試行錯誤したそうです。

     「お笑い」に焦点をあてた理由には2つあるそうです。
    一つは「お笑いというテーマこそ、自由な発想が生かされる最高の表現方法」ということ。「今の子どもたちは、学校生活を含め日ごろから、正解を求められる日常に身を置いており、間違ったことが許されづらい世の中に生きていると思うのです」と中田さん。そのような時代背景の中、子どもたち自身が持っている自由な発想をその子自身が否定したり、発想自体を表現できる場や理解者がいなかったりする状況にだけはさせたくない……。こんな考えを巡らせているうちに「お笑いはボケがなくては成立しない。不正解や間違えが歓迎される土壌なのだ」と気づいたそうです。

     もう一つは「お笑いは、決して見て楽しむだけではなく、自分が作って楽しませられる素晴らしい道具」ということ。
    「自分自身が笑って、自分の身の回りの人が笑ってくれたらそれが最高の幸せなのではないかという思いから」と語って下さいました。お友達とコミュニケーションをとることが苦手な子や、引っ込み思案の子こそ、「お笑いノート」を使って欲しいと中田さん。一人でこっそり書く自由帳のネタや日記のようなイメージで、その子が持っている独特のセンスが発揮できる表現ツールになってくれるのではないかと期待しているそうです。

     実際に体験した子どもたちの反応については「自分たちがお笑いを作りだすというプロセスに、大変新鮮味を感じているようでそこに面白さを感じてくれています。また、ネタという一つの作品が出来てしまうという達成感がうれしいようです。さらに、ネタを披露して自分のお母さん、お父さんが笑ってくれるところを見て、自分が受け入れられていると感じるのか、多くの子どもたちがよろこんでくれています」とのことでした。

     子供の発想を育む「お笑いノート」はB5判/全44ページ(練習ページ付)。販売はコトバマグネットプロジェクトHPなどで行われ、価格は1冊500円、3冊セット1500円、5冊セット2500円となっています。※価格は税込み、送料別。

    <取材協力>
    コトバマグネットプロジェクト

    (黒田芽以)

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