名古屋市は中心部の名駅・栄以外は車での移動が便利なところがほとんど。それを見越してか、中心部から離れたところに大型店舗があちこちにできています。特に、名古屋市南部は大型店舗の激戦区ともいえる地区。そのうちの一つが、今にも息絶え絶えな状態になっており、注目を集めています。

 名古屋市内の大型店舗であるイオンモールはイオンモール熱田・新瑞橋・大高・名古屋茶屋・名古屋みなと・ナゴヤドーム前・mozoワンダーシティの7店舗。さらに、イオンモール並みに大規模店舗であるイオンタウン千種や、旧ジャスコや他の中・大型店舗からイオンに業態転換となった、イオン今池・金山・上飯田・名古屋東・南陽・メイトピア・守山・八事も加えると、その数15店舗。明らかにイオン過多状態なのでは……。さらに旧ジャスコと同様の店舗規模を持つユニー系列のアピタは、市内に7店舗。

 さて、そのイオンモールのうちの一つ、イオンモール名古屋みなとの様子が数年前からさみし気な雰囲気になりつつありましたが、先日、「イオンモール名古屋みなとに行ってみたら、閉店しすぎて全部インスタスポットに変えられてたw」と衝撃的なそのシャッター街と化した様子がツイッターに投稿され、ネット上がざわついています。このツイートを投稿したのは、ネットユーザーの“▶kashima”さん。この様子を見た人たちからは、「凄まじい廃墟感」「ここまで酷くなっていたとは……」という意見から、逆に「エモい」というこれはこれで味があるという意見まで。


 筆者は元地元民で、ここができた時はよく行っていましたし、モール街のファッション店の活気の良さにテンションも上がったり、1階のパフォーマンスステージで何かライブなどやっていた時などはよく見に行ったりしていたのですが……。できた当時は「ベイシティ」と呼ばれ、隣にはTOHOシネマズや銭湯なども。店舗のすぐ裏には大きな荒子川公園というバーベキューもできる大きな公園もあり、あおなみ線の荒子川公園駅からすぐという立地条件。国道23号からのアクセスも悪くなく、付近は分譲住宅やマンションが立ち並ぶ、ファミリー層には使い勝手の良いお店だったように思っていたんです……。しかしこの現状。

 名古屋市港区は意外に広く、旧南陽地区が港区に編入されて以降、市内で一番広い区になりました。そのため、元からの港区と南陽地区は結構な距離があるので、そのどちらからもアクセスしやすい立地にイオンモール名古屋みなとが建設されたいきさつがあります。しかし、その後、南陽地区にさらに大規模な「イオンモール名古屋茶屋」がオープン、さらに追い打ちをかけるように、地下鉄東海通駅からすぐという立地条件の良い場所に巨大モール「ららぽーと名古屋みなとアクルス」が。元からこの辺りにはイオン南陽のほか、アピタ港・アピタ東海通など、ちょうどよい大きさのお店があったところでしたが、次々とイオンモールやららぽーとができたという状態なのです。

 イオンモール名古屋茶屋ができた後からアピタ港がリニューアルしてテコ入れをはかったこともあり、ららぽーとができる前からイオンモール名古屋みなとは徐々にシャッター街となりつつあったのですが、ららぽーとができてさらに……。地元民だった者としては、今後の専門店街の行方が気になるところですが、もしかしたらリニューアルが予定されてるとか?今後の展開を期待したいところです。

<記事化協力>
▶kashimaさん(@B05_X)

(梓川みいな)