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吉本・岡本社長の5時間半のダラダラ謝罪会見に行ってきた

 吉本興業の岡本昭彦社長が7月22日、東京・新宿で行われた記者会見で、一連の騒動について謝罪。しかし、回りくどい言い方やハッキリしない返答に、所属芸人もSNSなどで不満が爆発。会見は、5時間半にも及びましたが、納得できないものに。以下、記者会見場の様子をご紹介します。

  •  7月22日に行われた今回の謝罪会見、前日には行われることが発表されていました。弊社のような小さいメディアにも「記者会見の案内」が送られてくるのか、少し不安に思っていましたが、無事に届いたので、事の真相を確かめに行ってきました。

     会見場に着いたのは、受付開始30分前の12時。にもかかわらず、すでに会場は多くのマスコミでいっぱい。筆者は50番目(90番までは確認できましたが、まだ多くの記者が詰めかけていました)で、注目の高さがうかがえました。


     それでも、前日のダウンタウンの松本人志さんの発言(「岡本と宮迫で乳首相撲」など)もあってか、謝罪会見と言いつつも記者たちの間に、それほどピリピリとした空気は感じられませんでした。

     12時35分ごろ、入場が始まると、会見場はとても広く、記者&カメラマン(スチール)席は、床に直接座るスペースや椅子だけのスペース、椅子と机のスペースと別れていました。筆者は50番目、本当は床に直接座るスペースに行きたかったのですが、そこは多くの記者で埋まってしまっていたので、椅子だけのスペースへ……。

     会見が始まる前は、吉本興業のスタッフから記者たちへ水が配布される気遣いも見られ、「終わりの時間に関しては設けてなく、みなさんの質問が終わるまで会見を続けていこうと思います」というアナウンスもされていました。

     今、考えると、これが長い1日の始まりを予感させていたのかもしれません……。

     14時に会見が始まると、吉本興業の小林さんからこれまでの経緯(時系列のまとめ)が説明され、その後、岡本社長が登場。まず、反社会勢力から吉本所属のタレントが金品を受け取ってしまったこと、ファンと関係者に迷惑や心配をかけてしまったこと、雨上がり決死隊の宮迫博之さんとロンドンブーツ1号2号の田村亮さんにあのような記者会見をさせてしまったことについて謝罪しました。



     そして、宮迫さんと亮さんの処分撤回を発表。2人が吉本に戻ってくることがあるなら「全力でサポートしていければ」とコメント。また、コンプライアンスの徹底と芸人ファーストで物事を考えることを誓いました。

     さらに、明石家さんまさんから「芸人のことを考えてやってほしい。もちろん、会社の立場もあるだろうけど、もし解除するんだったら(宮迫のことを)俺が手伝ってやってもいいか?」と言われたり、ダウンタウンの松本さんから「そういうちょっと間違いを犯した子たちをサポートできるような環境を作ってほしい。それは俺も手伝う」と言われたりしたことを紹介。その際、2人の温かい言葉に涙する場面もありました。

     ここまでは、通常の謝罪会見でした。しかし、その後、記者からの質疑応答が始まると、処分の撤回理由や暴言(パワハラ)などについて、回りくどい言い方やハッキリ「YES」「NO」を言わない、ダラダラとした釈明が続きました。

     代表的なもので言うと、「テープ回してないやろうな?」「会見するのなら全員クビ」などのパワハラ発言については、それまでの経緯を何回も説明したりして、業を煮やした記者に詰め寄られ、ようやく「冗談だった」「和ませようとした」と答えるなど、終始、納得しない雰囲気が会場内を包んでいました。

     その光景に、吉本所属芸人も不満が続出。「NON STYLE」の石田明さんは自身のTwitterで「全員傷まみれ&信頼関係ぐちゃぐちゃ&タイムロス&恥部大放出でふりだしに戻る 大マイナスやん……」とコメント。

     フジテレビ系列で放送された「直撃LIVE グッディ!」に生出演したトレンディエンジェルの斎藤も、「なんでこんな回りくどいことばかり言って……、『YES』『NO』の札を最初に渡しておくべきだった」と話しました。

     開始から3時間が経過し、17時を過ぎると、謝罪会見はいったん中断し、10分間の休憩に入りました。すると、岡本社長の会見の内容やあまりの長さに、会場を後にする記者も現れました。ちなみに、筆者の両脇に座っていた記者も席を立ち、前にいたカメラマンも帰っていきました。

     しかし、残った記者の中には、「どうする?」「どうやって話を聞きだす?」「こういう質問の仕方がいいんじゃないか?」など、話し合っている人もいて、少しピリピリした空気が流れていました。

     そんな空気の中、謝罪会見は再開されましたが、岡本社長の対応は変わらず。時間だけが浪費されていきました。

     今回の会見をまとめると、「大崎会長と岡本社長は50%減俸(1年間)」「在京5社、在阪5社は吉本の株主だから大丈夫は、放送時間への配慮の意味」「『取締役が代わらなければ辞める』発言をした極楽とんぼの加藤さんとは話し合う」「カラテカの入江さんについては処分の撤回はない」といったところでしょうか。

     記者たちにも疲労の色が見えていた19時30分、やっと謝罪会見が終了すると、会場中から「ふぅ~……」と、息を吐く記者たちが多くいました。

     それにしても、せっかく和解の道を作ってくれた、ダウンタウンの松本さんの苦労を踏みにじる感じになってしまった今回の謝罪会見。再び、出口が見えなくなってしまったのではないでしょうか……。

    取材協力:吉本興業株式会社

    <出典・引用>
    「NON STYLE」石田明さん(@gakuishida)
    フジテレビ「直撃LIVE グッディ!」(7月22日放送)

    (佐藤圭亮)

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