9月の連休を利用して、石川県へ趣味の旅行に出かけたというTwitterユーザーのkaorububuさん。その道中で、警察官に声をかけられてしまった……!という出来事が話題になっています。これは……警察官じゃなくても声かけたくなるのわかる……!

 「石川県でぴえん!!!(訴えかける顔文字)」
 
 Twitter上でこのところ大流行している、「切ない」「悲しい」といったことを意味する「ぴえん」というワードを、顔文字つきで投稿したkaorububuさん。旅先で一体何があったんでしょう?投稿に添えられた写真には、kaorububuさんの愛車と1台のパトカーが写っていました。

 

 この時点で色々と察した方は多いかもしれません。無論、筆者もそうでした。30分後に投稿されたツイートを見るまでは。

 「(警官の顔文字)スゴい!写真撮ってもイイですか!?」是非!どうぞ撮って下さい(笑顔の顔文字)何処でもモテモテですな。

 思わず「えっ」という声が出た方がいるかもしれません。実はkaorububuさんが声をかけられた理由は、警察官がkaorububuさんの愛車に興味をもったからでした。

 それもそうですよね。kaorububuさんが乗っている愛車は、富山県にある自動車メーカー「光岡自動車」が、1982年から1985年にかけて発売していたミニカー「BUBU50シリーズ」をベースにアレンジしたもので、kaorububuさんの愛車は最初期型の「BUBU501」。通称「ゼロハンカー」と呼ばれる今はほぼみかけない珍しい車両です。

 ミニカーとは、総排気量50cc以下または定格出力0.6キロワット以下の1人乗り普通自動車のこと。誕生当時は原付免許で運転できたことから1980年代に一時ブームとなりましたが、1984年の法令改正で普通免許が必要となり、さらに排ガス規制によりブームは終焉。いわゆる「公道カート」もミニカーの一種です。現在は小型の電気自動車としてトヨタ車体の「コムス」がコンビニの配達に使われるなど、再び注目が集まっています。

 しかも、kaorububuさんのBUBU501はデザインがまた独特。大阪にある大手家電メーカー「パナソニック」が旧社名「松下電器産業」時代に展開していた「ナショナル(National)」のブランドロゴを模したデザインが、車体側面にデカデカと表示されています。

 さらに後部には、ナショナルの四角いロゴマークに、その下は日本で初めて商品展開されたことでも有名な「カラーテレビ」のロゴ。さらにさらに、その下には「松下電器産業株式会社」の記載がなされ、全体はトリコロールカラーでまとめられているという、愛称は「ナショナル号」。


 ザ・松下愛満載のデザインですが、kaorububuさん曰く、これはパナソニックの社用車でもなければ、依頼されて制作されたわけでもないとのこと。愛あればこその一種のファンアートなわけですね。

 その昔、街の電気屋さんが同じカラーリングの配送車でテレビや洗濯機、冷蔵庫などを配達してくれたっけ……なーんて「三丁目の夕日」的な光景を思い出す方もいらっしゃるかも。家電量販店ができる前は車のディーラーのように、メーカーごとに「ナショナルのお店」とか系列の電気屋さんがあって、看板や車がメーカーのカラーリングになってたんだそうですね(懐かしモノ好きな編集部員に教えてもらいました)。

 そんな「ナショナル号」は、kaorububuさんが旅する先々で目撃され頻繁にSNSで話題になっています。すぐに人が集まり、ちょっとした撮影会になってしまうんだとか。旅先でのほっこりエピソードは今回に限らずつきないようです。

<記事化協力>
kaorububuさん(@kaorububu501)

(向山純平)