エアバスは2020年10月22日(現地時間)、アメリカの最終組み立てラインで組み立てられた最初のA220が、顧客であるデルタ航空へ引き渡されたと発表しました。元がボンバルディエCシリーズだった関係で、カナダの工場で生産されてきたA220ですが、アメリカの工場が本格的に稼働し、生産能力が上がっています。

 これまで、カナダのミラベルにある工場で最終組み立てが行われ、顧客に引き渡されてきたA220。しかし顧客の多くはアメリカの航空会社ということもあり、エアバスはアラバマ州モービルに大規模な工場を建設。アメリカでのA220生産を本格化させました。

 そして、モービルの最終組み立てラインから最初のA220がロールアウト。製造後の検査を経て、発注者であるデルタ航空に引き渡されました。

 エアバスのアメリカ法人、エアバス・アメリカのC・ジェフリー・ニッテルCEOは「A220-300のアメリカ生産1号機引き渡しは、エアバスにとって歴史的な瞬間です。アラバマ州モービルで誇りを持って製造されたこの真新しいA220-300にお客様が搭乗し、旅を楽しまれることを心待ちにしています」とのコメントを発表しました。

 モービルでA220の最終組み立て工場建設が始まったのは、2019年1月のこと。同年8月には正式に生産が始まり、このアメリカ製第1号機は2020年6月に初飛行を果たしました。この間、カナダのミラベルにある既存の工場とは連絡を密にし、生産のノウハウを共有してきたといいます。

 エアバスでA220プログラムを率いるフィリップ・バルドゥッチ氏は「アメリカで組み立てられた1号機をアメリカの航空会社に引き渡すことができ、A220プログラムにとって本当に誇らしく思います。これは今後も続いていく第一歩であり、世界中のA220プログラムに携わるチーム全員における強力なコラボレーションの精神を示すものです」とのコメントを発表しています。

 アメリカ製A220の1号機を受領したデルタ航空は、トータルで95機のA220を発注している大口の顧客。そして胴体長と座席数の違うA220-100とA220-300の双方を運航する初めての航空会社となります。

 エアバスによると、2020年9月末現在で123機のA220が7つのオペレーターに引き渡されており、アメリカをはじめアジアやヨーロッパ、アフリカで運航されているとのこと。100席〜150席というサイズは小規模な地方路線にとって手頃であり、A320では大きすぎるといったニーズに対応する機材といえるでしょう。

<出典・引用>
エアバス プレスリリース
Image:Airbus

(咲村珠樹)