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サウジアラビア向けのF-15SA 最終号機が納入完了

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 アメリカ空軍ライフサイクル管理センター(AFLCMC)は、サウジアラビア空軍向けのF-15SA最終号機を2020年12月10日に送り出しました。操縦系統をデジタル・フライ・バイ・ワイヤとするなど、従来のF-15S(F-15E)を大幅に近代化したF-15SAは、これで2010年にサウジアラビア政府と合意した発注分が出揃いました。

  •  サウジアラビア空軍のF-15SA(Saudi Advance)は、F-15Eをベースにした従来のF-15Sを近代化し、将来にわたって一線級の能力を維持するもの。2010年にFMS(有償軍事供与)の形で契約が合意され、新規取得分84機、70機のF-15SをSA相当に改修する費用のほか、補充部品やシミュレータ、パイロットや整備士の訓練など付帯契約分を含めた総額は、約294億ドル(約3兆570億円)にものぼります。これはアメリカのFMS契約で最高額。

     F-15SAは、操縦系統が従来の油圧式からデジタル制御のフライ・バイ・ワイヤに変更されたほか、赤外線捜索追尾システム(IRST)やアクティブ走査式フェーズドアレイ・レーダー(AESA)などを使用したデジタル火器管制システムを採用。コックピット後席付近の左右に、センサーが増設されているのが識別点となります。


     また、主翼の構造を強化した上で兵装ステーションを2つ増設。コックピット計器は大型多機能ディスプレイ(MFD)となり、パイロット用ヘルメットもそれに対応したものが使用されます。

     新規生産分のF-15SA初号機が初飛行したのは、2013年2月20日のこと。引き渡しは2015年から始まりました。既存のF-15SをF-15SA相当に改修する作業は、サウジアラビアで2016年に始まっています。

     F-15SA最終号機の納入を終え、アメリカ空軍ライフサイクル管理センター(AFLCMC)でF-15SAプログラムのセキュリティ・プログラム・アシスタンス・マネージャを務めるロナルド・E・ダンラップ大佐は「F-15ストライクイーグルは、すでに優れた評判で知られる多用途戦闘機です。この実績あるプラットフォームを劇的に進化させたF-15SAは、潜在的敵対勢力に対する強力な抑止力となり、サウジアラビアとの長く重要な関係を強化するものです。私は、この重要なプログラムを推進するため何年にもわたり、ボーイング、サウジアラビアと協力してきたAFLCMCのチームを誇りに思います」とのコメントを発表しました。

     これまでにサウジアラビア空軍に納入されたF-15SAは、すでに作戦能力を獲得しており、アメリカでの「レッド・フラッグ」訓練にも参加しています。全機が出揃ったことにより、サウジアフリカ空軍の打撃力はさらに高まりました。

    <出典・引用>
    アメリカ空軍ライフサイクル管理センター ニュースリリース
    Image:USAF/Boeing

    (咲村珠樹)

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