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16年目のリベンジ レゴビルダーがMS「マラサイ」をリビルド

 ブロック玩具「レゴブロック」を用いた創作活動をしているMokoさん。世界で21人しかいない「LEGO認定ビルダー」である、三井淳平氏のアシスタントを務めている人物です。

 主にロボットをイメージした作品を制作されていますが、先日は、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ(MS)「マラサイ」のファンアートを公開しました。

  •  「LEGOでマラサイ、7ヶ月かけて遂に完成しました!全高約77cm(頭頂高60cm)のビッグスケールとなっております。」

    Zガンダムに登場するMS「マラサイ」をレゴブロックで再現。

     この日、Twitterにてマラサイの完成報告を行ったMokoさん。頭部のブレードアンテナ・右肩に取り付けた大型シールド・左肩のスパイクアーマーといったフォルムが特徴的な機体です。

     これをMokoさんは、レゴで忠実に再現しています。ガンプラと違い、一切の“正規品”がないにもかかわらず、作品は違和感を抱かせないものに仕上がっています。なお、ボディの配色は、「機動戦士Zガンダム」で登場する赤と橙のものを採用。

    名だたるパイロットが搭乗した中で、今回は「ジェリド・メサ」に汚名挽回の機会が。

     また、名だたるパイロットが搭乗したことでも有名な本機ですが、Mokoさんは「ジェリド・メサ」に“汚名挽回”の機会を与えています。

     「マラサイ本来の持つ魅力を出せるように、デザインやフォルムの大幅なアレンジは避けました。『再現性』と『外観の美しさ』に、特に重点を置いて仕上げています」

    再現性も重視したのがこだわり。

     作品のこだわりについて語るMokoさん。しかしそれは同時に、苦労した点でもあったそう。

     「今回苦労したポイントは『重量』でした。右肩のシールド部分の自重でかなりの負担がかかってしまい、制作中もフレームが歪んだりしまって大変な作業になりました。自立できないように、そして歪まないようにと、何度もフレーム部分を作り直して、そこに外装を合わせる作業には、正直心が折れそうにもなりました」

     Mokoさんはこれまでに「モビルスーツレゴ」を二度制作しています。「アッシマー」「リック・ディアス」と、いずれも「機動戦士Zガンダム」に登場するメカ。

    これまでにアッシマーとリック・ディアスをレゴで再現した投稿者。

     前作にあたるリック・ディアスは、おたくま経済新聞でも過去に紹介していますが、マラサイ同様に再現性を極限まで高めた結果、「頭頂高50cm、総重量4.5kg」という“重MS”に。

    「コメ袋を抱えているよう」と表現した前作のリック・ディアス。

     「コメ袋を抱えているような感覚ですね(笑)」と、ツーショット写真に対し、冗談めかしつつ語られていましたが、マラサイの頭頂高は、リック・ディアスを上回る60cm。全高にいたっては77cmにも達します。

     測定器の故障により、重量計測はまだ実施していないとのことですが、“ガンプラ的”にいうと30分の1スケールの作品。アッシマーを含めたスリーショット写真では、ふた回りは大きく見える様相で、少なくともリック・ディアスの4.5kgを下回ることは無いように思えます。

    アッシマー、リック・ディアスよりもさらにボリューミーなマラサイ。

     一方で、「アッシマー」「リック・ディアス」そして「マラサイ」と、「機動戦士Zガンダム」繋がりでビルディングし続けるMokoさんですが、これについては全くの偶然。

     元々は、ザクに似た外観の機体を作りたいと考えており、その中で自身にお気に入りでもある「グフカスタム」「イフリート改」が候補に挙がっていたそうです。しかし、とある「事情」により断念。次点の候補であったマラサイを制作されています。

     「パーツが揃わなかったんです。レゴは色々な形のパーツがありますが、全色取り揃っているわけではありません。『パーツが揃う』というのは、私が制作を決める上で、重要なポイントになっています」

     また、Mokoさんは2005年にも「マラサイ」のビルディングに挑戦されています。今回取材するにあたり、完成品を撮影したものもお送りいただいたのですが、こちらの作品も、「レゴでここまで出来るのか!」と思わせるもの。

    15年以上前にもマラサイを再現したことがある投稿者。今回はリベンジの要素もありました。

     しかしながら、今回7か月もの期間をかけて作り上げた本作は、「既製品と言われても納得」という声も挙がるほどの驚愕のギミック。「リベンジしたかった思いもあったんですよ」というMokoさんの願いは、16年の時を経て叶ったのではないでしょうか。

     Mokoさんはこれまでの活動で、実に様々な題材をレゴを使って表現しています。ウルトラマンや仮面ライダーといった特撮から、アニメやゲーム作品に登場するキャラクター。さらには車両や生物、はては食べ物と。

    様々な題材をレゴで表現している投稿者。

    アニメやゲーム作品のキャラをデフォルメしつつ表現。

    機関車や自動車などの車両も。

    生物や食べ物もレゴブロックで。もはやなんでもあり。

     これまで発表した作品は自身のブログ「レゴ道」にて公開していますが、今後はオリジナルも含めたロボをメインに活動していきたいとのこと。

     さらに自身の発信についてもより注力するといい、「YouTubeでの活動を強化したい」と今後の展望について語っていました。なお、またモビルスーツシリーズについても、既に第4弾が進行中とのこと。2022年の活動も注目していきます。

    <記事化協力>
    Mokoさん(Twitter:@LEGOdouMoko/Instagram:@legodoumoko)

    (向山純平)

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