見るからにおいしそうなピザのモチーフをあしらった、ハンドメイドの壁掛け時計がツイッターで大きな注目を集めています。

 目を引くのは何といっても、振り子に合わせて伸び縮みするチーズの動き。これは細くてツヤのある糸を一本一本並べることで再現しており、なんとピザの生地までも、刺繍で作られているというのだから驚き。本物そっくりの「動くピザ」に、思わずお腹が鳴ってしまいそうです。

 作品を制作したのは、刺繍画家のipnot(イプノット)さん。糸で玉を作る「フレンチノットステッチ」という技法で作る作品は、どれもまるで絵画のように写実的かつ、手作業ならではの温かみを感じるものばかり。

 「家に時計が欲しかったから」という些細なきっかけが元になった本作も、時計本体に刺繍枠や布を使用し、数字は糸で描かれているなど、自分用でありながらipnotさんの刺繍画家としてのこだわりが詰まった作品となっています。

チーズが縮んだ状態

チーズが伸びた状態

 気になるピザのモチーフは、実は2018年に制作した作品をそのまま使用したもの。もちろん、今回の時計に取り付けるために制作したわけではありませんが、まるでいずれ時計になることを予見していたかのように、振り子の動きとチーズの伸び縮みが見事にマッチしています。

 作品の出来栄えについては「時間を確認するたびにチーズが伸び伸びしていて癒やされます。仕掛け時計を見るのが好きなので、こういった遊びのある時計を作るのはとても楽しい時間でした」と、満足気なipnotさん。「制作後、眠っている過去作品も多いので、また早起きして作ろうと思います」と、次作への意気込みを語ってくれました。

 刺繍好きでピザ好きという、まさにipnotさんによるipnotさんのための作品ながら、投稿には23万件もの「いいね」が。コメント欄には「動きが楽しくてずっと見ていられる」という絶賛の声や、「リアルすぎてお腹空いてきた」と空腹を訴える声も。やはりこのピザのリアルさと、食欲をそそるチーズの動きは、深夜には見てはいけないかもしれませんね……。

<記事化協力>
ipnot イプノットさん(@ipnot)

(山口弘剛)