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当時の記憶蘇る「映画館でみた映画リスト」 一緒に行った友達の名など子ども時代の思い出が満載

 昔のカメラやメディアを数多く揃えた私設博物館「絶滅メディア博物館」。その館長である川井拓也さんがTwitterに、「10歳の頃に映画館で見た映画のリストが発掘された!」と報告。

 リストに書かれた懐かしい作品名を見た人たちから「懐かしい」などの声が寄せられています。

  •  投稿されたリストには作品名の他、製作国名や感想、付き添い(一緒に観た人)やジャンル(種類)、観に行った日なども記載されています。

     作品名の欄には「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」や「ルパン三世 カリオストロの城」、「E.T.」や「ランボー」など、名作がズラリ。

    10歳の頃に映画館で見た映画のリスト

     ちなみにSF映画とされる「ブレードランナー」のジャンルが「SF」ではなく「SE」となっているのは、新聞広告にSE(サイエンスエンターテインメント)と記載されていたためなのだとか。

    ■ 印象に残っている作品は「ブレードランナー」

     川井さんは5歳~7歳の時に「東映まんがまつり」などを観に映画館へ行っていたそう。明確に記憶に残っているのは9歳の時に観た「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」。第1作を見ていなかったので、ストーリーがよく分からなかったもののヨーダに驚いたことを覚えているとのこと。「こんな生き物よく見つけてきたな~」と思っていたといいます。

     この頃に映画館で観た映画の中で印象に残っている作品は「ブレードランナー」。当時の宣伝文句は「レプリカント軍団と戦争!」のような感じだったのに、非常に地味で暗い作品だったそう。しかし、その世界観に惹かれ、名画座で上映するたびに友達を誘って観に行っていたといいます。

    印象に残っている作品は「ブレードランナー」

    世界観に惹かれ、名画座で上映するたびに友達を誘って観に行っていた

     川井さんによると、名画座で「ブレードランナー」と組み合わせになる映画は「ファイヤーフォックス」や「マッドマックス2」が多かったとのこと。連れて行った友達は、大抵そちらの方が面白いと言っていたそう。リストには友達の名前も記載されているので、その時の記憶もよみがえってきやすいのではないでしょうか。

    「ファイヤーフォックス」

     川井さんも「一緒に行った人を記録してあるのが面白い」と語ります。リストを見つけた時は、40年ぶりに見る当時の友達の名前に「おぉっ!」と声を上げたそうです。

    ■ 映画館で1日に同じ作品を3回見ることも

     今回、発見された「映画館で見た映画のリスト」は、映画の広告スクラップ帳を押し入れから発掘した時に巻末に付いていたのだとか。当時は金曜日の夕刊に映画の広告がたくさんあり、映画館のタイムスケジュールはこの映画広告を頼りにしていたといいます。そのため毎週切り取ってスクラップしていたそう。

    映画館のタイムスケジュールはこの映画広告を頼りにしていた

     川井さんが子どもの頃はレンタルビデオもまだ無い時代。テレビで放送される映画は10年ほど前の作品ばかりだったこともあり、映画館で公開された作品を次にいつ見られるか分かりませんでした。そういった時代背景から、当時の映画館は入れ替え制ではなかったので同じ作品を1日に3回続けて見ることも。

    映画の広告

     1回目は字幕を見て物語を理解し、2回目はカメラワークや演出に注目。3回目に自由な気持ちで作品を楽しんでいたそう。座席も毎回変えて、いろいろな角度から見ていたといいます。

    ■ 違う世界を見られるのが映画の魅力

     映画を観に行く時は電車に乗って新宿まで行き、歌舞伎町の映画館を訪れることが多かったそう。映画を見終わると花園神社の近くにあった小さな映画ショップに寄るもの楽しみの1つ。「映画館で見た映画のリスト」を見返したことで、そういった映画にまつわる記憶もよみがえってきたと語ります。

     映画について、「2時間で自分の生きている世界とまったく違う世界を垣間見ることができるのが一番の魅力」と川井さん。作品を作るために自分の人生をすべて捧げている人がいると思うと、エンドロールが終わるまで席は立てないと語っていました。

    <記事化協力>
    川井拓也さん(@TakuyaKawai

    (佐藤圭亮)

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