おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

約12万円のPlayStation5Proが発表 過去のPS本体の価格変遷を振り返ってみた

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、9月11日0時よりYouTubeで配信した「PlayStation5テクニカルプレゼンテーション」内で、アップグレードモデルとなる「PlayStation5Pro」を正式発表。あわせて2024年11月7日発売で、価格は11万9980円であることが明らかとなりました。

  •  ゲーム機が10万円の大台を突破したことで、ネットは一時騒然としましたが、プレイステーションといえば、やはり常に時代の最先端技術を取り入れ、リリース時は毎回高額となるイメージ。そこで今回は、過去のプレイステーション本体の価格変遷を振り返ってみることにしました。

    ■ 初代プレイステーションは3万9800円

     1994年12月3日に発売された、初代プレイステーション(SCPH-1000)。ソフトはカートリッジではなく大容量かつ低価格のCD-ROMを採用し、メモリーカードでセーブデータの持ち出しが自由になるなど、業界に革命を起こす新しい試みが多数盛り込まれていました。

     リリース当初の価格は3万9800円。先行して発売されていたセガサターンの価格、4万4800円を意識しての設定でしょうが、大きな分岐点となった「ファイナルファンタジー7」が発売される1997年頃には、1万9800円まで値下がりしており、ゲーム機の覇権を握ることに。

     2000年7月に発売された小型版の「PSone」は、最終的に9980円まで値下げされたことで、リリース時の約4分の1の価格までダウン。発売時こそ高価なイメージがありましたが、人気ソフトの発売を見越して価格改定を行ったのは最適なタイミングだったと言えそうです。

    ■ プレイステーション2は3万9800円

     2000年3月4日に、満を持して発売されたプレイステーション2(SCPH-10000)。DVD-ROMに対応したことで、DVDプレーヤーとしても活躍し、なおかつプレイステーションのソフトも遊べてしまうという、ゲームファンのさまざまな要望が漆黒の本体に詰まっていました。

     リリース時の価格は3万9800円。先行したセガの「ドリームキャスト」や、後発の「ニンテンドーゲームキューブ」よりも高額でしたが、当時のDVDプレーヤーが7~8万円程度であったことを考えると、”お得感”が大きく、なおかつ「ファイナルファンタジー10」「ドラゴンクエスト8」といった魅力的なゲームソフトの発売も後押しし、一気に販売台数を伸ばすことになります。

     価格も本体型番の更新と共に徐々に下がっていき、最終的には1万9800円、後発の薄型モデルは1万6000円まで値下がりしました。全世界累計販売台数1億5500万台は、最も売れたゲーム機本体の記録として未だに破られていません。

    ■ プレイステーション3は5万9800円(60GB)と4万9980円(20GB)

     2006年11月11日に発売されたプレイステーション3。HDD容量60GB(CECHA)と20GB(CECHB)の2モデルが発売され、価格は5万9800円(正式にはオープン価格)、4万9980円でした。

     初期モデルにはPS2用ソフトの互換性が搭載されており、なおかつBlu-rayディスクにも対応。強気の価格設定にも納得が行きますが、部品の供給不足から品切れが続出。「欲しくても買えない」状況がしばらく続きました。

     2006年末頃から次第に供給不足は解消され、2008年10月にはHDD容量と80GB増やしつつ、価格を3万9980円に抑えたモデル(CECHL)も登場。2009年9月には薄型モデルが発売され、価格は2万9980円と大幅なコストダウンに成功し、2012年10月4には2万4980円まで価格を抑えました。

    ■ プレイステーション4は3万9980円

     米国とカナダで2013年11月15日に、日本では2014年2月22日に発売されたプレイステーション4。価格はPS3と比較しても安価な3万9980円でリリースされ、2016年9月には薄型・軽量化を実現した新モデル(CUH-2000)が2万9980円で登場しています。

     一方、2016年11月10日にはハイエンドモデルとなるPlayStation 4 Proが4万4980円で登場し、ハードスペックがフルHDから4K仕様に強化されるなど、ゲーム機として、BDプレーヤーとして更に進化。2018年10月には3万9980円と、初期のPS4と同等の価格まで値下がりしました。

    ■ プレイステーション5は通常版が4万9980円、デジタル・エディションが3万9980円

     最新モデルとなるプレイステーション5は2020年11月12日発売。ディスクドライブを搭載した通常モデルが4万9980円、ディスクドライブ非搭載でダウンロード販売のみに対応するデジタル・エディションが3万9980円でリリースされました。

     PS4の数倍のスペックを誇り、ロード時間も短縮されるなど、申し分のない性能を有しますが、新型コロナウイルスの蔓延によってまたも供給不足に。多くの販売店が抽選販売を行っていたことは記憶に新しいところです。

     その後、次第に供給は回復してきたものの、2022年ごろからの円安傾向によって、今度は価格を維持することが困難に。段階的に価格が上昇し、2024年9月2日から通常版を7万9980円(税込)に、デジタル・エディションを7万2980円(税込)に値上げすることが発表され、話題になりました。

    ■ 販売価格発表でどうなるPlayStation5Pro

     最後にまとめると、

    初代:3万9800円→9980円
    PS2:3万9800円→1万6000円
    PS3:5万9800円→2万4980円
    PS4:3万9980円→2万9980円
    PS4Pro:4万4980円→3万9980円
    PS5:4万9980円→7万9980円(税込)

     という価格変遷をたどってきたことがわかりました。

     今回発表された、PlayStation5Proにおいても、円安の煽りを大きく受けた形でのやむを得ない価格設定であることは理解したいところ。しかしながら、いち消費者目線として、約12万円という価格はとても気軽に出せる金額でないことは明らかでしょう。

     一方、世界市場で見ると、プレイステーション5の販売台数が4000万台を突破するなど、堅調を維持していますが、果たしてPlayStation5Proの動向やいかに。

    ※初出時、本体価格に一部誤りがございました。訂正してお詫びいたします。なお、価格の後ろに(税込)の表記がないものは全て税別の価格となります。

    <参考・引用>
    プレイステーション公式(@PlayStation_jp)
    ※掲載画像はプレイステーション公式Xアカウントのスクリーンショットです

    (山口弘剛)

    あわせて読みたい関連記事
  • PS・PS2の名作ソフトが手のひらサイズに 再現度の高さに驚愕
    ゲーム, ニュース・話題

    PS・PS2の名作ソフトが手のひらサイズに 再現度の高さに驚愕

  • 雑誌「smart」付録に初代プレステ型ポーチ 裏面やカードスロット部分も再現
    ゲーム, ホビー・グッズ, 社会・物議

    雑誌「smart」付録に初代プレステ型ポーチ 裏面やカードスロット部分も再現

  • プレステファン必見のめじるしアクセサリー発売 300円とは思えぬ完成度に驚愕
    ゲーム, コラム・レビュー・取材

    プレステファン必見のめじるしアクセサリー発売 300円とは思えぬ完成度に驚愕

  • ゲーセンでゲッチュ!「サルゲッチュ」のピポサルがアミューズメント景品に
    ゲーム, ホビー・グッズ

    ゲーセンでゲッチュ!「サルゲッチュ」のピポサルがアミューズメント景品に

  • 初代PlayStationグッズが発売されるぞ!ケースは“ザラザラ質感”まで再現
    ゲーム, ホビー・グッズ

    初代PlayStationグッズが発売されるぞ!ケースは“ザラザラ質感”まで再現…

  • プレイステーション5Pro特別モデルの予約応募受付開始 転売対策に称賛の声
    ゲーム, ニュース・話題

    プレイステーション5Pro特別モデルの予約応募受付開始 転売対策に称賛の声

  • プレステVSサターンが令和に再び激突 「次世代ゲーム機戦争(物理)」勃発
    ゲーム, ニュース・話題

    プレステVSサターンが令和に再び激突 「次世代ゲーム機戦争(物理)」勃発

  • 令和でもゲッチュ!「サルゲッチュ」の新グッズがTGS2024で先行発売
    ゲーム, ホビー・グッズ

    令和でもゲッチュ!「サルゲッチュ」の新グッズがTGS2024で先行発売

  • 待望のエルデンリングDLC「Shadow of the Erdtree」が6月21日発売決定
    ゲーム, ニュース・話題

    待望のエルデンリングDLC「Shadow of the Erdtree」が6月2…

  • あなたは知ってた?プレイステーション2本体のPSロゴに搭載されたギミック
    ゲーム, ニュース・話題

    あなたは知ってた?プレイステーション2本体のPSロゴに搭載されたギミック

  • 山口 弘剛‌Writer

    記事一覧

    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 「ザ・ファブル」初のゲーム化 独自の“マンガ構築バトル”を採用
    ゲーム, ニュース・話題

    「ザ・ファブル」初のゲーム化 独自の“マンガ構築バトル”を採用

  • 味ぽん公式紹介の「味ぽんチーズ肉巻き」が背徳のうまさ! 実際に作ってみた
    グルメ, 作ってみた

    味ぽん公式紹介の「味ぽんチーズ肉巻き」が背徳のうまさ!? 実際に作ってみた

  • 「私はロボットではありません」に偽装しウイルス感染 警視庁が注意呼びかけ
    インターネット, 感動・ほのぼの

    「私はロボットではありません」に偽装しウイルス感染 警視庁が注意呼びかけ

  • ゲームのバグ?すり抜け?壁に「埋まっている」ように見えるワンちゃん
    インターネット, おもしろ

    ゲームのバグ?すり抜け?壁に「埋まっている」ように見えるワンちゃん

  • マクドナルド、次回ハッピーセットは「対面販売のみ」 「個数制限」で転売対策もネット上では厳しい声
    インターネット, 社会・物議

    マクドナルド、次回ハッピーセットは「対面販売のみ」 「個数制限」で転売対策もネッ…

  • ポケモン公式Xで「逆転」現象 「メガカラマネロ」登場の匂わせ?
    ゲーム, ニュース・話題

    ポケモン公式Xで「逆転」現象 「メガカラマネロ」登場の匂わせ?

  • トピックス

    1. 平原を見渡す

      異世界ですか?いいえ日本です!とあるパーティーの“冒険の軌跡”

      ときに日常を離れ、剣と魔法の世界を冒険したい――そんな夢を日本国内で体験する人がいます。Xユーザー「…
    2. 味ぽん公式紹介の「味ぽんチーズ肉巻き」が背徳のうまさ! 実際に作ってみた

      味ぽん公式紹介の「味ぽんチーズ肉巻き」が背徳のうまさ!? 実際に作ってみた

      ミツカンの人気商品「味ぽん」の公式アカウントがXで紹介したレシピ「味ぽんチーズ肉巻き」に6万件を超え…
    3. 「私はロボットではありません」に偽装しウイルス感染 警視庁が注意呼びかけ

      「私はロボットではありません」に偽装しウイルス感染 警視庁が注意呼びかけ

      よく目にする「私はロボットではありません」という確認画面は、Googleの「reCAPTCHA」によ…

    編集部おすすめ

    1. ゲームのバグ?すり抜け?壁に「埋まっている」ように見えるワンちゃん

      ゲームのバグ?すり抜け?壁に「埋まっている」ように見えるワンちゃん

      「ココちゃんは壁をすり抜けます」という一言と共にXに投稿された一枚の写真。写っているのは、まるでゲームのバグで壁に埋まってしまったかのような…
    2. 当時、イベント関係企業のSNSに投稿された告知画像

      “マジックミラー号”展示などで波紋 中野駅前大盆踊り大会が謝罪声明

      中野駅前大盆踊り大会の実行委員会は9月9日までに公式サイトを更新し、前夜祭での演出をめぐり区民や行政から批判を受けた件について声明を発表した…
    3. ポケモン公式Xで「逆転」現象 「メガカラマネロ」登場の匂わせ?

      ポケモン公式Xで「逆転」現象 「メガカラマネロ」登場の匂わせ?

      ポケモンシリーズの最新情報を伝える公式Xアカウント「ポケモン情報局」に何やら不穏な動きが。プロフィールや投稿がすべて逆さまに「逆転」する現象…
    4. 鬼滅の刃マンチョコ<無限城編>

      ロッテ、「鬼滅の刃マンチョコ<無限城編>」を10月21日発売 シリーズ第5弾

      アニメ「鬼滅の刃」とロッテの人気菓子「ビックリマン」が再びタッグを組む。株式会社ロッテは、絶賛公開中の「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 …
    5. タカラトミー「グランドモールトミカビル」を自主回収 子どもの指挟み事故発生で

      タカラトミー「グランドモールトミカビル」を自主回収 子どもの指挟み事故発生で

      株式会社タカラトミーは9月8日、7月19日に発売した玩具「グランドモールトミカビル(トミカ55周年記念特別仕様)」について、子どもの指を挟む…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト