日本軽種馬協会(JBBA)が5月1日に、公式サイトおよび公式X(旧:Twitter)を更新。国内での馬インフルエンザの発生に伴い、終息までは牧場見学を自粛するよう、呼び掛けを行いました。
馬インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで発症する、強い感染力をもつ急性の呼吸器感染症。過去には輸入馬が感染源となって大流行し、競馬開催の中止を余儀なくされるなど、馬産業全体に深刻な影響を及ぼした事例もあります。
今回、国内で馬インフルエンザの感染が確認されたのは、2025年4月8日。熊本県内にある重種馬を飼養する3つの農場で発生し、県では現在、感染馬の隔離措置や、飼養馬の移動自粛、ワクチン接種の指導、施設の消毒といった感染拡大防止策がとられています。
さらに、4月25日と28日には、地理的に離れた北海道でも新たな感染例が確認されました。馬インフルエンザは人に感染することはありませんが、ウイルスが手指や靴底、衣類などに付着することで、間接的に広がる可能性があるとされています。そのため、見学者による牧場への立ち入りがリスクとなることから、今回の呼びかけが行われました。
特に今頃の時期は、馬の生産地にとって出産シーズンにあたる大切な時期です。免疫をもたない子馬が感染すれば、命に関わる深刻な事態になりかねません。近年では、ゲームやアニメの影響もあって牧場見学の人気が高まっていますが、感染拡大を防ぐためには、関係者だけでなく、来訪者一人ひとりの協力が欠かせません。
牧場の風景を安心して楽しめる日が一日も早く戻るように、私たちにできる小さな思いやりが、その第一歩となります。
【重要】馬インフルエンザ発生に伴う牧場見学自粛のお願い
GW期間中ですが、競馬ファンの皆様ご理解ご協力お願いいたします。… pic.twitter.com/n293yHB682— JBBA stallions (@jbba_stallions) May 1, 2025
<参考・引用>
JBBA stallions(@jbba_stallions)
公益社団法人日本軽種馬協会公式HP「国内における馬インフルエンザの発生」
(山口弘剛)