2025年5月2日午前、「Xブロックチェック」というワードが「Yahoo!リアルタイム検索」のトレンド上位に浮上しました。
一見すると、「自分のX(旧Twitter)アカウントが何人にブロックされているかを確認できる」というサービスのようです。しかし、調べてみたところ、アカウントの乗っ取りを目論む悪質なサイトである可能性が極めて高いことがわかりました。
■ 疑わしい投稿と怪しすぎる認証画面
X上で「Xブロックチェック」と検索すると、次のような文言を含むポストが多数ヒットします。
「思ってたよりブロックされてた
あなたは 138人からブロックされています。
現実を受け入れましょう。
Xブロックチェック」
この文とともにリンクが貼られており、クリックすると出てくるのはアプリ連携の認証を求める画面。この画面では普通ならば、連携先の運営元情報が多少なりと書かれているのですが、そうした情報は見当たりません。
さらに、連携すると「このアカウントでXプロフィール情報とアカウントの設定を確認する」「他のアカウントをフォロー、フォロー解除する」など、極めて広範な権限を求めています。この時点で、十分に怪しさ満点です。
そして「連携アプリを認証」のボタンを押してみると……なにもない画面に遷移して終わりました。ブロックしているアカウントの数など出る気配もありません。
■ 正規サービスの終了と偽サービスの横行
かつてX(旧Twitter)には、APIを使って「被ブロック数」を擬似的に可視化する正規のサードパーティサービスが存在していました。しかし、2024年秋以降、X社がAPI利用料を大幅に値上げしたことで、それらの多くが終了・撤退しています。
にもかかわらず依然として「被ブロック数を確認できる」と謳っているサービスが存在しているというのは、それだけでもかなり怪しいものがあります。大手企業のサービスならまだしも、「どこの誰が運営しているのか分からないもの」であれば、ほぼ確実に「悪質なもの」と考えるべきでしょう。
実際、X上では「連携認証することでアカウントが乗っ取られる可能性がある」と指摘の声が多く、さらに「乗っ取られて知らない間に宣伝ポストしてた」という被害者の声も見つけることができました。
■ アフィリエイト目的の大量投稿と被害の実態
さらにこのサービスの「悪質さ」は、紹介しているアカウントからも透けて見えてきます。
本記事の冒頭に記載した「思ってたよりブロックされてた あなたは 138人からブロックされています。現実を受け入れましょう。Xブロックチェック」という文章をそのままコピペして、Xで検索をかけると、一言一句違わぬ文章が無数に出てきました。(※本記事執筆後の5月2日12時半ごろに一斉に削除された模様です)
それらの文章を投稿しているアカウントをのぞくと、アフィリエイトや懸賞を目的としたものばかりで、「被ブロック数を確認したい」以上の意図があるように見えてしまいます。
サービスの内容も、投稿で紹介しているユーザーも怪しい要素しかないので、興味が湧いても絶対に認証しないようにしましょう。
■ 対処法:認証してしまった場合の解除手順
もし誤ってこのサービスと連携してしまった場合は、速やかにアプリの許可を取り消す必要があります。下記の手順で解除ができるので、試してみてください。
【PC/スマホ】
「設定とプライバシー」→「セキュリティとアカウントアクセス」→「アプリとセッション」→「連携しているアプリ」と進めていくと、「Xブロックチェック」というアプリ名が現れるので、それをクリックして「アプリの許可を取り消す」を選択。
以上の手順で解除することができます。なお、解除した後には念のためパスワードも変更しておくことをおすすめします。
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「自分がどれだけの人にブロックされているか」が気になる気持ちはわかりますが、仮に本当に知ることができたところで、解除させることもできないので、どうしようもありません。
ただ傷つくだけなら、そんな数など知らずに生きていく方が、ずっと幸せだと思います。
(文:ヨシクラミク)