毎度ジャンルをあまり考えず割とどうでもいいお話をおとどけしております「無所可用、安所困苦哉」でございます。今回はちょっとグルメネタでも行ってみようかというところでございます。
というわけで今回のお話は「炭酸水」です。
コーラやサイダーではありませんで、炭酸は入っているけど甘味はついていない……本当の炭酸水です。
炭酸水は、焼酎やウィスキーを割ってハイボールにしたりチューハイにしたりという場面ではよくご覧になるかと思います。ですがワタシは「炭酸水をそのまま飲む」のがお気に入りであり、日本ではもうひとつメジャーになれない「炭酸水」を紹介してみようというところです。
さて、炭酸水にハマるきっかけはヨーロッパの老舗・フランスのペリエ(https://perrier.jp/product/index.html)でした。
たしかどこかのお店でわいわいやっているときに、ノンアルコールで甘くなくてお茶でなく水でない飲み物、ということで頼んだものでした。なんとなく飲んだペリエは、味らしい味はありませんが、「これはおいしい」と感じるものでした。元々、炭酸飲料一般は好きでしたが、これはこれでアリ、と思ったのです。
実は、ヨーロッパのナチュラルウォーターには、炭酸が含まれているものが多くあります。イタリアのサンペレグリノ(https://sanpellegrino.jp/products/sp/index.html)もその一例です。
しかし、これらの天然発泡系には、ひとつネックがありました。
「日本で買うと高い」のです。
ペリエ330ml缶が250円、サンペレグリノは500ml瓶450円とかしていました。ビール並みです。たまにレストランで、ならともかく、普段から飲むには高いです。またそもそもあまり売っておらず、輸入品を多く扱う明治屋や元町UNIONのような高級スーパーへ行かないと入手できないという難もありました。サンペレグリノは重いビンしかなく(これもポリシーのようですが)、遠い高級スーパーから重い炭酸水を運んだものです。
一方、天然発泡でない、水に加工して作られた国産の「炭酸水」は、輸入品のような値段はしませんでした。しかしアルコールを割ることをメインに考えられていて、昔ながらの瓶入りが中心で、よくてもキャップ式のガラス瓶でした。売っている場所も酒屋ばかりで、わざわざ買いに行くのも面倒でした。どうしても飲みたい、というとき以外は買いませんでした。
その頃、鉄道系友人に、炭酸水好きが増えてきました。彼らはヨーロッパの鉄道にハマり、ヨーロッパに旅行をして、現地では普通の炭酸入り(ガス入り)ウォーターを飲んで、ハマって帰ってきたのです。かく言うワタシも、ヨーロッパ旅行ではガス入りをしょっちゅう飲んでいましたが。
しかし炭酸水を買うにはビールと同じくらいの費用及び手間がかかり、炭酸水好き(内輪ではこれを「ガス中毒」と呼んでいました)にとっては厳しい時期でした。
その後、国産の炭酸水が次第にペットボトルに移行してきます。カナダドライ・クラブソーダやウィルキンソン・タンサンがペットボトルになり、心持ち身近になりましたが、依然取り扱い店舗は少なく、見つけたら数本まとめ買いしたりしておりました。
やがて、どこかで、天然発泡水が美容だかダイエットだかにいいらしい、というハナシが聞こえてきました。
このときに、あらたなるヨーロッパの天然発泡水が、次々にコンビニで扱われるようになりました。
ブームを生き残って今でもよく見るのは、ドイツのゲロルシュタイナーとロスバッハー・パワースパークリングでしょうか。どちらも水分補給という感じで売っているようで、食事のときの飲み物というイメージのペリエ、サンペレグリノとの路線の違いからか、ペットボトルでの展開になっています。ちなみに今はサンペレグリノもペットボトルが出ていますが、ペリエは缶と瓶しかないようです。
ヨーロッパの天然発泡水は、泡がきめ細かく、口当たりもやさしく、炭酸のピリピリ感は弱いです。普通のミネラルウォーターをより「味」があり、水では何か違う……という場合にはちょうど良いです。初めて無味の炭酸水を飲むのであれば、何かの料理と一緒に、ヨーロッパの天然発泡水を飲まれることをおすすめします。炭酸水は普通の水よりも口の中がすっきりするので、料理のお供に向いていると思います。しかしきめ細かいということは炭酸が弱いということでもあり、炭酸の強いものがいい場合にはクラブソーダ系のほうがおすすめです。
さてこんな炭酸水の世界に、突如「500mlペットボトル88円」という革命児が現れました。それはセブンイレブンのプライベートブランドの炭酸水。単独での飲用も想定内なのかレモン風味もあり、値段・入手のしやすさの両面で飛びぬけています。ゲロルシュタイナーは150円台ですので、半額に近いです。炭酸の強さも申し分なく、チアキも満足するのではないでしょうか。
■ライター紹介
【エドガー】
鉄道、萩尾望都作品、ポール・スミス、爬虫類から長門有希と興味あるものはどこまでも探求し、脳みその無駄遣いを楽しむ一市民。そのやたら数だけは豊富な脳みその無駄遣いの成果をご披露させていただきます。