
「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置付けられ、2025年3月にまちびらきを迎えた都心最大級の新たな街「TAKANAWA GATEWAY CITY」。この街の独自アプリ・TAKANAWA GATEWAY CITYアプリの注文・決済機能をモバイルオーダーシステム・NEW PORTが担当し、自律配送ロボットと連携をしたロボットデリバリーサービスを運営しています。街における次世代のお買い物・お食事体験を実現するシステムを共同開発した東日本旅客鉄道株式会社(以下JR東日本)のご担当者に、JR東日本が目指すまちづくりやロボットデリバリーの展望をうかがいました。
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宮崎 勝也様(東日本旅客鉄道株式会社マーケティング本部まちづくり部門品川ユニット 副長)
進行:大久保 瑛司(スカイファーム株式会社)
執筆:大武 和生(スカイファーム株式会社)
国内最大規模のまちづくりプロジェクト
大久保:
TAKANAWA GATEWAY CITYのまちづくりについて、全体像を教えてください。
宮崎様(以下敬称略):
TAKANAWA GATEWAY CITYは、当社が品川車両基地跡地にて手がけている、駅と街が一体となった都心最大級の街です。この土地自体が、150年以上前に日本で初めて鉄道が海の上を走った、いわゆるイノベーションの地でもあるんですね。その記憶を受け継いで街全体を「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけ、新しいビジネスや文化を生み出し続ける国際交流拠点の実現を目指しています。
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3月27日にTHE LINKPILLAR 1の一部が先行開業および高輪ゲートウェイ駅が全面開業(JR東日本提供)
大久保:
宮崎さんの本プロジェクトにおける担当領域は何になりますか?
宮崎:
この街の象徴となるような先進的な取組みを考え・実装することが私の仕事で、さらにその中でも、主にロボットを使った取組みを計画・運用するのが私の仕事になります。
大久保:
元々ロボットやモビリティの業界には関心があったんですか?
宮崎:
私自身駅員や車掌、運転士をやっていましたし、その経験に加えITを活用したサービス企画にも元々興味がありました。図らずも今回のプロジェクトでそれらの経験や興味が組み合わさったような仕事ができているのは、ある意味幸運だなと。
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JR東日本 宮崎様
大久保:
TAKANAWA GATEWAY CITYでは、まさに「モビリティ」そして「ロボットプラットフォーム」が重点項目に据えられています。
宮崎:
モビリティという分野において、ドライバー不足や地方の交通網の衰退といった社会課題は多くあり、鉄道をはじめとしたモビリティを生業とする会社として、そういった課題を解決する立場にあると思っています。
当社や、また最近は色々なスタートアップも新しいサービスを出している中で、最先端の取組みを行える高輪の街で我々ができる解決策を見出していきたいという思いで重点項目に置いています。
大久保:
TAKANAWA GATEWAY CITYでは、「都市OS」というキーワードもよく耳にします。
宮崎:
我々が都市OS(TAKANAWA GATEAWAY URBAN OS)と呼んでいるのは、いわば街一体のデータ保管庫です。街や鉄道を運行することによって得られるデータ、例えば自動改札機の入出情報や防犯カメラの映像から分析した人流データや気象センサーなどの街から生み出されるデータを1つの場所に集約する。そこから必要な人が必要なデータを選び取り、自分たちのサービスを高度化させるという世界観の中心になっているものです。
例えば、ロボットにおいてはどう活用するかというと、防犯カメラの画像を分析して得られた人流データをロボットプラットフォーム側で受け取ることで、複数ある配送ルートのうち最も人通りの少ないルートを自動的に選択して走行することができるようになったりします。
大久保:
今まで個別で散らばっていたデータ同士を組み合わせることで、新しい機能や顧客体験を提供できるようになるんですね。
人手不足を補うロボットデリバリー
大久保:
今回ご一緒させていただいているロボットデリバリーサービスについて、概要や実施に至った背景をお聞きしたいです。
宮崎:
先ほど申し上げた「人手不足」や「仕事の効率化」という社会課題を解決する手段の1つがロボットの活用だと思っています。そもそもこの街ができる何年も前から、当社ではロボットを使った実証実験を繰り返しやっていて、我々としてもロボットを使ったサービスをこの街で実現したいという思いがずっとありました。
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その中でロボットデリバリーというサービスが構想の1つとして上がってきたところで出会ったのがスカイファームさんでしたね。
人の代わりにロボットがお客さまの手元まで商品をデリバリーする。そんなサービスをこの街のオフィスや、広場、今後オープンするレジデンスに開放して、注文したら場所を選ばず届けてくれる便利な体験を構築したいと思っています。
大久保:
ロボットデリバリーはまさしく「人手不足」の解決の糸口となる取り組みだと思います。その他に「ならでは」の魅力はありますか?
宮崎:
一般的な配送員によるデリバリーサービスでは、セキュリティが強固なオフィスやレジデンスには都度入館申請をしないと入れませんし、もしくは申請がNGになるケースもあります。
ロボットであれば、街のエレベーターやセキュリティゲートとシステム上で連携しておくことでどこでも自由に出入りできますし、ロボットが安全に走行できる環境をはじめから整備しておくことで、この街の人たちも忌避感なく順応できます。物理的にも感情的にも制限されることのない点が大きな特徴ですね。
大久保:
お客さま目線でも、ご自身のスマホで注文した商品をロボットが届けてくれるのは新鮮であり面白い体験ですよね。
宮崎:
そうですね。さらに言うと、入居企業やLiSH※の会員が実際にこのサービスを使ってみて、「自分たちもこの街で何か実証実験してみよう」と奮起していただくための宣伝部長的な役割も担えるのではと期待しています。
※LiSH(TAKANAWA GATEWAY Link Scholarsʼ Hub):100社以上のスタートアップをサポートする制度・施設を揃え、 広域スタートアップエコシステムの拠点を目指すTAKANAWA GATEWAY CITY内の施設。
LiSH公式ホームページはこちら
人とロボットが共生した街へ
大久保:
ご一緒させていただいているロボットデリバリーサービスでは、注文・決済部分を当社のモバイルオーダーシステム・NEW PORTが担当させていただいていますが、ずばり、NEW PORTをお選びいただいた理由はなんでしょうか?
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ロボットデリバリー利用フロー
宮崎:
一般的なデリバリーサービスは、お店対個人の側面が強い印象で、配送員もギグワーカーや店舗スタッフであることが多いですよね。高輪の街のような、オフィスやレジデンスといった建物、ひいては街単位でサービスを実装するとなった際には、施設特化型システムとして独自の機能を有しているNEW PORTが思想としても近しかったことが1つです。
また、お会いした御社の方々の仕事に対する姿勢や熱意に触れて一緒にやりたいと思いました。度々無理を言うこともありましたが、一緒にここまでやってこられたのは人という部分も大きかったです。
大久保:
そう言っていただけるだけで幸せです。
今回、TAKANAWA GATEWAY CITY専用の注文・決済システム環境を共同開発させていただきました。その中で、注文量に応じて時間枠ごとの混雑状況を可視化する「キャパシティプランニング」や、各ロボットや配送員の自動差配といった、NEW PORTではこれまでにない機能も多く実装しています。新しいシステムやサービスを設計していく上で重視されたことはありますか?
宮崎:
「ロボットデリバリー」と言いつつ、全てをロボットでやり切るのではなく、人間とどう棲み分けをして、相互に連携するかがポイントだと思っています。人間の役割とロボットの役割をシステム上でも整理し、実際の現場でもうまく連携できる仕組みにすることにこだわりました。
というのも、この街におけるロボットの取組みを説明する際には「人とロボットの共生」というフレーズをよく使っています。このデリバリーサービスはそれをまさに体現するものだと思っていて、ロボットと人が手を取り合って仕事をしている。かつ人の労力も間違いなく削減されている、そんなサービスを目指しています。
大久保:
ロボットデリバリーの第一弾として、4月から期間限定で開催したマルシェイベント・Gateway Park Marketで、そのサービスが一般にもお披露目となりました。駅前の広場をロボットが行き来している様子は私としても印象的でしたが、お客さまの反応はいかがでしたか。
宮崎:
今回採用したDeliRo(ROBO-HI株式会社開発の自律配送ロボット)の親しみやすい見た目の効果も多分にありますが、待機位置に停まっているだけでも人が集まってきて写真撮影をしており、営業のない日には「今日はやっていないのか」とお問い合わせをいただくほど評判の良いサービスになっていると思います。
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一部商品に販売対象を限定していたものの多くのお客さまにご利用いただきましたし、オペレーション側の課題もクリアになりまして、効果検証としても充実したマルシェイベントでした。次は当初から構想していたオフィスへのロボットデリバリーに移行していくのですが、商品のバリエーションも、お届け先も増える中で、どういった反応が待っているのか楽しみ半分・不安半分です。
大久保:
当社としては、お客さまにとっても使いやすく、同時に運営側にとっても使いやすいシステムにしていかねばならないと思っています。
ロボットデリバリーというと、まだどうしても運営上の懸念を感じられる方も多いのですが、決してただ手間が増えるものではなく、従来の課題を解決しながら事業者の売上拡大にも貢献できるソリューションになることを、システムベンダーとしてミッションとするところです。
ロボットフレンドリーな街を全国に
大久保:
TAKANAWA GATEWAY CITYでは、一般のお客さまはもちろん、この街のオフィスワーカーやレジデンスの住民など、あらゆる街の生活者が利用できるロボットデリバリーサービスを構想していますが、このサービスを通じてお客さまにはどういった体験価値を提供していきたいと考えていますか?
宮崎:
この街で生活する上で当たり前にある、インフラの1つだと思っていただけるようにしたいです。今は飲食店の料理を運ぶことに焦点を絞っていますが、ゆくゆくはアパレルグッズや日用品など、ありとあらゆるものを配送できるようにすることで、物流インフラのような役割も担えるんじゃないかと思っています。
注文から配送まで、NEW PORTとロボットがシームレスに繋がり誰もがお楽しみいただける、普遍的かつ先進的なサービスにしていくことが直近の夢ですね。
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大久保:
ロボットデリバリーの認知度が少しずつ高まっている中で、当社にもデベロッパー様や自治体様からお問い合わせいただくケースが増えてきています。先行事例として取り組まれた中で、こういったサービスの導入を検討している方へメッセージがあればうかがいたいです。
宮崎:
ロボットデリバリーは街の関係者全員で作り上げるサービスだと思っています。先ほどお話した、エレベーターやセキュリティゲートとの連携もビル管理側の協力あってのことですし、施工会社や御社のようなシステムベンダーなど、様々な関係者と共に作っていくサービスであることを念頭に置いて進行していただくことが大切になってきます。
さらには、街全体の共通認識としてロボットデリバリーを推進していける環境づくりこそが、我々の役割であると思います。
大久保:
よーいどんで始めようとすると、おそらく「私たちではできません」という判断になるんですよね。コンセプトや思想が基盤にないと越えられないことはまだまだあるんだろうと正直思いますが、1年後には、高輪を参考にしたらどの街どの施設でもできると自信を持って言えるサービスを作っていきたいですよね。
宮崎:
我々もやる以上、当然収支もある程度は意識しなければならず、定性的なサービス価値から、ビジネスとしてどう駆動するかまで全てひっくるめて実証の場となっています。まだ始まったばかりですので、ここからさらに良いものを作っていきましょうね。
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◼︎NEW PORTとは
NEW PORTはデリバリー、テイクアウト、テーブルオーダー、OMOを備えた施設特化型モバイルオーダーシステムです。独自スクラッチ開発を要せずスピーディー且つフレキシブルに施設独自のサービスの展開を実現いたします。
◼︎本件及びNEW PORTに関するお問合せは下記までご連絡ください
E-Mail:marketing@sky-farm.co.jp
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