アメリカ海軍は2020年7月12日、サンディエゴで係留中の強襲揚陸艦ボノム・リシャールで現地時間8時30分ごろ火災が発生したと発表しました。火災発生当時160名いた乗組員に行方不明者はおらず、21名が病院に搬送されましたが命には別条ないとのこと。現地時間19時現在で火災は鎮火しておらず、火元は分かっていません。

 強襲揚陸艦ボノム・リシャールは、2018年から母港サンディエゴで定期的なメンテナンス作業が続けられています。火災の一報があり、艦内の消防隊とサンディエゴ海軍基地の消防隊が、艦内と岸壁、そして海上から消火作業にあたりました。


 13時ごろ、消火作業用のスペースを確保する目的で、定期整備のため係留されていた駆逐艦フィッツジェラルドが岸壁を離れて沖合に移動。その約30分後には、さらに駆逐艦ラッセルも沖合に移動しています。


 その後、サンディエゴ消防局も基地に到着し、ボノム・リシャールの消火作業に加わりました。消防局のロブ・ボンデュラント氏は「現在サンディエゴ消防局からは2チームが出動し、消火活動をしています。海軍の消防隊と持ち場を交代しながら、岸壁と艦内で火災を発見しては消火することを繰り返しています。同様に海軍南西地区のタグボートも海上から消火活動をしています」と状況を語っています。


 強襲揚陸艦ボノム・リシャールは1000人以上の乗組員がいますが、現地時間8時30分ごろの火災発生当時、艦内には160名がいたとのこと。19時現在で海軍側で17名、民間人4名が地元の病院に搬送されましたが、全員軽傷で命に別状ないとのこと。また、行方が分からなくなっている人はいないそうです。

 アメリカ東部時間の12日19時12分、アメリカ海軍の制服組トップ(CNO)、マイケル・ギルデイ大将は「本日、サンディエゴ港のボノム・リシャールで火災が発生するという痛ましい出来事がありました。現時点で17名の海軍将兵と4名の民間人が病院に運ばれ治療を受けていますが、命に別状はありません。行方が分からなくなっている乗組員はいません。地元サンディエゴ、サンディエゴ海軍基地、ボノム・リシャール消防隊の素早い対応に感謝しています。私たちの想いはボノム・リシャール乗組員とその家族、そして消防関係者とともにあります。無事の鎮火を祈っています(Godspeed)」との声明を発表しました。

 現地時間12日19時現在、強襲揚陸艦ボノム・リシャールでの火災は鎮火しておらず、火元の特定にも至っていないとのことです。ボノム・リシャールが所属する太平洋艦隊水上艦部隊では、火災の最新情報を特設ページで更新し続けています。

<出典・引用>
アメリカ太平洋艦隊 ニュースリリース
アメリカ海軍作戦部長 ステートメント
Image:U.S.Navy

(咲村珠樹)