ビジネスマンにとってスーツスタイルに欠かせないアイテムであるビジネスシャツ(ワイシャツ)。気持ちを新たにするため、仕事始めのタイミングと共にシャツを新調する、という方も多いのではないでしょうか。
ところが意外にも奥が深いのがビジネスシャツ。同じように見えて、実は襟型によって着用シーンが異なり、相手に与えるイメージが大きく変わることをご存じでしょうか。そこで元アパレルショップ店長の経験を持つ筆者が、ビジネスシャツの代表的な襟型と適切な着用シーンをご紹介します。あなたのビジネスシャツ選びの一助になれば幸いです。
ビジネスシャツの襟型は細分化するとその数は10数種類にのぼります。「何となく気に入ったから」という理由だけで襟型が持つ意味合いを知らずに買ってしまうと、シーンにそぐわないものを選択してしまう可能性も。
大切な商談のシーンではシャツの選び方ひとつで、あなたや自社への印象が変わってしまうこともあります。自分がどのようなシーンでシャツを着用し、どのようなイメージを持たれたいか考えた上で目的別に選ぶと良いでしょう。
■ レギュラーカラー
まずは年代問わず愛用者の多い定番のレギュラーカラー。最もベーシックな襟型でビジネス、フォーマル問わず着回しが可能です。ネクタイを締めてきっちりとした印象を持たれたい方は、こちらを選択しておけばまず間違いは起きないでしょう。
ただし、クラシカルなスタイル故、単色だと少し野暮ったく見えてしまうことも。おしゃれに見せたい方はストライプなど柄が入ったものや、襟が白無地になっているクレリックタイプを選ぶと良いでしょう。
■ ワイド(セミワイド)カラー
続いてはワイドカラー。レギュラーカラーと並んで一般的な襟型です。レギュラーカラーと比較すると、文字通り襟が横に開いていることが特徴。首周りがすっきりとして見えるため、ややカジュアル寄りな印象を与えます。
きっちりとしたシーンではなく、普段のオフィスワークや顔なじみの取引先への訪問等であれば全く問題ありません。若々しく、元気に働くビジネスマンのイメージにピッタリです。
■ カッタウェイ(ホリゾンタル)カラー
カッタウェイシャツはワイドカラーよりもさらに開きの広い襟が特徴。すっきりスマートでカジュアルな印象を与えます。ネクタイスタイルはもちろん、ノーネクタイで着用しても襟がきれいに立つので、クールビズにもおすすめです。
おしゃれな印象である一方、かしこまったシーンにはやや不向き。親しい間柄同士での着用であれば問題ありませんが、相手に与える印象に気を付けなければならない場面では着用しないほうが無難です。
■ ボタンダウンカラー
定番の襟型ではありますが、襟の先がボタンで留められており、ネクタイを締めなくても襟が立つ仕様です。すなわち本来はカジュアルシャツとして着用するもの。ノーネクタイが推奨されている職場やクールビズでの着用であればカッコよく着こなせるでしょう。
ネクタイを合わせるのは「なしではありません」が……避けたほうが良い着こなしです。ボタンダウンシャツ本来の着用方法と異なることは把握しておきましょう。また、カジュアルシャツであるため、マナーや身だしなみに気を付けなければならないシーンでは原則NG。かしこまらないシーンでの着用にとどめておきましょう。
■ 着用シーンに合わせたシャツを選んで気持ち良い仕事始めにしましょう
このように同じビジネスシャツと言っても襟型が持つ意味合い、相手に与える印象はさまざま。中には「そんなの気にしないよ!」という方もおられると思いますが、知っておいて損はないはず。
くわえてビジネスにおいては第一印象がとても大事。大切な商談においてボタンダウンカラーにネクタイ着用で臨み、相手がマナーを重んじる人だったら……冷たい空気が流れることでしょう。
デキるビジネスマンは身だしなみにも大変気を遣います。ぜひシャツ選びにこうした視点を持って、新年の仕事始めに気持ち良く臨んでくださいね。
(山口弘剛)