熊本を中心とし九州で発生している地震。いまだ余震が続く中、「地震後めまい症候群」(通称:地震酔い)が注目されています。
地震酔いとは、大きな地震のあとや度重なる揺れが続くことにより、揺れがない状態にもかかわらず揺れを感じてしまうという症状。「船酔い」や「陸酔い(オカヨイ)」に似た症状で、視覚情報と三半規管で感じる感覚にずれが生じることにより起こるとされています。
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東日本大震災の時にも多くの人が発症していますが、筆者も実はその一人。子供の頃から三半規管が弱く「乗り物酔い」をする体質。酷いときには車を見ただだけで気分が悪くなるほどの乗り物恐怖症にも発展しました。また酔い止め薬もそうした影響からか、飲むことができません。飲むと戻してしまうのです。大人になり乗り物酔いはだいぶ治まりましたが、それでも震災の時には重度の「酔い」に悩まされ、医師にも頼る結果に。
そこで本稿では、当時を振り返り医者や周りから教わったいくつかの改善方法をご紹介。
■深呼吸
揺れを感じた瞬間、自分を落ち着かせるために有効とされています。
目をとじて数秒間、深呼吸をするだけ。するとリラックスを促し症状が改善します。
■水分を取る
自分の体がぐらっと来て本物の地震ではなかったら、とりあえず水分を一口のみリラックスする方法。
余震が多い時には揺れを感じるだけで緊張します。するとのどが渇きますので、のどの渇きを癒やすと同時に落ち着きを取り戻す方法です。
■簡単なストレッチ
地震酔いの改善方法として一番に知られているのは、「外で体を動かす」。しかし、避難所などでは、地震酔いを感じてもすぐ外にでることは難しいと思います。
そうした時には、いるスペースでできる簡単なストレッチが有効。
例えば、両手を上に大きく伸ばす。座ったまま両手足を伸ばして指をグーパーグーパーして血行を促すなど。血行が良くなることで、不快感が改善されます。
■筆者が教わり最も有効だった方法「近くにペットボトル」
これは医者に提案された方法の一つ。自分の近くに必ず水分の入ったペットボトルを置いておくだけの方法(コップに入れた水でも可)。
「揺れを感じたな」と思ったら、まずペットボトルに入った水を注視し揺れを確認する。環境によっては電気からさがる紐を見ることでも代用できます。ただそれだけなのですが、自分が揺れているか本物の地震かを視覚的に確認することで、すぐに酔いを覚ますことができました。
注視している間に意識がそちらに向き、冷静さが取り戻せます。また、この方法は本物の地震であるかどうかも視覚的に確認できますので、地震酔いをわずらっている最中には、避難のタイミングを見極めるのにも有効です。
以上が筆者が経験した中で、有効だった方法4つ。
他にも手の親指と人差し指の間にあるツボを押すといった方法や、揺れを感じたら遠くを見る、飲める人の場合には酔い止めを飲むという方法もありますので、地震酔いを感じたらそれぞれ自分にあう方法で改善を試してみてください。
もし上記手段でも改善されない場合には、必ずお医者さんに相談をすること。地震酔い以外にも色んなことが重なり、症状を悪化するケースもあるからです。
「この程度のことで医者に相談するのは申し訳ない」という方もいるようですが、既に死亡例が報告されているエコノミー症候群のようにちょっとしたことから死亡に繋がるケースがあります。「おかしいな」と思ったらどうか自己判断で完結させずに医師の診察を受けてください。
(文:宮崎美和子)